ショスタコービッチの交響曲全集。随分前から評判の全集だったが、僕は先月買ったばかり。
ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送交響楽団。
CD11枚組みで、まだ全部は聴いていないが、4,5,6,7,8,10,15番は既に聴いた。
録音は繊細で細部までよく聴こえ、柔らかさもある。バルシャイの指揮は細部まで丁寧な弾かせかたで、模範的な印象がした。
聴いた曲はほとんどどれも一度ずつしか聴いていないが、好きな曲の交響曲10番だけは何度も聴いている。
10番は名曲だ。
バルシャイの指揮は、第一楽章の出だしなど大人しく、もうひとつかなと思っていると、鮮明な音が陰鬱なこの曲の細部まで照らし出し、ムラヴィンスキーなどの演奏とはまた違う曲の美しさが滲みでてくる。
異様に含みの多い第一楽章だが、こんな曲を書けるのはまさに天才の技。
ブラームスの音楽も含みが多いが、こちらの方が訴える力は比べ物にはならないほど強く、感動する。
異常に暗い音楽なのに、信じられないような偉容と神秘的な和音はまさに第一楽章の醍醐味。バルシャイの指揮は大柄だが、幅のある音楽のためあまり抵抗もない。そして決め所の迫力も悪くない。
スケルツォも大柄だが迫力満点、リズミカルではないが充分満足いく。
3,4楽章も過不足ない演奏で、なによりも丁寧だ。加えて第四楽章の迫力と開放感はムラヴィンスキーの演奏からは味わえなかった。こんな音楽だったとは新しい発見で、今後他の曲を聴くのが楽しみになった。
