少々前になるけれど、友人がピアニストの藤田真央さんと角野隼斗さんが我々の住む町のリサイタルホールでコンサートをする予定だというニュースを運んできた。お二人が来るというリサイタルホールは、先日行った辻井信行さんのリサイタルがあったのと同じリサイタルホールで、家からは車で10~15分程という近さ。これは行かない手はないと、チケットを購入しようと思った。

 

劇場のネットでチケット販売について調べてみると、確かにリサイタルは予定されているのだけど、チケット販売は、まだ始まっていなかった。そのリサイタルホールのシーズンは秋口から春先までで、夏は夏休みの特別プログラムをやっているらしい。そして、シーズン中は○○シリーズ(ピアノシリーズとか、ジャズシリーズとか、演劇とか、歌とか)というのが幾つかあり、そのシリーズには4~5の公演がまとめられており、シリーズでチケット購入すると、単発でチケット購入するより割安になっていて、シリーズのチケット販売が一般販売を先行するというスケジュールになっているようだった。

 

「ピアノシリーズ」というものもあり、5つぐらいのピアノリサイタルが一緒にシリーズとして組まれていたけど、そちらには藤田真央さんだけが入っていて、角野隼斗さんは入っていなかった。その上、藤田さんのリサイタルは週末なのだけど、他のリサイタルは週日で、都合をつけるのが面倒な時間帯だったので、シリーズで購入するのは見送った。劇場のウェブサイトでは一般チケット販売の日にちは出ていなかったのだけど、友人は7月10日からチケット販売だと言っていた。

 

そして、7月10日に、再度ウェブサイトを訪れると、私のお目当てのリサイタル2つとも、一般販売が始まっていた。藤田さんのリサイタルは来年2月なのだけど、オーケストラ席の舞台に向かって左側は、もうほぼ売り切れていた。角野さんの方は来年5月で、藤田さん程ではないけど、やはりオーケストラ席左側は結構埋まっていた。多分、先行して売り出されたシリーズのチケットを買った人達が良い席から取っていっているようだった。

 

このリサイタルホールは500人程の小さめのホールなので「時期を見て折々」なんて思っていたら、直ぐに売り切れになってしまうだろうと、半年以上先のコンサートだけど、少なくなっていたオーケストラ左側の席を確保した。少々前だったら、旦那にも一緒に行きたいかと声を掛けていた所だけど、ミュージカルのシーズンチケットでは一緒に行きたいと言いながら、予定に入っている日に仕事の予定を入れてきたことが何度もあり、いい加減堪忍袋の緒がきれているので、今回のリサイタルは(も)おひとり様で行くことにした。まあ、教えてくれた友人や、彼女との共通の友人たちでも行く人は結構いるのではないかと思うけど。

 

チケットのお値段は、それぞれ105ドル。日本円にすると15000円位とお高いように思われるけど、物価高のアメリカではファミレスで二人で夕食を食べて、ビールの一杯でも頼めば100ドルはするので、実感としては「お買い得」なチケットだったと思う。早速、自分のスケジュール帳にはコンサートの予定を書き込んだけど、来年の2月と5月というのは、まだまだ先だ。

数か月前からオンラインでピアノレッスンを始めたY先生のお教室は、私の実家の隣町にある。田舎の隣町なので、峠を越えて行かないといけないので、電車で行こうとすると、峠は越えることが出来ず、迂回しないといけないので、一時間くらいは掛かってしまう。でも、私の実家のある迂回と、ちょっと買い物に出ようかというような時に1時間電車に乗っていくことは普通で、今回の日本旅行中には半日ほど実家でゴロゴロする時間があったので、その時間をピアノのレッスンに当てることにして、先生のスタジオまで出向いた。

 

体面でピアノのレッスンを受けるのは10年ぶりくらいではないでないだろうか。とても久々の対面レッスンだった。先生曰く、先生のお宅のピアノは癖があるとのことで、実際に弾いてみると、家のピアノと、本当にとても勝手が違った。いつもの様に指を動かすのだけど、鍵盤がちゃんと下まで降りない。今回見てもらう予定で持って行った曲の一つがバッハのインベンションだった。元々トリルが綺麗に入らないのが入らないのが悩みだったのだけど、トリルなんて全く入らない。レッスンに行く前の数日間は自分のピアノでさえも触っていなかったので、指の動き自体も鈍っていたのもあるのだけど、勝手の違うピアノだと、トリル以外でも指がもつれること酷かった。よく「レッスンに行くといつもの様に弾けない」と言う話を聞くけど、それを身を持って体験した。

 

レッスンの内容はいつもと変わらず、私は「あぁ、前に言われたけど、まだできてないのか」とか「忘れてた」となっていた。よく言われていることの一つが、今やっているインベンションも、狩の歌も楽し気に弾く曲だから、笑顔で気分を上げて弾くようにと言われているのだけど、曲の初めは「楽し気に」と思っているのだけど、弾いていると、曲を弾くのに必死になってしまい「楽し気」は頭からすっ飛んでしまう。

 

と言うことで、折角対面でレッスンに来ているのだからと、先生がウキウキ感を持ちながら片手パートを弾き、私がそれについていくということをしてくれた。それにしても、先生と一緒に弾くのにはとてもエネルギーがいった。二ページのインベンションを一度一緒に弾いたらヘタヘタになってしまった。先生は、ピアノを弾くための意識を保つのは大変だと言っているのだけど、それも身を持って実践したのだった。

日本旅行の最終日は京都へ移り、比叡山延暦寺へ行って来た。比叡山も、姫路城と同じく、前に西日本を旅行した時に行けなかったところだった。その時は、京都滞在日数が少なく、足を延ばして比叡山まで行く時間がなかったので、今回の比較的時間の取れる旅行では比叡山を日程に入れたのだった。

 

京都から比叡山に行くには京都側のロープウェイを使うか、琵琶湖側のケーブルカーを使うかの二通りあるそうだけれども、行きは京都市内から琵琶湖へと出て、そちらからケーブルカーに乗ることにした。比叡山坂本駅からケーブルカーの駅までの、バスに乗っていると「比叡山ケーブルカーまで徒歩20分」などという看板があり「(週日には一時間に二本しかない)バスに乗らずに歩く人もいるんだ。我々みたいに不精な人間には無理だなぁ」と思っていると、直ぐにケーブルカーの駅に着いた。そこからケーブルカーに乗り、ぐんぐん上っていく急な斜面を見下ろしていると、ケーブルが切れたら、このまま斜面を真っ逆さまに落ちるのではなどと想像してしまい、一人で怖くなってしまった。

 

ケーブルカーが比叡山側の駅に着き、そこから少々歩いて延暦寺の入り口に到着した。

 
 
お寺は、少々標高もある位置にあるし、木々も多く、涼しかった。
 
国宝の根本中道は改修工事中で「前回はあっち(姫路城)が改修中で、今回はこっち(比叡山)が改修中か」と思い、お堂を外から見られないのは残念と思ったのだけど、改装の為に組まれた足場の一部に上がることが出来、修理中の回廊の屋根の上を見たり、修理をしたばかりの飾り絵をみたりすることが出来て、かえってラッキーだったのではと思った。
 
お堂の一つでは私が一度やってみたいと思っていた写経が出来るということで、お寺で写経をするのも粋だと、やってみることにした。
 
 
写経をする机には筆ペン(のみ)があり、久々に筆ペンを使った。私は写経をいうのは手本を見ながら写すのだと思っていたのだけど、写経をする紙には薄く字が書かれていて、それをなぞるだけなので助かった。
 
 
住所と氏名を書くところがあったのだけど、日本の住所を書いて、神様が困惑してしまうといけないと、アメリカの住所とアメリカで使っている氏名をローマ字で書いた。筆ペンだとローマ字の方が書きやすかったのが少々の驚きだった。
 
書き終わった写経を奉納する為に、事務所に提出すると、事務所のおじさん(おじいさん?)が「あさうざんど」と言う。何を言っているのかと思ったら、私のローマ字表記の住所氏名を見て「A Thousand(千円です)」と言っていたのだった。比叡山は西洋人観光客にも人気のあるスポットだし、おじさんも英語を勉強しているのだなぁと感心してしまった。
 
帰りは、京都側のロープウェイに乗る。そして、ケーブルカーに乗り換えた。こちら側にもケーブルカーがあったとは、知らなかった。ケーブルカーを降りて電車の駅まで行こうとしたのだけど、どちらに行くのかわからずに右往左往していると「京都駅行き」と書かれたバスが、ちょうど通り掛かった。バスだと電車より時間が掛かるけど、乗り継ぎがないので楽だろうと想像してもいたので、バスが来たのはラッキーだろうと、飛び乗り京都駅まで戻った。
今回の日本旅行の目玉は、やはり関西大阪万博。4日あった観光に費やす日数の半分の2日を当てていた。

事前に購入したら入場券では会場時間の九時のチケットは取れず、十時入場になってしまった。しかし、入場するのにも並ぶとのことだったので、九時過ぎ位にゲートに着くと、十時入場の人がもう結構な列を作っていた。


このまま30分位は待つだろうと地べたに座り込むと、列が動き出し入場出来た。九時入場がさばけたので十時入場を繰り上げて入れてくれたのだった。

パビリオンの予約では、2ヶ月前抽選は、受け付け期間終了後のチケット購入で逃してしまい、7日前抽選は全て落選、3日前予約では、時差ボケの為、夜ふかし出来ずで諦めた。一日目の入場後、当日予約をしようとしたけれど、もう空きはなく、諦めたのだった。

しかし、予約なしでも、結構なパビリオンに入れた。

抽選では外れてしまった Tech World には20分待ち程度で入れた


Tech World 内のホタルのトンネルでは踊ってみた。そして、入場者皆に配られていたお土産の帽子は、とても気にいった。


お向かいのサウジアラビア館やスペイン館等も20分待ち位だった。2
日目の朝一に訪れた三菱未来館は10分待ちくらい。大行列のアメリカ館では、英語ツアーの方が並ばないと聞いていたので、そちらでパビリオン屋根の下で、待機時間45分(入館時間が決まっていたので気が楽で、座ってキン○ルで読書)で入館。いのちの遊び場クラゲ館では、お目当てのストピを弾いてきた。

ストピでは、今年4月の発表会で暗譜したドビュッシーのアラベスクを弾いたけど「遊び場」というだけあり、皆がそこらじゅうで音を出していたので、自分の演奏さえ聞こえず、途中で暗譜が飛んでしまった。

唯一、当日予約で頑張ったのがガンダム館。一日目にガンダム館までたどり着いたのは午後3時半過ぎで、そこでここでは一日何度か予約スポットがリリースされるのを知った。その日の次のリリースの5時では、ネットが混み合い、やっと繋がった時には、手遅れ。しかし、2日目はリリースの時間の度にトライを重ね、夕方の遅い時間をゲットした。

予約は出来ないだろうと半分諦めながら、何度もトライしていたので、登録成功の画面を見た時には、思わず「えっ!出来た!」と結構大きな声で呟いてしまい、周りの人を振り返えらせてしまった。

普段、余り写真を撮らない私は万博でも、殆ど写真は撮らなかったけど、今回の執念を祝して(?)パビリオン入館者のみがいけるガンダム像の背中側で記念撮影をして来た。


2日共、暑かったし、沢山歩いて疲れたけど、万博を満喫出来た。

大阪観光一日目の夜は甲子園球場で巨人阪神戦の野球観戦に行った。自称大阪出身の旦那は結構な阪神ファンで、今回の日本旅行での大阪滞在中には、甲子園でナイターがあるという事で、勇んでチケットを取っていた。チケット購入前に席のチョイスについて打診を受けた。甲子園で野球観戦をするなら、応援団の近くのアルプススタンドが良いとリクエストを出したのだけど、随分高い位置のわりにお値段が高かったそうで、それと同じくらいのお値段で買えたというベンチの真裏のチケットを取った。そして、実際に席に着いてみると、凄く近く、選手達が等身大に見えた。


日本の野球場では、美味しい物が沢山あると聞いていたので、食べ物にも期待して行ったのだけど、甲子園名物だという焼きそばは、不味くはなかったけど、美味しくもなかった。


試合の方は、知っているというか、名前を聞いたことのある選手は皆無だし、野球観戦には、旦那のお供で行くだけなので、試合自体にはそれほど興味はない。その上、当日の試合では、余りヒットも出ない、盛り上がりに欠ける物だった。まあ、ヒートアップした際どいプレイがあったけれど「乱闘だ!」と煽っていたにも関わらず、巨人軍のコーチが退場になっただけだった。球場での応援は煩いほどだけど、ヒットが出た時は、少々球場が湧く程度。アメリカの球場ではヒットやホームランがでると多くの人が立ち上がって騒ぐ。それに慣れている私は、ヒットが出ると、無意識に立ち上がってしまい(そして、他に立ち上がっている人は皆無)なんとも場違いに感じた。

そして、驚いたというか、凄い偶然のインシデントがあった。それは、球場へ向かう電車での事で、我々が乗り換えをする為にホームで電車を待っていると、白人のお兄ちゃんから、スマホを見せられ、翻訳で「球場に行くのは、この電車で良いのですか」とある。我々はタイガースグッズを見に着けていたので、我々も球場に行くと踏んだのだろう。スマホを見せられた私は「yes」と答えたのか、何かの仕草をしたのか覚えていないのだけど、英語を話す人と識別されたらしく「英語が出来るのですね」などと言われた。色々説明をするのも面倒だったので「アメリカ人ですから」と返すと、お兄ちゃんもアメリカから万博の為に大阪を訪れているとのことだった。それも、大学のブラスバンド部で、万博で演奏する為に来日しているとのこと、私はオーケストラに入っているんだと、少々、合奏の楽しさなどの音楽談義をしたのだった。