アメリカでは色々な接客業従事者の方にチップを払う。レストランとかホテルのベルボーイさん、メイドさんなどはよく知られているけれど、その他でチップが半ば期待されているのを知らずに過ごしてしまったこともある。
随分昔になるけれど、引っ越しをした時に、代金は新居で荷物を下ろした後に現金払いという約束の所があった。大昔だったし、運搬料は$170とかくらいだったと思う。手元には十分な現金がなかったので、引っ越し屋さんが、荷物と一緒に新居に向かっている間にATMで$100札二枚を下した。作業の後の支払いの時に、$100札二枚だけどおつりありますかと聞くと「おつりは持っていない。そのまま全部くれてもよいよ」と言われた。その時は、この人は何を言っているんだと、手元にあった細かいお札を駆使して、請求額ぴったりの支払いを済ませたのだけど、後になって$30はチップで頂戴という意味だったのかと気が付いた。
引っ越し屋さんの時は、ちょっと悪いことをしたと反省したのだけど、数年前にマッサージに行った時のこと。マッサージではチップを払うのが普通だと知って、相場はだいたい$5位だと認識していた。料金を払う段階になり、現金で支払いをして$20のおつりを待っているけれど、全然おつりをくれない。しびれを切らして「おつりは?」と聞くと、$20ドルはチップとしておいていけと、$20をポケットにしまおうとするではないか。物価高騰でチップの相場が私が認識していた$5より上がっていて、$20のチップも珍しくなくなっていたらしいのだけど、おつりとして返さずに、$20をそのまま自分のポケットに入れようとした態度に「それって違うんじゃない」と思い、$20の釣りを渡させ(元々考えていた$5より少ない)数ドルのチップを渡した。チップはあくまでも「心づけ」おつりはおつりで返すそぶりを見せて、お客さんが「おつりは取っておいて」と言った時点で「ありがとう」ともらうのが礼儀だと思う(私は、ちゃんと時代遅れの認識の金額だったけれど、チップ用の現金は用意してあり、おつりを貰ったら、それと交換にチップをわたすつもりでいた)
アメリカではチップは収入として、きちんと確定申告をして、所得税を払わないといけないし、最低賃金を計算する時は、チップ収入込みで最低賃金に達していればよいことになっている(例えば最低賃金が$15で、$5のチップ収入が見込めれば、雇用主は$10の支払いをすれば合法)私は、チップが発生する仕事というのはしたことがないし、サービスに対する評価の基準も高いので、結構「チップケチ」の分類に入ると思う。それに、コロナ前は代金の10~15%が普通だったレストランのチップがコロナ後の物価高騰のせいだと15~20%が相場となり、15%でも低いと認識され始めたのには納得がいかない。物価が高騰しているので、レストランでのチップ前の金額も、最低でも2割とか3割は上がっているのだから、その上になぜ、チップの割合まで上がっているのかの理解に苦しむ。
まあ、それは、単なる私の愚痴なのだけど、最近、私自身もチップを貰う側になった。それは、数か月前に始めたドッグシッター。
私は、前にドッグシッターさんを使った時はチップなんて全く考えに及ばなかったのだけど、自分がドッグシッターを始めたら、チップをくれる人がいることに気が付いた。アメリカ人の間でも、ドッグシッターにチップをあげるというのは「常識」ではないようで、私にチップをくれる人とくれない人は、だいたい半々(ちなみに、一般的にチップが必要とされるのは、接客業のサービス単純労働者で、雇い主からの給金が低いとされる業種なので、ドッグシッターの様に個人事業主という形態の場合はチップは発生しないというのが従来の常識)私自身は、収入の為にドッグシッターをやっている訳ではないし、チップを強要するようなことは一切言わないけれど、くれるという時にはありがたく頂戴している。
チップが必要かは、人それぞれの考えという事があるからか、チップの額もまちまちで、一日デイケアに預かって数ドル(料金の10%ほど)の人もいるけれど、先日は、料金が$50とかだったのに$20のチップをくれたお婆さんがいた。くれるものは拒まずにというポリシーの私は「そんなにいらないです」とは言わずに、受け取ったけれど、こんなに支払ってよいのだろうかとも思ってしまった。