普通、オーケストラの弦楽器奏者たちは、二人一組で楽譜をシェアしている。私がアマチュアオーケストラに入りたいなぁと思って色々と調べている時に、他の人と一緒に読むので、書き込みはしてはいけないと読んだ。私は、楽譜に色々な書き込みをする人なので、書き込みが出来ない楽譜で演奏できるのかと、不安に思っていた。
しかし、入ろうと思っていた(今の)アマオケの練習を観に行くと、奏者は皆、それぞれ自分の楽譜を見ながら弾いている。その時は練習だから一人一人、それぞれ自分の楽譜を見ていて、公演になったら、二人一組で楽譜を見るのかなと思った。そうすると、公演の時には、私自身の書き込み(ボウイングはもとより、指番号、拍を見失った時に目印になる他のパートのメモ等)の無い、読みなれていない人の楽譜で公演の時だけ弾けるかなとも不安になった。でも、公演の日が近づいても、公演時にどの楽譜を使うかという話は全くなく、公演では、練習の時の様に、皆それぞれ自分の楽譜を持ち込んだ。それ以来、今のアマオケには数年いるけれど、今ではもう、公演では自分の楽譜で演奏するのが普通になって、心置きなく楽譜に書き込みをして、その書き込みをした楽譜を、安心して使っている。
そんな、一人一人の楽譜が「普通」になって、何故、このアマオケでは、それぞれ自分の楽譜を使うんだろうという疑問もあまり考えなくなった。でも最近、その「何故」の答えが分かった(と思う)
我々が公演で使う会場では、譜面台が人数分ないので、公演の際には譜面台を持参するように言われる。そして、我々のアマオケでは、公演時の曲に必要な楽器の全ての団員がいるわけではないので、そういう楽器の奏者は公演にヘルプとして入ってくれる(例えば、パーカッションとか、ハープなど)そういう方々は公演前の数回の練習だけ参加することが多く、公演が近くなりヘルパーさんが入るリハーサルになると、リハーサル会場にある譜面台の数も足りなくなるので、出来るだけ自分の譜面台を持ってくるようにと指示がある。
そういう経緯で、私も公演やリハーサル時に使うための譜面台を購入して、その譜面台の方がリハーサル会場の備品の譜面台より使い勝手が良いので、自分の譜面台を持ってくるようにと指示の無い時でも、常に持参するようになっている。私の隣に座る先輩も、自分の譜面台の方が使い勝手が良いようで、普段は自分の譜面台を持ってきている。
私は、比較的早めにリハーサル会場に行く方なので、ある時、数名の団員さん達と、椅子と譜面台を並べていた。皆、だいたい、毎回のリハーサルの準備では、団員は、その日のリハーサルの参加人数を一番よく把握している、自分のパートから椅子と譜面台を並べていく。私が、第二バイオリンの椅子を(数を数えながら)並べて、譜面台も、自分の譜面台を持ってくる人以外の分を並べていた。すると、他のパートの椅子と譜面台のセットアップを終えた他のパートの方が、私がわざと譜面台を置かなかった席に譜面台を持ってきた。
私が「そこは譜面台は必要ないから」というと「そうなの?楽譜はシェアして見てるんだ(その方の勝手な思い込み)目がいいんだね」と、返事が来た。私は、譜面台が置かれていない席の人は自分で譜面台を持ってくるからいらないのだと説明したのだけど、その方のコメントで、家のアマオケで、普通のオーケストラの様に二人一組ではなく、一人一人それぞれの楽譜を持ち込むのは、シェアするとなると、楽譜台を二人の間に置かないといけないので、自分の目の前に楽譜を置く時より、遠くに置かないと行けなくなってしまう。すると、楽譜が遠くて見えないという人が出てくるのか、と気が付いた。
我々のアマオケは地域の生涯教育の一環として提供されているコースで、生涯教育コースを受講するのは、リタイアした人、つまりお年を召した方というのが前提にある。アマオケはたまたま、週日の夜にリハーサルを行っているので、現役世代や、数人の学生さんも受講しているのだけど、学校側としては、受講者の殆どは年配の方というのが前提条件だから、楽譜が読みやすいように各自それぞれの譜面台を置きましょうというのは自然な流れな気がする。



