多分、これは珍しいことではないと思うけれど、私は、バイオリンとチェロを同じ譜面台を使い、同じ場所で練習している。しかし、練習が終わったら、チェロとチェロの弓ははチェロスタンドに戻し、バイオリン、バイオリンの弓とショルダーレストはバイオリンのケースにしまうことにしている。しかし、時々(と言うか、よく)「後でもう少し練習しよう」と思って、練習エリアから離れ、そのまま他の事に時間を取られ、結局、練習に戻らないこともある。そういう時は、弓を譜面台に付けてある弓掛けに掛けっぱなしになってしまう。

 

そんなことに気づかずに、オーケストラのリハーサルにいって、弓を忘れて行ってしまうことも多いのだけど、幸い、バイオリンケースの中には、予備の弓が入っているので、それを使って事なきをえる。

 

しかし、先日、チェロのレッスンに行く前に比較的、時間に余裕を持って、チェロと弓をチェロバックにいれ、教本などをレッスンバックに入れ、先生の家に行った。チェロと弓をバックから出すと、弓に違和感を覚え、よくよく見てみるとバイオリンの弓だった。私はチェロの予備の弓はチェロバックには入れてないので、レッスンでは先生の予備の弓を貸してもらった。

 

そして、レッスンをしていると、先生が、譜面台に置かれた、鈴木教本をさして「これ、違うよ」と言うではないか。何かと思って、よくよく見ると、それはチェロの鈴木教本でなく、バイオリンの鈴木教本だった。幸い、レッスンではスズキ教本から課題は出ていなかったので、困ることにはならなかったのだけど、バイオリンの教本にバイオリンの弓を持って来たと、先生と二人で大笑いしていた。

 

私は、現在使用していない教本などは「バイオリンの本」と「チェロの本」と本棚を区切って仕舞っているけれど、レッスンで使う教本は一緒にしてしまっている。本当は違う場所に置きたいのだけど、こういう事には、ずぼらな性格なので、どの本も混ざってしまう。今までは、鈴木教本を使っていたのは、チェロレッスンだけだったので、チェロ版なのかバイオリン版なのか確認しなくてもよかった。その癖で、少々前に加えたバイオリンの対面レッスンも、鈴木教本を使っていた事をすっかり忘れて、チェロ教本なのかバイオリン教本なのかを確認することすら忘れていた。

 

レッスンバック(これも、音楽関係の全てで同じバックを使い、楽譜だけ入れ替えている)に入っているはずの筆箱を忘れたり、眼鏡のケースだけが入っていたり(どのレッスンでも、同じバックを使っているのは、どこへでも持参する筆箱と眼鏡を入れ替えなくては良いからという理由なのに)はたまた、オーケストラのリハーサルに、コーラスの楽譜を持って行ったり(両方とも黒いバインダー)とよく間違えてしまう。急いで、支度をすると間違えると知っているので、今回のチェロレッスンでは時間に余裕をもって準備したはずなのに、それも2アイテムも間違えていたなんて、、、。

 

家のピアノ教室の今年の春の発表会まで、あと数日となった。春の発表会は「フォーマル」としていて、それぞれの生徒がソロ曲と連弾を弾くことになっていて、ソロ曲は基本暗譜することとなっている。連弾曲も暗譜させた方が一貫性があり、良いと思うのだけど、生徒同士で暗譜で弾かせると、事故があった時にリカバーできないだろうし、半数近くの生徒の連弾の相手は私なので、私がそんな数の曲の暗譜ができない、と言う、私の事情によるところも大きい。

 

アメリカの音楽教室では、先生が演奏を披露しないところも多いのだけど、私には、弾かないと罪悪感があるので、発表会では、何かしら演奏することにしているし、春のフォーマル発表会では、生徒に暗譜を推奨することもあり、暗譜で弾くことにしている。

 

しかし、私のピアノの腕前はそれほどでもないし、暗譜もとても苦手なので、人前で、崩れる危険性が少なく、それなりに恰好がつき、恥ずかしくないレベルの曲で、暗譜が比較的しやすくて、時間は5分以内、3~4分以下が望ましい。という条件で曲選びをする。昨年は「幻想曲さくら」今年はメンデルスゾーンの狩りの歌にした。

 

それなりに弾き込んで、暗譜も完成させるとなると、練習時間は結構かかって、ここ数年は、春の発表会が終わった後、直ぐに翌年の発表曲の練習を始めている。数日後の今年の発表会に向けた曲の練習の他に、来年の発表会に向けて曲探しもしなければならない。どうしよう、、、、。

 

 

来週末に迫った、ピアノ教室の発表会では、スタインウェイディーラーのお店に隣接されている、リサイタルホールを貸してもらうことになっている。このホールを借りるのには、お金はかからないのだけど、ステインウェイのピアノの先生のリストに加えてもらい、お店が主催するイベントに参加しなくてはならない。

 

今までは、年に3回、イベントに参加すると、翌年に2回使用させてくれたのだけど、私の知らぬところで、3回のイベント参加で1回の使用とルールが変更されていたようで、この春の発表会の日程を取りたいと、お店に連絡を取ると、店長さんが「あなたには、昨年5回参加したイベントの点数ある。そのうち三点は昨年の春の使用で使い切ったので2回しか残っていなく、一回分足りない、日程を押さえることは出来るけど、その日の前までにイベントにもう一度参加しないと、予約を取り消すから」と言われた。しかし、その直後に「まあ、気にしなくていいです」とも言われた。実は昨年、私が参加すると予約していたイベントが直前に中止になったのに気が付き、それを一回分参加とみなすことにしたのかなと思ったのだけど、言う事がコロコロと変わるこの店長の事だから、安全のために、発表会の日程の前に、何かイベントに参加したほうがよさそうだと考えていた(ちなみに、こういう使用ルールがあるのは、我が町にあるお店だけで、他の地域のお店では、こんなルールはないそうで、店長が適当にやりたい放題やっているらしい)

 

さて、イベントに参加義務を課しているにも関わらず、イベントは不定期で、開催される数日前に連絡が来たりすることが多い。私は、「もっと、前に知らせてくれれば、スケジュールのやりくりが出来るし、教室の生徒に声を掛けられる(イベントは、生徒の親をお店に呼び込むための宣伝の為に行っている)のだけど、直前の知らせでは困る」と、何度か店長に迫ったことがあるのだけど「知らせは、スタインウェイの本社から出てるはずだから」と(私の、スタインウェイ本社からのお知らせも来ない)何とも無責任な返事しか返ってこなかった。

 

さて、そんな義務で参加しなくてはならなくなったイベントで、日程が合うものは、スタインウェイの教師リストに載っている他の先生の生徒達を集めた発表会だった。私は、私が全く関係ない生徒の演奏を聴く気はほぼなく、出席の点呼を取ったら、早引けしようと思っていたのだけど、今回のイベントに限って、点呼はイベントが終わった後に取るという。これでは、最後まで椅子に静かに座っているしかないと、メールの返事をしたり、ブログを見たり、と聞くのは半分で色々と「内職」をしていた。全体では20人くらいの生徒が演奏しただろう、その中盤で、曲が始まり(多分、一小節か二小節弾いたくらい)で「あれ?バッハの曲かな」と思わせる演奏があった。曲を知っていたわけではないのだけど、曲の感じでバッハ感というかバロック感がしっかり出ていて、プログラムを見てみると、やはりバッハ作曲の作品とのことだった。弾いていたのは、小学校高学年から中学生くらいの女の子で、ほんのちょっとさわりを弾いただけなのに、バッハだと分かるように弾けるなんてすごいなぁと感心していた。

 

バッハの曲はバッハらしく、モーツアルトはモーツアルトらしく、ベートーベンはベートーベンらしく弾けるようになりたいというのが、ここ数年の私の目標だけど、レッスンでは、それがどういうことなのか全く習えていないなぁと思っていた。今の先生とのレッスンでは、学びが多いけれど、どれも「この曲のここは、どんな雰囲気」という、個々レベルの指導になってしまっている気がする。先日、もっと大きな観点からの指導を求めているとは伝えたのだけど、この辺のこともしっかり伝えておいた方が良いのかもしれない。

 

 

新しい先生との対面バイオリン体験レッスンに行ってからの二週間は、あっという間に過ぎてしまった。体験レッスンでは、特に宿題は出ていなかったのだけど、体験レッスンでやった、バッハのメヌエットの復習と、弓を真っすぐに曳く練習を開放弦でしておいた。

 

さて、本格レッスンの第一回も、最初の指摘は弓の曲がりだった。家での練習では、自分なりに気を付けて、進歩があったと思っていたのだけど、それでもまだ曲がっていたらしい。しかし、修正は前回ほど入らなかったので、前回よりはましになっていたという事かもしれない。よく「弓と駒や指板の関係を目で見て、確認して弓がまっすになっているように確認して」と言われたことはあったけれど、私の場合、目で確認して、真っすぐになっていると思っても、曲がっている(それも大幅に)ことが多いので、自分の目は当てにならない。これは、腕の動きや手首の折れ具合を体に覚えさせないといけないと体の感覚に注意する。

 

弓の曲がりが修正された(それでも、ちょっと気を抜いたり、時間が経つと、元の曲がりに戻ってしまうので、再度修正を繰り返す)後は、弓圧について指導があった。私は、バイオリンを始めた時から、弓が弦の上を滑っていると言われ続けてきた。最近は随分改善したように思えていたのだけど、それでも、十分ではないようだ。弓を弦にゴシゴシとこすりつける様にして、そこから、少し力を抜く。それぐらいがちょうどよいらしい。そして、しっかり弦が震えているからか、今まで聞いたことの無いような音量の音が出たし、音質もバイオリンっぽい音になった。

 

私は、元々、変な音(間違った音程の音)出すのが怖くて、恐々と弓を曳いていたので、弓が弦の上をすべている状態だった。「もっと、しっかり弾く!」と言われ続け、次第に弓圧を掛ける様になってきたのだけど、音が少しかすれたり、こすれたりすと弓圧が多すぎるのではと思い、弓をあまり弦に付けないようにしてしまっていた。しかし、音のかすれや擦れは、弓が曲がっていたり、弓の速度が遅くなるのが原因で、私の行動は良い音質から遠ざかることにつながっていたようだ。

 

バッハのメヌエットをやった後は、クロイツェルの10番を少しやろうという事になった。これは、弦によって右腕の高さを調節する動きを訓練するエチュードだそうだ。この原則についてはバイオリンを習いたての頃は言われていたけど、元々しっかりと出来ている訳ではなかった。その上、オンライン先生とのレッスンで「指弓で移弦する」と言うような事をやっている途中で、指先や手首で移弦をしようとする変な癖がついてしまっていたらしい。オンライン先生にも「弦の上に空気の球があって、それを潰す感じ」と言われていたけれど、その動きをしっかりとするには、腕の上下をしっかりしないといけないのだという事で、腑に落ちた。ここでも、まえに折角習っていたことを、自己流の癖で上書きしてしまっていたようだ。

楽器の練習で、何か好ましくないことがある時には、何故、その好ましくないことが起きるのかの原因を追究せず、ただ、がむしゃらに「直したい」と思いながら練習しているだけでは治らないと、私は思っている。本当に小さな子供とか、とても感性が優れている人は、そうではないのかもしれないけれど、多くの人は違うと思う。長年、弾いているピアノでは、私自身、自分でそれなりに原因究明をして、解決法を見つけられることも多いのだけど、歴の短いバイオリンやチェロでは、自分では解明が出来ないし、対処法も分からないので、そういうことを教えてもらいに行くのがレッスンだと、私は思っているし、自分が教える側に立った時も、そういう姿勢でレッスンに臨んでいる。

 

少々前になるけれど、新しい生徒で、リズムに変な癖のある子がいた。その子は、私の元で初めてピアノに触るという子だったので、最初から、ピアノを弾く時に拍を数えることを徹底的にやってきた。しかし、変な癖(私が今まで経験したことない癖)というのは「いち、に、さん、よん」と数えなければならない時に、同じテンポで数えられず、二分音符とか全音符になると、数えるのが遅くなり「いち、に、さーん、よーん」の様になり、三拍目と四拍目の二分音符は二拍以上の長さになってしまう。

 

音符の読み方を初めて習った子は、二分音符や四分音符を「長い音符」と認識する子が多いので、私は「二分音符は長い音符でなくて、二拍」とか「四分音符の倍の長さ」と言うような訂正を必ず入れる。今までに教えた生徒は、だんだんにその概念がおぼえられ、そうすると拍感が良くなる。しかし、今度の新しい生徒は、説明させると「二分音符は二拍、全音符は四拍」と分かっているのだけど、実際に数を数えさせると、間延びした数え方になってしまう。

 

そこで、メトロノームを使ったり、一緒に数えたり、私が数えるのに合わせて弾かせてみたり、手を叩いてみたり、足踏みをしてみたり、と色々とした。メトロノームを付けて数えたり、弾いたり、または私が数えるのに合わせて弾かせたりするときは、ちゃんと拍数を合わせられるのに「じゃあ、一人でやってみて」というと「いち、に、さーーん、よーーん」と、変な拍の数え方に戻ってしまう。

 

私一人では、解決策が見つからないと、ピアノの先生が集まっているSNSのグループで問いかけをしてみたのだけど、どの方からの返答も、私がもう試して、効果のない練習法しか集まらなかった。過去に何度か、私一人では、どうしても解決策が見つからない時に、同じグループに質問をしてみたこともあるのだけど、的外れな返答や、私が考えて試したけれど、問題解決につながらなかった方法についての返答しかなかったので「やっぱり、このグループはあまり役に立たないなぁ」などと思っていた。

 

少しの間、どうやったら、この子の拍感を直せるのかと悶々としていたのだけど、ある時、ハタと「もしかしたら、二分音符は四分音符は「長く伸ばす」と思っているから、数の数え方自体をゆっくりにしないといけないとおもっているのかもしれない」と思いついた。そこで、次のレッスンでは、算数用(分数)のブロックを使って、二分音符は「いち、に」と数えるから、四分音符の倍の長さになるのであって、「いーーーち、にーーー」と数えたら、四分音符の倍、つまり二拍より長くなってしまうよね、と説明すると「そうなんだ、長い音だから数える時もゆっくりにしないといけないのだと思っていた」と、私の予感が的中した。

 

そして、四分音符、二分音符や全音符が混じった楽譜で拍を取らせてみると、間延びした数の数え方が収まった。二分音符や全音符を見たら、間延びした数え方をすることが癖になってしまったので、変な数え方が出てきてしまうことは、よくあるけれど「間延びしてる。均等に数えよう」と諭すと、治る。私はリズム感の問題だとおもっていたけれど、それは間違えで、認識に問題があった。これで、この子の拍取りの問題は解決に向かって動き始めた。やはり、教師として、問題の原因を正しく究明することは大事だと、再確認させられた。