福のことを書くのは四十九日を過ぎてからと思っていた。
けど、抱えているのもしんどくなってきたので
書ける範囲で、書くことにした。
遡って、ここ2年のこと。
福がこの2年間、どれだけ頑張ったか、
誰かに知って欲しいという気持ちがあって。
福がジャンプできないようになった時から
最後の日までのことを、何回かに分けて書こうと思う。
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2022年秋。福、19歳後半、
福は、突然ジャンプできなくなった。
もともと身体能力に優れた子で
それまで全く衰えを感じさせなかった。
何せ、毎日、ベッドから棚、
棚から押し入れの中段にジャンプして、
そこを寝床にしていたのだ。
その福が、何の前触れもなく、
突然ベッドに飛び上がれなくなった。
本当にびっくりした。
でも、年齢的にはおかしくない。
まず、ベッド脇の床に台を１つ置いた。
福はそれで上れるようになった。
押し入れに行くルートにも高低差がある。
ベッドと押し入れの間に
高さの違う本棚を２台置いたら
十分、上っていけるけど、
本棚は買わないと、ない。
なので、本棚が来るまで、
ベッドの隅に福の寝床を作った。
福はまあまあ気に入ったようだった。
寝床（ベッド）⇔ お水・ゴハン・トイレ（床）
この行き来は、これでできるようになった。
まだ押し入れには乗れないけれど、
福は、押し入れに上がりたそうなそぶりも見せず、
それまでと変わらない生活をつづけた。
これが、始まり。