2019年4月13日(土)の授業レポート | 漫才塾

漫才塾

大阪で開講中「漫才塾」の講義模様やイベントのレポートです

突然ですが、スギとヒノキを伐採したい人って、どっちが多いんでしょう?

 

ちなみに私はスギ派です(笑)

 

まだまだ花粉が猛威を振るっていますが、いかがお過ごしですか?

 

さて本日は漫才塾ネトラジの収録がございました。

男塾のふたりが、常連さんから届くお便りに誠意と笑いを返しています。

 

http://manradi.seesaa.net/article/465157163.html

漫才塾ネトラジ『クチビルから散弾銃』こちらかお聞きいただけますので、よろしくお願いいたします!

 

 

本日の授業は『ファンの増やし方』について。

お笑い活動をしていると、どうしても

 

「面白いネタを考えよう」

「面白いエピソードトークをしよう」

 

などと考えがち。

 

意外と見落としがちなのが、ファンの作り方、増やし方なのです。

 

お笑いは当たり前ですが、お客さんに向けてするもの。

 

もし演者の味方のお客さんが多ければ、軽いボケでもクスクスとした笑いが広がっていきやすい。つまり笑える空気が、早くできあがりやすいのです。

 

反対に「こいつは気に入らんから、俺は笑わん!」とヘソを曲げられたたら、どんな面白いネタをしても受けません。

 

初対面のお客さんを一瞬でファンにできる術があれば最高。しかしそんな芸当は、すぐに身につくものではありません。

 

それなら発想を変えて、自分を大切にしてくれるファンを地道にひとりずつ増やしていくのはどうでしょう?

 

顔の広いファンがひとりでもつけば、そこから広どんどん広がっていきます。

 

ファンが増えれば単独ライブを開きやすくなりますし、プラスしかありません。

 

大滝塾長「人脈=金脈や」

ぜひ実践してみてくださいね!

 

私、高田豪も講義をさせていただきました。

本日の内容は『粗品さんから学ぼう』です。

 

2018年に霜降り明星でM-1優勝、2019年にピン芸人粗品としてR-1優勝。

 

まさに今、ノリにノッている若気芸人さん!

 

彼の登場は衝撃的でした。

 

オールザッツ漫才へ、フラリとあらわれた粗品さん。

 

センス抜群のフリップ芸で笑いをかっさらい、見事優勝をはたしました。

 

まさに「天才現る」という感じで、「粗品って誰!?」と驚いた人も多いはず。

 

その後、ピン芸人として活動を続けるかと思いきや、霜降り明星を結成しコンビでも活躍する八面六臂っぷり。

 

実は、粗品さんの考えるネタには、笑いの基本となる要素がわかりやすく詰まっています。

 

笑いの多くはフリとオチで成り立っています。フリの部分がわかりやすくないと、なかなか笑いにつながりません。

 

粗品さんはあまり奇抜な笑いをせずに、わかりやすい笑いを提供するタイプ。

 

あれだけセンスのある人ですから、かなりぶっとんだシュール系などもできるでしょうが、まずわかりやすさありき。

 

この辺りは松本人志さんと重なるところがあります。

 

松本さんも大枠や設定は、伝わりやすいシンプルなものを選び、そこから「どう崩すか?」「どう壊すか?」に注力します。

 

短いセンテンスで繰り返される粗品さんのフリップ芸の中には、たくさんのフリとオチが詰まっています。

 

・ミスタードーナツ

・アンパンマン

・ムーミン

 

など、みんながぱっと理解できるものを題材に選ぶのは、フリを作りやすいから。

 

フリのときにオチがばれるのはもちろんNG。しかし伝えるべき情報が伝わらないと笑いが生まれません。

 

フリのときに「おや?」と思わせて、オチで「なるほど!」「そうきたか!」と笑ってしまう。それが次々にやってくるのが粗品さんのフリップ芸なのです。

 

見ていて心地よさとカタルシスがあります。

 

題材選びとズラし方のコツさえわかれば、彼の考え方を取り入れることも可能でしょう。

 

粗品さんが何から発想を得て、どのようなズラし方で笑いにつなげているかの分析は、今後お笑いをやっていく上で大きなヒントになるはずです。

 

さて最後はネタのお時間。

 

本日、特に良かった二人をピックアップ!!

 

一人目はエキストラ高橋。

最近、どんどん垢抜けてきており、肩の力が抜けた状態で話せるようになりました。

 

「若い女の子ではなく、おじさん、おばさんにモテる」という漫談を披露。ディティールの描き方が巧妙で、説得力がありました。

 

稲田さんも、漫談。

誰でも背伸びしがちな思春期のエピソードを語ります。

 

「一瞬だけモテたものの、元の木阿弥に…」という展開は、『ドラえもん』『こち亀』などでも使われる、上がったけど急角度で落下するというパターン。

 

このフォーマットは受けやすいですし、共感を生みやすい!

 

さらに磨きをかければ、彼の武器になるのではないでしょうか?

 

平成の漫才塾レポートはこれにて終了。

 

次回からは令和元年の漫才塾レポートとなりますが、令和も引き続き漫才塾をよろしくお願いいたします!!

 

                                   写真・文 高田 豪