我ながら、あまりにも思慮がなさすぎて色んな問題に悩むことが多いようです。考えることは嫌いじゃないですが、同じことを長々と考えすぎて疲れてしまうこともしばしばです。だからあることに対する考えはとても発達するのに、全体を見渡そうとする思慮に欠けてしまうわけです。特に部屋で一人、物事を考えなければならないときには・・・。長期の考えごとは人間の能力を衰えさせます。
人間ぼんやりとして生きられれば最高なんですが、そうもいきません。しかし休みがあるのならぼんやりとして、考えごともせず、世間を眺めているだけでいたいという希望はあります。それこそ休日の醍醐味でしょう。
休日でしたし、先日買った、マーキュリーのサウンドからいくつか楽しみます。
ポール・パレーの演奏するビゼー。カルメンのラテンの味わいは濃い赤色。あるいはアルルの女の濃密な色気。味の濃いものが好きならどうぞ、召し上がれ。その情熱はまるで熱帯のよう。
ドラティはレスピーギを。ブラジルの夜。熱帯の夜のしじま。あるいは他に収められた鳥達の鳴き声・・・。
僕は日光と影のコントラストが好きです。形にメリハリがつきますし、鮮やかになります。熱帯のような世界は最高です。
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日本の千葉県、勝浦から鴨川あたりにかけては入り江の形が複雑で、そこを通る海岸線の道路にはトンネルがたくさんあります。暑い季節にこのトンネルは涼しく、車に乗らない僕はその陰影と共に房総半島を散策した覚えがあります。
今年のゴールデンウィークの旅行に選んだのは同じく房総半島です。今はそれほど暑い季節でもありませんが、この季節、房総半島は色んなところに美しい花々をみかける素晴らしいところです。
僕はレジャー施設に行くよりも、自然の景色を眺めたりするのが好きですから・・・。特に慌ただしいのは嫌いです。休みならなおさらのこと・・・。しかし今回晴れたのは初日だけで、後は雨が降ったり曇りだったり・・・。そういう意味では結構大変でしたが、自分の時間を久しぶりに取ることができました。
旅行以外の時間のときですが・・・時間が空いたときにマリア・カラスの評伝を読みます。彼女の伝記は二冊目になるんですが、今回の本は良く書けています。装丁も立派で、何より著者の文章は落ち着いていて読みやすく、味わい深いです。一冊目の本が伝記としては物足りなかった分、そのあたりの描写も充実していて安心して読んでいます。
もう一冊はF1に関する本。このスポーツジャーナリストの尾張正博による本は面白かったです。レースそのものにフォーカスを当てず、自身の記者としての体験や、F1の裏話、ドライバーの普段垣間見えないキャラクターなどに重点をおいて書かれていて結構感動しました。カラーのきれいな写真も多いし、内容は気楽に楽しめて最高です。
旅行中は読書することが多いんですが、今回の旅行中は読書するのも億劫でした。多分、かなり疲れていたんでしょう。おかげで旅の間は全てオフにしていいんだと悟りました。
とにかくよく雨に降られました。後は飽きるほど歩きました。無心で。
晴れ間がのぞいた瞬間もありました。そのとき撮った写真をのせておきます。
海ばっかりですね・・・。でも束の間の美しさでした。
帰ってきてからまだぼーとしたままです。日常にもどらなければなりません。ただまだ休みの気持ちは簡単にはぬけませんが・・・。
先の尾張正博氏のF1の本を読んでいくつか感じるところがありました。まずはハミルトンのこと。彼はラフなイメージで最近あまり好感が持てなかったんですが、この本の中で彼が3・11に起きた日本の震災に心を痛めていることをしりました。ただそれはハミルトンだけでなくF1関係者全員にいえることのようではありましたが・・・。
そのハミルトンが取材の終わりにわざわざ余計に時間を取って日本人にメッセージを残してくれたことは心に残ります。
「To all Japan, my thoughts are with and your families.
I will keep you in my prayers in the hope that God will protect you all.Many blessings.
日本のすべての人々へ―――私の思いはみなさん、そしてみなさんの家族とともにあります。どうか被災した方々に神のご加護があるよう、お祈りいたします。」
今でも相変わらずラフなところがあり、この本でもその辺のことについて触れられてもいますが、それでもなおハミルトンのイメージが変わります。
後は武士道とアロンソのことなども面白かったです。彼は武士道の何たるかを説いた「葉隠」という本を読み、感銘を受けたということです。2012年のチャンピオンを取りこぼしそうになったとき、彼はツイッターでその「葉隠」の一節を引用していたといいます。
「刀を打折れば手にて仕合ひ、手を打落とさるれば肩筋にてほぐり倒し、肩切離さるれば口にて首の十や十五は喰い切り申すべく候」
「サムライはためらうことなく戦う。悲願を成就するまでは疲れた態度をとったり、わずかな落胆もみせてはならない」
なるほどなあ・・・いかにもアロンソっぽいですよね。あの厭らしいほどの負けず嫌いの本質を見た気がします。
最後はドリーブのバレエ音楽、シルヴィアです。第三幕の意気揚々としたバッカスの行進を聴きます。あとは柔らかいしっとりとした音楽を・・・。しかし、連休の合間を狙って旅行に行った僕は雨に降られました。海は大荒れ・・・空は真っ暗。
旅行中の天気はドリーブの音楽のように優しくはありませんでした。それでもゴールデンウィークの後半からは晴れた日が多いようです。そういう意味ではバッカスの行進のように楽しい日々が続いています。
爽やかで心地良いです。では、みなさんにも良い日々でありますよう願いつつ、今回のブログは終わりにします。
















