私のピアノ教室では年に二回、発表会を行っている。でも、二回とも、しっかりと準備をした本格的な発表会にすると(発表会に向けての生徒の準備期間は4か月くらいかかるので、アメリカの長い三か月の夏休みを除くと)一年中発表会の準備をしていることになるし(すると、生徒は一年に数曲しか仕上げないことになる)私自身の演奏(講師演奏をしないのは心苦しい)の準備が間に合わないので、二回のうち一度(秋)は、発表会というより、弾き合い会のような形式にしている。
秋の弾き合い会・発表会をしたのは、昨年が初めてで、昨年は、準備というのは、子供と発表曲を決めるくらいで、順番も当日にくじ引きで決めたのだけど、舞台に上がり、お辞儀もせずに、ピアノにササっと寄って、適当に弾いて、そのまま、バタバタと席に戻る等、とても見られたものではなかったので、今年は、くじ引きは前もって行い、きちんとプログラムを作り、生徒達にも舞台への上がり方や、お辞儀の仕方などのエチケットもしっかり教えた。
そして、私の方の演奏は、12月にある、私が通っている先生の元での発表会で弾く、ベートベンソナタ悲愴の二楽章を、前発表みたいな形で弾くことにしていた。弾き合い会なので、暗譜もなし、みっともないほど止まったりはしない程度にはと思っていた。
さて、当日は、会場に向かう前に家で練習で弾いた時に、とても上手くいったので、この調子でと思っていたのだけど、数か所で指が滑ってしまった。その中でも、一番盛り上がるところの一番高い音で滑ってしまったのには、少々、自分でもガックリ来た。でも、発表会をするようになって、数年だけれども、人前でも(少々の緊張はあるけれど)手が震えたりするようなことはなくなり、ミスタッチから、何のそぶりも見せずに、焦らずにリカバリーも出来る様になってきた。
動画を見てみると、演奏中に「ここがまずかった」と、結構冷静な判断が出来ていた所が殆どなのだけど、一つだけ演奏中には気が付かなかったけれど、動画を見て思ったのは、内声がうるさいという事。自分ではボリュームを落として弾いているつもりだったのだけど、録音で聞くと、倍くらい静かにしないといけないと感じた。
さて、今回の発表会は、近所の図書館のミーティングルームでピアノがあるところを借りたのだけど、部屋を片付けて、返る挨拶を図書館員さんにすると、部屋の扉を開けたままだったので、図書館内でも聞こえていたらしく、素敵な演奏をありがとうというような事を言ってもらえた。その方は「生徒さんは、皆さん才能がありますね」と言ったけれど、そんなことはない、レッスンで厳しく、きちんと音符を読むこと、きちんと自分で拍を取って弾くことを指導しているので、ほんの8小節のエチュードでも、それなりにピアノ曲に聞こえるのだ(そして、子供たちは、皆、きちんと弾き切ることが’できた)思わず「それは、才能ではなくて、指導の賜物です」と言いたかったけれど、それは飲み込み「Thank You」(褒めてもらったことに対するお礼)とだけ言って会場を後にした。