タワマンの惨劇の2日後から、モラ夫はヨーロッパに一週間の出張だった。
後にも先にも、ヨーロッパ出張なんてこの時だけだったと思う。
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なん針か縫った指は、とっくに麻酔が切れて、何もしなくてもズキズキと痛む。
フライトで上空に達したときは、痛み止めの薬も効かず、脈打つ指に悶絶状態だったらしい。
モラ夫はまともに英語を話せない。
その割に、臆せずに単語を並べてグイグイと現地人とコミュニケーションをとる。
まさに生出川Englishだ。
しかし、今回は違った。
いつもどおり身振り手振りと単語の羅列で現地の人に近寄ると、みんな怪訝な顔をして逃げてしまう。
当たり前だ。
モラ夫は看護師さんの言いつけ通り、包帯でぐるぐるの左手を心臓より高く掲げ、手の甲を相手に見せて歩いていたのである。
しかも怪我をしていたのは中指だ🖕
それでもなんとか現地の人とコミュニケーションしたかったモラ夫。
やっぱり酒しかないと考えたモラ夫は、ウォッカの一気飲み競争にチャレンジしたらしい。
本人は勝ったと言っているが、真偽のほどは定かではない。
が、中指のズキズキがパワーアップしたのは間違いない。
さて、そんなモラ夫が帰国したとき、妙に嬉しそうに、そして妙にもったいぶって私に「驚くなよ~驚くなよ~」と言いながら鞄を開いた。
中から出てきたのは、茶色のリボンがかかったオレンジの箱。
そう、HERMESだ❗️
エ・ル・メ・ス❗️
中身はレザーのバングルだった。
ドけちモラ夫がエルメスをお土産にしようなんて頭に浮かぶわけがない。
どうやら、同行した通訳さんに、元嫁温泉旅行の顛末を話したところ、それは彼女にお詫びにプレゼントを買って帰るべきだとフランスのエルメス本店に連れていかれたらしい。
ありがとう、通訳さんっ💕❗️
しかしながら、普段ブランド物をつけなれない私。
何度かつけてみたが、時計と間違えてしまうので、そのまま箱にいれてクローゼットの奥にしまってある。
モラ夫は昔私にエルメスをプレゼントしたことなど、すでに忘れているだろう。
メルカリで売っちゃおうかな。