『オーガス』、40周年。 | 有栖川まおの愛が止まらないR

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「有栖川まお」のガンダムで倉木麻衣な日々の出来事を綴ったブログです。

 『超時空世紀オーガス』の放映が開始されてから、本日で丁度40年になります。

 当時、珍しく家族全員で日曜日に家に居てこの第1話の放送を観ていたら、真っ昼間からいきなりベッドシーンだったので気まずい思いをしてしまったのは、以前も書いた通りです…。

 この『オーガス』は、こうした大胆な性描写のみならず、軌道エレベーター並行世界といったSFでは定番の設定を大胆に取り込んだ意欲作ではありましたが、結局の所、マクロスからのファンを引き継ぐ事は出来ず(当時『マクロスからオーガスへ』って本も出てたりしたのですが)、空回りな結果に終わってしまいました…

 メカデザイナーの宮武一貴氏は、バルキリーの3段変形を超えるべく、このオーガスを4段変形としたのですが、タンク形態が登場したのはほんのチョイだったそうです…。そして、そのあまりにも攻め過ぎたデザインは、現用戦闘機風のディテールやフォルムのリアリティが好評を博していたバルキリーとは異なり、同じ宮武氏によるダンバインと同様、いかにも「異世界のテクノロジーの産物」といった風情で、「百貨店でオーガスのTOYの顔を見た子供が怖くて泣き出した」という伝説を残した程です。その話を聞いた宮武氏は売れ行きの悪さを覚悟したとの事ですが、その予感は的中し、前年にバルキリーのTOYでしこたま儲けていた筈のタカトクトイスは、この『オーガス』に加えて、J9シリーズの『サスライガー』や昭和タイムボカンシリーズの『イタダキマン』の売上不振(奇しくもこの両作品は、各シリーズの最終作となってしまいました)が響いて、この『オーガス』の後番組である『サザンクロス』のスポンサーを降板する事になり、最終的に倒産の憂き目を見てしまいました…

 そう、この頃から「リアルロボットアニメ」の時代は下り坂に差し掛かっていたのです。その様子は、竹書房刊『'80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録』においても語られていた通りです。

 

 

 この本は長い間探し回っていたのですが、先日ようやく入手いたしました。内容は、例の模型文化ライター氏五十嵐浩司氏の対談という形式によって1980年代前半のリアルロボットブームを回顧するというモノですが、MG誌2009年4月号のMSV特集の時と同様に、五十嵐氏による全面的なフォローが無ければ、危うく模型文化ライター氏の誤解偏見ばかりの内容になってしまうトコでしたよ(汗)。特に、かつてMSVのファンを「ハナタレ小坊・中坊」だの「ガキんちょ視点」だのとさんざん罵倒しまくっていた模型文化ライター氏が、後にMSVジェネレーションを著すにあたって、そのMSVを誌上で積極的に特集していたボンボンを、今は亡き大塚ギチ氏に勧められるまではロクに読んでいなかったクセに、この『回顧録』において自らを「MSV博士」と評していたのには、読んでいて思わず「カチン」と来てしまいました。一夜漬けの「博士」ねぇ…。

 この模型文化ライター氏の「MSV博士」発言には、そのMSVを手掛けていた小田雅弘氏もさすがに「カチン」と来てしまったのか、グレメカG 2023SPRING号のインタビューにおいて、

 

 

MSV展開時にはガンダム本編に抵触しないように心掛けていた事もあって、「本編があるんだから本編が絶対です。そこに異論を差しはさむ余地はないです。本編を食ってやろう』とか言う人はいなかったし、肩を並べて違う見識を提案しようといった動きもなかったです」と、かつて模型文化ライター氏が『センチネル』を展開するにあたって「本家ガンダムを喰ってやる」などと発言していた事に対する批判めいた発言をしてました…。

 まあ、あえて忖度するならば、模型文化ライター氏もさすがにマジで本家ガンダムを喰ってやろうとまでは思ってなくて、あくまでも「その位の意気込みで『センチネル』に取り組んでいた」というだけの話だったんでしょうけどね。もっとも、その所為で、こちとらセンチネラーってだけで周囲から叩かれるハメになってしまったんですが(泣)。