北アルプス ダイヤモンドコース縦走 ⑩ 雲の平~高天原
3時過ぎに目覚めるとブラックコーヒーを啜りながらビーフンの朝食をとる。
明け方少し降った雨も止んでいて上空には薄っすら虹が出ていた。
この朝、太郎平からは雲の平の上にかかる見事な虹のアーチが見えたらしい。
朝焼けに染まる空。
お椀の底のようなテン場からは紅く染まる雲が見えるだけだったけど早起きすれば
テン場からは黒部五郎の方角だけ開けていてテントのジッパーを開けると正面に見える。
今日はここにテントを張りっぱなしにして軽装で遊びに行く。
準備を整え出発する頃にはお隣さんのテントは既に撤収済みだった。
撤収で忙しそうなサイト脇を抜けて歩き始める。
このままテン場の上に登っていけば祖父岳はすぐ(実際踏み跡はたくさんあった)。
ハイマツ帯の中をグルリと台地の淵まで周りこみ祖父岳を目指す。
水晶から左の山並みに目を移していくと赤牛岳が見える。
黒部五郎もくっきり見える。
ライチョウを観察しながらゆっくり登っていくと視界が開け祖父岳山頂に着く。
山頂からは360°のパノラマが広がる。
まず遠く雲に隠れそうな槍穂高、眼下に三俣山荘を眺める。
順番に右に移動してゆき三俣蓮華と笠ヶ岳。
大きなカールの黒部五郎岳。
その前日越えてきた大きな薬師岳。
更にその先には赤牛岳の背後に縦走の出発点の立山が遠く望めた。
すぐお隣には鷲羽岳とワリモ岳が同じ高さに見える。
祖父岳の山頂は広く平らで、ここでテントを張れたら気持ちいいだろうと思う。
何枚も写真を撮ったりしながら景色を眺めて結局山頂に30分くらいいてしまった。
祖父岳から歩き始め暫くはハイマツ帯の中のアップダウンを繰り返し
岩苔乗越に着くと他のグループに混じってしばし休憩。
岩苔乗越から雲の平に向いて右手に広がる岩苔小谷。
この時間だと高天原からこちらにたくさんのグループが次々と登ってくる。
こちらは向かって左手に広がる黒部源流の谷。
岩苔乗越からワリモ岳への登りで残雪目立つ縦走路を振り返る。
中央の祖父岳の左は黒部五郎。
斜面を登りきりワリモ北分岐に出る。
ワリモ分岐から水晶小屋までは緩やかな草地の登りが続き歩いていても気持ちいい。
ワリモ岳方向に続くルートを振り返る。
花の季節にはこの沿道は一面お花畑になるんだろう。
水晶小屋が近づくにつれて風が強くなりガスも少しずつ出始めた。
ルート上で出会った花、ヤマハハコか?
こちらの紫の花はわからない。
強風を避けるように稜線下に逃げ込むと水晶小屋に出た。
さすが百名山の人気の小屋だけあって小屋前は休憩の登山客とザックで一杯。
小屋の売店で昼食にアンパンと牛乳を買ったんだけど、番台の奥で応対してくれた
若女将の背中で乳呑児が眠っていたのには驚いた。
検診とかどうするんだろうと思ったがそれ以前にここで育児とは凄い。
ガスが晴れたタイミングを見計らって水晶小屋を歩き始める。
小屋で出会った団体さんは画像上部の真砂岳方面から湯俣へ下るようだった。
水晶岳の手前までは暫く砂礫の登山道の稜線歩きとなる。
岩陰に張り付くように力強く花を咲かせるイワギキョウと出会えた。
水晶のピークへは小屋にザックをデポして空身の登山者が大半。
遠目に見るとギザギザに見えた水晶は近づいてみても岩稜の幾重にも重なり
明らかに険しそうだった。
山頂まではマークがしっかりついているのでルートを見失うことは無さそうだけど
ハシゴの前後は足場の脆いガレ場で神経を使った。
そして足下は谷底まで一気に深く落ち込んでいるので一瞬ゾクっとする。
岩にへばり付き何とか水晶岳山頂に到着。
順番に交代で記念撮影となったが偶然百名山達成のオジさんと遭遇した。
この縦走では4座目の百名山。
水晶山頂からの眺望。
北には赤牛岳まで稜線が連なり、その先の立山は雲に隠れている。
西には大きな薬師岳がデーンと構えている。
天候は曇り空が広がるけど高曇りで大崩れする気配は無い。
周囲の山の展望は利き、日差しも和らぐので歩きやすい条件となった。
南西方向には眼下に雲の平、遠く黒部五郎岳。
雲の平に見える残雪の筋が台地の淵にあたり、右中央の辺りが雲の平山荘。
東の方角には東沢谷を挟んで裏銀座の山々が連なり石灰岩で
一際白く輝いて見えるのが野口五郎岳。
南には今日歩いてきたワレモから水晶への縦走路の先に鷲羽、三俣蓮華が連なる。
下からは山頂目指して次から次へと登山者が岩場を登ってくる。
山頂が混雑してきたので登山者の流れから離れ赤牛方向の岩場を越え歩き始める。
ガラガラの岩場を歩き水晶岳の隣にあるピークを越えると窪地に大きな雪田が現れる。
薬師岳が正面に見えてきた。
ここからだと縦長なカマボコのような雲の平をちょうど真横から眺めるようになる。
薬師岳から足下に目を下ろすと樹林帯の中に高天原の湿原が見える。
ズームアップすると湿原の右端に高天原山荘の赤い屋根がわかる。
越えてきた岩稜を振り返る。水晶岳はこのピークの向こうに隠れている。
暫く歩くと右手の視界も開けてきて裏銀座の山並みが広がってくる。
手前の鞍部に水晶小屋、その背後は燕岳から表銀座の山並みで右端の
の三角のピークが大天井岳。
小さなアップダウンを繰り返し歩いていくとカールが現れお花畑の稜線歩きとなる。
すれ違った赤牛岳からの縦走者はカール側のルートが見つからず反対の岩場を歩いてきたらしく
とてもお疲れの様子だった。
東沢谷側に開けたカールは緑豊かで真っ白な野口五郎岳とのコントラストが美しかった。
カールの沿道で出会ったハクサンイチゲの群落。
岩の隙間に咲く可憐なイワギキョウ。
カールの縁を登りきり2904mピーク手前で縦走路を振り返る。
ピークに出てから温泉ノ頭までは見晴らしのい稜線歩きとなる。
左手の薬師岳も大きい。
金作谷カールの雪渓に浮き出るM字は生憎ここからは見えず赤牛辺りまで足を
赤牛岳に連なる稜線の背後には雲間から立山が姿を現す。
温泉ノ頭の分岐。
真っ直ぐ行けば赤牛岳から読売新道を経て黒部湖に至る。
今回は分岐を左に折れて高天原へ下る。
ここにもあったお馴染みのルート表示板。
アンテナ3本立ってたので家族にメール送信を試みたが送信は出来なかった。
水晶小屋で購入したあんぱんと牛乳で昼食。
入山以来、久しぶりに口にした下界の味。
赤牛岳をバックに記念撮影。
これからいよいよ高天原に湯治に赴く。
1週間ぶりの風呂だ。
夕陽モードで撮影したので赤みが強調されているけど実際これ位赤かった赤牛岳。
温泉の頭を出てから暫くは左手に雲の平と黒部五郎を見ながらの下りとなる。
左下に目指す高天原を見ながら尾根上をジグザグに高度を下げていく。
足場は脆い砂地に浮石が混じっているので神経を使う。
少し下ったところから温泉ノ頭を振り返る。
こうやって改めて見ると下り始めは岩礫の中のルートだったようだが、この下の砂礫の
下りのルート上で見た、正面から迫ってくるような赤牛岳が印象深い。
考えてみれば立山を出てからずっとこの赤い山を眺めながら周囲をグルッと巡ってきたきたようなものだ。
ルートは尾根の途中で右手の枝尾根に折れ温泉沢に向かって下っていく。
本筋の尾根は真っ直ぐ薬師岳に向かって延びていて直線距離だけで言えば
このまま尾根を下った方が高天原は近い気がする。
随分と下ってきたので赤牛岳もそろそろ見えなくなる。
枝尾根に入ってからはハイマツの中に続く赤い脆い砂地の下りとなり更に足元が不安定になる。
砂に浮石も混じっていてハイマツに足の置き場を見つけたりしながら何とか下る。
ここを逆から登るのもキツイとは思うが下りもヒヤヒヤもので唯一晴れているのが救いだった。
悪天候ではこのルートは怖くて歩く自信が無い。
尾根の下り終盤に入ると砂地は安定してきて石ゴロが増えてくるので浮石だけ注意。
ルートはこの先、右手のハイマツ帯に入り画像中央の温泉沢まで下っていく。
ハイマツ帯を進むと潅木帯へと変わりやがてツガ、シラビソなどの針葉樹林帯の中を
ひたすら下っていく。
温泉沢に出てからは渡渉を何度か繰り返しながら沢沿いのゴーロ歩き。
ケルンとマークを見落とさないよう注意してルートを辿る。
沢の水量が安定していた割にはこの沢歩きで時間を食ってしまった。
ゴーロ歩きにウンザリした頃になって、ようやく高天原温泉に辿りついた。
小屋を往復する余力がもう無かったので先にひと風呂浴びていくことにする。
幸い先客はいなかったので脱衣所にザックを下ろし全裸になると身体と頭を洗って
湯船に浸かった。
湯の温度はやや温めだったが疲れた身体にはこれ位が心地いい。
文字通り源泉かけ流しで湯船の中は白濁していて湯船の底は温泉物質でヌメリがあった。
本当にいい湯だった。
あんまり気持ちいいもんだから1時間近く湯に浸かってのんびりしてしまった。
温泉でゆっくりし過ぎて予約もしないのに到着が遅くなってしまい
受付のお姉さんに軽く説教されてしまった。
おおいに反省。
今回は思いっきり湯治に徹するので久々の「屋根つき、風呂つき、飯つき」と奮発した。
前評判が高く期待していた高天原山荘の夕食は美味かった。
天ぷら、揚げ物、生野菜に冷奴と身体が欲しているものを補給するようだった。
夕食後は小屋前のテラスに腰掛け一人宴会。
水晶岳の岩肌に映る真っ赤な夕陽を眺めながら缶ビールを喉に流し込む。
今日歩いたルートを思い返しながら杯を重ね3本空けたた頃にはシコタマ酔っていた。
数日前には布団1枚に3人の寿司詰め状態だったという情報を入手していたので
シュラフとマット持参で床に寝るつもりで来たら予想外にギリギリ定員内で布団1枚
頂くことができた。
雲の平山荘の営業再開前は三俣、高天原の他普段ガラガラの薬師沢まで流れてきた客で
慢性的に混雑していると聞いていたのでラッキーとしか言いようが無い。
久しぶりに屋根のある所で暖かい布団で眠れるというのに、悲しいかなテント住まいの野営生活に
身体が馴染んでしまいかえって安眠できなかった。
見事に屋根の歪んだ高天原山荘。
年々傾きが大きくなっているという噂も聞くが外見に比して内部は機能的で整備もよく
いき届いていて居心地も良かった。
2階の客が歩く度に床がきしむ程度はご愛嬌。
北アルプス ダイヤモンドコース縦走 ⑨ 黒部五郎~雲の平
昨日は行動距離が長かっただけあってとても疲れていたけど体は完全に
山時間になっていて3時過ぎに目が覚めた。
朝飯のラーメンを食べてからコーヒーを啜り撤収に取り掛かる。
まだ夜明け前だったが昨日空を覆っていた雲は見事に晴れ今日の好天が
期待された。
黒部五郎のテン場は南の方角は開けていて真正面に笠ヶ岳を望むことが出来る。
五郎カールの入り口の居心地の良い草原のテン場はこの眺望も手伝って正しく絶好の
ロケーションで今回ようやくここに泊まる願いが叶った。
黒部五郎小舎のある草原地は持参した登山地図上では黒部乗越と表記されているが
昔のヤマケイガイドには黒部平と記されている。
フライの結露を退治してパッキングを終える頃には草原を覆う朝靄も消えつつあった。
五色ヶ原からずっとテン場仲間だったジェロームとは今日でお別れ。
先に発つ彼を見送ってからテン場の下段にある水場で水の補充を済ませ
自分も歩き始める。
山小屋の草地で見つけたチングルマの綿毛は露で光っていた。
主稜線からちょっと下っただけで花の暦は随分と違ってくるようだ。
山小屋裏手の斜面に取り付き三俣方面に向けて歩き始める。
小屋を出て稜線に向かって一気に斜面を登るように登山道はついていて
朝イチにはなかなか厳しい。
岩がゴロゴロの沢筋を直登する「急坂コース」と脇の樹林帯にジグザグにルートを
つけられた「のんびりコース」の選択が出来るようになっている。
当然迷うことなく「のんびりコース」を選ばせてもらった。
急登の終わりに近づくとモミやツガの背の高い樹林からハイマツ中心の植生に変わり
視界も開けてくる。
振り返ると大きく手を広げたようなカールを抱く黒部五郎、眼下の山小屋の辺りは
まだ夜明け前のようだった。
斜面を登りきり尾根に取り付くと南側には特徴的な山容の笠ヶ岳が姿を現す。
尾根上に出るとちょうど同じ目線の高さに五郎カールが見えてくる。
今回も昨年に続き黒部五郎山頂からカールルートを下ったので、今度機会があれば
稜線ルートを歩きたい。(山頂から向かって左のカールの淵を下るコース)
稜線に出ると東から強い風が吹き始める。
三俣、双六の山並みを乗り越えて帯のような雲が流れ込んでくる。
しばらくは馬の背のような尾根に沿って緩やかに登っていく。
雲は多くなってきたけど笠ヶ岳はまだ隠れないでいてくれている。
何度も何度も振り返っては黒部五郎を眺めてニンマリしてしまう。
登山道脇の斜面で見つけたお花畑では朝露を纏ったチングルマが
朝日を浴びて輝いていた。
ロープで保護されていたお花畑は小さなシマが等間隔に並びガーデニングみたい。
この稜線では至る所でチングルマが咲き乱れ丁度盛りを迎えているようだった。
尾根筋を北東に向けて緩やかに登っていくと道標の立つ平坦地に出るので
ここから東に方向転換し三俣蓮華を目指し歩いていく。
ここまで登ってきて再び雲の平方面の視界が開け薬師岳も見えてくる。
小休止がてら笠をバックに記念写真。
この日の服装は朝から急登なので下はタイツにランニングパンツを重ね履きし
上はポリエステルのシャツにカッパを羽織った。
陽が高く昇っても稜線は風が強くてカッパを脱ぐ気にはならなかった。
三俣方面から縦走してくる登山者が目立ち始めた。
再び歩き始めるとハイマツ帯の中を縫うように続く縦走路が三俣の分岐まで続く。
太郎平から北ノ俣にかけて連なるなだらかな稜線。
昨日の今頃はあの辺りを気持ちよく歩いていたんだよなぁ。
ハイマツ帯の登山道を緩やかに登っていき2661mピークに登り詰める。
縦走路の彼方に黒部五郎がどっしりと構え、何度歩いてもウキウキするルート。
五郎のテン場でお隣さんだったオジサンが登ってきたので撮影のモデルに
なってもらった。
この先から三俣蓮華の山影のルートに入るので笠ヶ岳とも暫くお別れとなる。
まだまだ青空が広がってるけど飛騨側から徐々に雲が湧き上がってきている。
黒部五郎も、まだまだくっきり晴れている。
2661mピークからは尾根が狭まり進行方向に三俣蓮華のカールが見えてくる。
ハイマツ帯の中を歩いていくと雲の平側にスッパリ切れ落ちたガレ場に出て
ちょっと神経を使うトラバースがあった。
ガレ場を抜けると三俣蓮華と巻道の分岐に出る。
テーブルのような台地の雲の平と薬師岳。
足元のカールは北斜面だけあって残雪が目立った。
分岐から巻道ルートをとり三俣山荘を目指す。
三俣蓮華北斜面はスプーンでえぐったように何筋ものカールが連なり、
それを乗り越えるように歩いていく。
黒部の谷を隔てて左が祖父岳、右が鷲羽岳で中央の尖った峰が水晶岳。
薬師岳を望遠。
カールのお花畑で見つけた花。
これはチングルマか?
カールの中に入ると山の影に入るが強く吹いていた風も遮られる。
上空は相変わらず風が強いようで東の空から雲がどんどん流れてくる。
カールの斜面をトラバースするようについているルートを振り返る。
カールの中を歩いていくと至るところで花畑と出会った。
三俣カールから祖父岳を正面に眺めると雲の平が黒部渓谷に削られ残った
台地であることがわかる。
カールの上部には、まだまだ残雪が目立つ。
雪渓から流れ出た雪解け水で喉を潤し、水に浸した手拭いで首筋を冷やすと生き返る。
すれ違った登山者の話だと
「これだけ東風が強くて雲が流れてれば午後には天気が崩れるだろう」
と言うことで、とにかく午前の内に距離を稼いだほうがいいようだった。
風に流されてどんどん雲がやって来るけど青空はまだ見えていて黒雲に
覆われるという気配はない。
カールのモレーンを横切る。
カールとカールの境目では必ずハイマツ帯の登りが待っている。
カールの淵の高台から歩いてきた巻道ルートと黒部五郎を振り返る。
ここからは三俣山荘への下りとなり黒部五郎とはしばしお別れとなる。
三俣側から眺める黒部源流方面。
中央の緩やかな谷が黒部源流で左に祖父岳、右にワリモ岳。
三俣蓮華をぐるっと回り込むと鷲羽岳が正面に見えてきて、おさまっていた風が
再び強く吹き始めた。
三俣蓮華の山肌には残雪が目立った。
カールを出てから緩やかに下っていくとハイマツの海に浮かぶように
三俣山荘が見えてきた。
ハイマツを掻き分け斜面を下りテン場の中を抜けて三俣山荘に到着。
小屋前のベンチに腰掛け行動食を口に押し込みながら足の絆創膏を張替えしばし休憩。
夏雲の湧く鷲羽岳を右手に眺めながら黒部源流に向けて沢筋を下っていく。
鷲羽にピークはまた後に取って置くことにする。
三俣から流れ出す沢は下るにつれて枝沢から水を集め徐々に太くなっていく。
流れを何度も飛び越え岩の間を飛ぶように下っていくと雲の平へのルートが正面に見えてくる。
黒部源流から雲の平の台地の上まで一気に登っている。
黒部源流に下り立つとたくさんのユリの花に出会った。
谷底である源流地点から雲の平へのルートを見上げると壁にしか見えない。
さっき上から眺めた時よりも標高差が大きく感じられ登る前からウンザリしてしまう。
黒部源流にはまだ大きな雪渓が残っていた。
黒部源流ルートは花を目当てのツアー団体の姿が目立った。
まずは黒部源流を渡渉して斜面の取り付きに出て雲の平への登りに取り掛かる。
ところでここは雲の平への最短ルートだけど、この渡渉点は雨で増水した時にはどうしてるんだろうか?
登っていくと鷲羽岳とワリモ岳がだんだん大きく見えてくる。
振り返ると三俣山荘の鞍部の背後に槍が見えてきた。
足下に目を移すと登ってきた斜面と黒部源流。
この辺りで斜面を6割くらい登った地点でまだまだ登りは続く。
写真を撮りながら休憩していると団体ツアーとすれ違い負傷した女性が片腕を吊り
ガイドに確保されながら下っていく光景に遭遇した。
山は自己責任、単独行では我が身は自身で守らなければならないと改めて感じた。
三俣から黒部源流へのルートを一望。
緑が濃く水が豊富な気持ちいいルート。
斜面を登りきり雲の平の台地上に出ると三俣山荘が同じ高さに見えるようになる。
祖父岳が真正面に見えてくる。
大きな雪田の縁を歩いていく。
三俣蓮華はこの角度から見るとナカナカいい山容だと思った。
雪田を駆け抜けていくライチョウ。
ライチョウは意外に足が早かった。
日本庭園から見上げる祖父岳。
午後に入ると一段と暑くなりこの辺りはもうバテバテで風が吹いてなかったら
熱中症になってたかもしれない。
振り返ると三俣蓮華とその左に槍ヶ岳。
祖父岳の山裾を周り込むとようやく雲の平山荘が遠くに見えてきた。
祖父岳ピークへの分岐で休憩。
もうフラフラだったのでピークには寄らずテン場へ直行する。
水晶岳もここで正面に見えてくる。
とにかく大きく秀麗な姿。
眼下に雲の平のテン場が見えてくるけどルートはぐるっと遠回りするようについている。
谷を隔て水晶を正面に眺めながら台地の淵についたルートを進む。
淵から台地の内に入ると木道が現れ山荘が正面に見えてくる。
テン場との分岐にザックを置いて空身で山荘に向かう。
雲の平山荘は昨年から全面改装工事中で明々後日から営業再開の予定だけど
未だ建築資材がそこらに転がってて外装だけ出来てるような状況だった。
小屋番のお姉ちゃんとお喋りしながらテン場の受付を済ませ売店だけは営業しているので
缶ビールを大量に買い込み山荘を出た。それにしてもどう見ても建築現場そのままだ。
山荘前から眺めた黒部五郎岳。
その左手には三俣蓮華岳。
木道脇の岩場で出会ったお食事散歩中のライチョウ親子。
日中暑かったので雷雲が出るかと心配したけど風が幸いしたようだった。
雲の平は文字どうり雲の通り道のようで空の模様は刻一刻と変わっていく。
スイス庭園手前から眺めた水晶岳の定番ショット。
雨が少なく木道脇の湿地はカラカラに乾燥していて草花は全く見られなかった。
テン場に着いたのは4時前で8月一週目の週末ということもあり目ぼしいサイトはほぼ埋まっていて
テン場奥の沢の傍に何とかスペースを確保して設営した。
仕入れた大量の缶ビールを沢の水に冷やしてから、夕食までの時間を使って洗濯と
シュラフ、衣類の天日干し、ついでに湿ったザックの中身を全て出して乾かす。
乾くのを待ちながらコーヒーを啜っているとラジオからビートルズの「レットイットビー」が流れてきた。
それに合わせるように隣のテントのオジ様が口笛を吹くのが聞こえてきた。
時間がゆっくり流れているような不思議な心地よさを感じた。
夕食は高野豆腐と乾物野菜の煮物、海草サラダにパスタに缶ビールは2本。
おかずを酒の肴にビールを喉に流し込んだ。
陽に焼かれ火照った身体に染み入るようだった。
5時頃にはテン場は一杯になり張るスペースが無くなり岩の上に張る人たちもいた。
夕陽に染まる祖父岳。
この雪渓の雪解け水が沢となり目の前のテントサイト脇を流れている。
夕陽に染まる水晶岳を期待していたらテン場からは山影で拝めなかった。
雲の包まれた黒部五郎を眺めながらビールを飲み続け今日歩いた余韻に浸る。
今日で今回の長期縦走も折り返しとなり後半に突入する。
これまで続いた晴天も徐々に下っているようだ。
藤原岳 福寿草に出会いに
前々から登りたかった福寿草の咲く季節に訪れた。
朝起きると天気も良かったので自宅から車を飛ばして40分で登山口に乗り付ける。
本来は大貝戸の表登山口から登る予定でいたけど聖宝寺の裏登山口に出てしまったので
変更してこちらから登り始めた。
駐車場からしばらくは聖宝寺参道に続く石段を登っていく。
釣堀の横を抜け聖宝寺裏手の登山道を登っていくと鳴谷を渡り谷筋を暫く進む。
谷筋の斜面を巻くようにして標高を上げていく。
谷底についたルートを進み途中から斜面に取り付き登っていくと
杉の植林の中の登りとなり3合目に着く。
暫く登っていくと杉林から出て登山道沿いに花の姿が見え始める。
ニリンソウだと思って眺めていたけど確証なし。
細長い変わった形をしたヤマエンゴサク。
ピーンと花弁を伸ばしてるように咲くカタクリの花。
我が家の庭のものに比べるとやっぱり野生のものは力強く逞しい。
しばらく尾根通しの良い道を進むと坂本谷に出る6合目過ぎから
軽くガレた急登となる。
斜面にはバイケイソウの葉がいたる所に見られたので花の季節はキレイなんだろう。
ただその時期だと山ヒルも一杯出るんだろうけど。。。。。
8合目の大貝戸ルートと合流する広場で小休止して再び登っていくと石灰岩の中に
咲乱れる福寿草が姿を現す。
敷き詰めたようなお花畑とまではいかないけど見渡すといたる所に
黄色い花のシマが点在している。
花を見つけては撮影で足が止まりなかなか前に進めない。
途中にあった遭難者の慰霊碑。
お供えの花だと思っていたら野生の福寿草が墓碑の傍らに生えてきたものだった。
他の登山者も皆さん花があると足が止まる。
9合目あたりから潅木帯に入りこの辺りも福寿草の姿が多かったけど
日当たりがいい分こちらの花はやや盛りを過ぎているに感じた。
潅木帯を出ると視界が開け眼下のいなべの町や養老の山並みが眼前に広がる。
山頂手前の稜線に建つ非難小屋の藤原山荘に立ち寄り昼食。
稜線に出ると空気が冷たく急に寒くなってきたので小屋の中に入りコンロで湯を沸かし
カップラーメンを食べる。
更にホットコーヒーにビスケットで身体を温めようやく落ち着く。
正午近くなると団体さんが続々と登ってきて小屋の中も窮屈になってきたので
カッパ上着を着込み身支度を整え山頂に向かう。
山荘前の広場から正面の笹のピークは藤原岳山頂。
昭和40年代まではここにスキー場があったらしく当事はリフトもなくスキー客は麓から
ここまで登ってきたらし。
山荘から藤原山頂にかけてはなだらかな笹の平原が広がり歩いていても気持ちいい。
山頂手前から画像中央の藤原山荘を振り返る。
藤原岳山頂から南方向に竜ヶ岳を望む。
晴天なら更に奥に御在所岳が連なって見えるらしい。
西の方角にはテーブル型した鈴鹿の最高峰 御池岳が見える。
山頂は若いグループに占拠されていて空の雲行きも悪くなってきたので
今回は記念撮影はせず急いで山荘に戻る。
山頂からの下った平原で出会った名前がわからない花。
藤原山荘に戻りトイレを出たところで山頂に黒い雲がかかりゴロゴロと聞こえ始める。
風も強くなってきたので靴の紐を締めなおしストックを両手に握り下りにとりかかる。
下り始めてすぐパラパラと小さな雹のようにアラレが降り始めた。
雷が怖いので杉の植林帯に入るまではのぼノンストップで下り続けた。
8合目からは登りとは別ルートをとり大貝戸道を下る。
途中で出会った白いかわいい花。
ヒロハアマナだと思っていたけど帰宅後ネットで確認すると花弁の形がどうも違うので
別の花らしい。謎が増えた。
大貝戸ルートは聖宝寺ルートに比べ傾斜が緩いので結果として聖宝寺から登り
大貝戸に下る今回の行程は正解だった。
杉の植林帯に続く長い下りを延々と下っていく。
天気はアラレから雨に変わり途中からは土砂降りとなった。
下りも半分来たところで木陰でザックカバーをつけ行動食を口に放り込み
更に下っていく。
何組かグループを追い抜き一人ぽっちで黙々と下っていき
もういい加減下りに飽きた位になってようやく大貝戸口に出た。
大貝戸口から聖宝寺口の駐車場まで歩いて戻りザックを下ろし靴を脱いでようやく落ち着く。
皮肉なもので下山すると同時に雲は晴れ青空が広がってきた。
自分の晴れ男パワーが弱まってきたのか今回は下り途中でアラレと雨に降られたけど
福寿草にたくさん出会えたのでいい山行始めとなった。
この日はこの後3時過ぎに帰宅してからタケノコを掘ってから田圃に移動して
代掻き後の均しののち除草剤を撒いて日没後の7時前になりようやく片付いた。
山、竹薮、田圃のハシゴはやはり身体にこたえた。
海津大崎ツーリング
姪っ子のおチビが入院してバタバタしていたもんで近所の桜を見に行った位でいたら
もう今年の桜は終わってしまいそう。
新聞の開花情報だと海津大崎は昨日満開になったので昼からチャリに跨り桜を求めて
花見ツーリングに出掛けた。
美濃の桜は大方盛りを過ぎて散る一方だけど越境して近江に入ると花暦は異なるようで
ちょうど満開を迎えている桜にいたる所で出会う。
まず伊吹山麓を走っていて見つけた姉川の桜並木。
次いで365号を北上していて橋を渡るところで見つけた高時川の桜並木。
植わっている桜の間隔が絶妙で花をたわわに付けた枝がアーケードのようで綺麗だった。
ここの桜は並木全体どこをとっても満開で凄かった。
堤の下には桜と平行するように白モクレンの並木があってこれも満開。
この桜並木は別に観光地でもないので地元の人たちしか訪れていなかったけど
ベタな桜の名所よりよっぽどいい桜が見られる穴場だと思った。
桜だけをとれば今回は海津大崎よりもここの桜の方が印象に残っている。
賎ヶ岳のトンネルを抜けると行楽の車の大渋滞が始まり303号に入ってもまだ続いている。
この土日は花見客の渋滞緩和の為にマキノ側→大浦への一方通行に
交通規制されていてチャリで花見するにはもってこいだった。
新聞の開花情報どうり桜は満開を迎えていたけど、さっきの高時川の並木と比べると
真っ盛りとは言えないかなぁ。
とは言え琵琶湖に向かって枝を伸ばすように連なる桜並木はなかなか他では
見れないものだしやはり見応えがある。
チャリを止め枝ぶりのいい桜の下に腰を下ろしアンパンとカフェオレで遅い昼食を
摂りながら今年最後の花見を楽しんだ。
陽が傾き始めると北風も強くなり身体も冷えてきたので帰りは寄り道せず真っ直ぐ帰宅。
来年は桜を見ながら酒が飲みたい。
きっと美味いに決まっている。
DST 108.71km
TIME 5:15:17
AVE 20.6km/h



























































































































































































































