この前、春一番が吹き荒れまして、「少しは暖かくなってきたのかな~」なんて思いますが、それでもやっぱりまだまだ寒い昨今、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
本日は大滝塾長に代わりまして、私、高田豪が講義をやらせていただきました。
一方的に話すというよりは、みなさんのお話をお聞きしながら、授業を進めていきました。
芸人さんの近くにいて感じることがあります。
それはほとんどの人が負けず嫌いなこと。感情表現などはもちろん各々違いますが、自分以外の人が受けているのを見ると、露骨にむっとする方も中にはおられます。
こういう感情って実はとても大切なのです。
お笑い芸人ではないのですが、手塚治虫先生という人は何十歳離れている若手に対しても「お前より俺の方が面白い漫画を描けるんだっ!」と敵意をむき出しにした人でした。
大友克洋さんが大ブームとなった頃に、手塚先生は大友さんに会うなり「君みたいな絵は、僕でも描けるよ」と言った逸話はあまりに有名。
嫉妬心、負けず嫌いというのは、どういった気持ちから起こるのでしょう?
それは自己愛や自尊心があるからなのでしょう。
混同されやすい二つの言葉ですが、自己愛は自分への陶酔といったナルシシズム、自尊心はプライドですね。
あと似たような感情として、自己顕示欲、承認欲求などのワードもあります。
客前で何かやろうと思える人というのは、基本的にこういった感情が一般的な人よりも、たくさんあります。
お笑いの舞台でお客さんに見せるネタは作品と言えます。この作品に自身を投影することにより、ネタに対する愛が深まるのです。
昨年の12月に発売されてお笑ファンの間で話題になっている芸人迷子。
元ハリガネロックさんのユウキロックさんが書かれた著書は、お笑い芸人が舞台にどんな気持ちをもって臨んでいるのかを、克明に記しております。
お笑いというのはお客さんの反応ありきの分野です。乱暴に言うならばウケるかスベるのどちらかしかありません。
面白いネタを伝えることができれば、笑いとなって返ってきます。
伝え方が悪かったり、ネタそのもののクオリティが低ければ客席は水を打ったようにシーン…。実にわかりやすいジャンルなのです。
優れた芸人さんほど、自分達の舞台を大事にしていますし、お客さんのことも考えています。うまい循環を作り出し、多くの人が楽しめる状況へと誘います。
受けなかったときに一番考えてはいけないことがあります。それは…
「自分の笑いを理解しようとしない客席が悪い」という発想。
むしろ伝えられない己の未熟さを恥じるべきでしょう。
お笑いはお客さんが笑えるように伝えることが前提条件。芸術ではなくエンタメです。独りよがりではいけません。
トレンディエンジェルのお二人や、ブラックマヨネーズの小杉さんは、最初はハゲネタをすることに抵抗があったそうです。しかしそれをネタに取り入れてから、認知度が上がりました。
つまりそこにお客さん側からのニーズがあったわけです。
お笑いに限らず全てのエンタメに共通して言えることですが、
客目線をまるで無視するのはNG!
自分がやりたいこと
と
お客さんがお笑い芸人にやってもらいたい望んでいること
の重なりを見つける作業が必要となります。
他者を意識して満足させることが自分の楽しみになる、自分が楽しんでお客さんにも楽しんでもらう、かなり難しいですが、ここを目指さなければなりません。
妙な例えで恐縮ですが、これはSとMがどこかで裏返る現象にとても近いはずです。
自己愛や自尊心とお客さんへのサービス精神の双方、これらが豊かにある状態を目標としましょう。
ずいぶんと長くなってしまいましたが、本日もネタ披露が行われました。
てへペロ2のお二人は、新ネタを披露!
「俺らとそっくりな二人組やな~」
冒頭ではアドリブで時事ネタを放り込みます。そういった工夫ができるのも余裕が出てきたからなのでしょう。精度を上げることによって、持ちネタになりそうな可能性を感じました。
Yさん「ちょっと、ネタをやらせていただいていいですか?」
「どんなネタか楽しみやがな」
Yさん「おかあちゃん、お腹痛い……」
※台詞は脚色を加えております
実はこちら、写真右に映っている山田さんとのコラボしたネタ。
過去にYさんが作ったネタをバトルさせようという、企画だったのです。
このように塾生同士が連携をとりながら、新たな可能性を生み出せるのが漫才塾の長所。
どんどん積極的にチャレンジしましょう。能動的に動き続ければ、それだけ成長が期待できます!
では3月のレポートでお会いいたしましょう!!
写真・文 高田 豪
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