ひとり万葉集巻2 -2ページ目

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03Dec
- 何も成しえないまま死んでいくのだろうね
  [807]徃水水沫如験無盛事乃亡吾世鴨ゆくみずのみなわのごとくしるしなくさかゆることのなきわがよかも行く水の水沫のごとくしるし無く栄ゆることの無き我が世かも本歌（元ネタ）～柿本人麻呂歌集・万葉集 7-1269[808]世間波夢在可聞現可聞古往吾波空蝉乃如よのなかはいめにあるかもうつつかもふりゆくわれはうつせみのごと世の中は夢にあるかもうつつかもふりゆく我は空蝉のごと無駄に歳を重ねてしまった…
28Nov
- ぼくはこころをうしなってしまった…
  どうしてひとはよろこぶのかどうしてひとはいかるのかどうしてひとはかなしむのかどうしてひとはたのしむのか[806]寐不所宿物見出而煙立念失寒此頃いねらえずものみにいでてけぶりたておもひのうするさむきこのごろこいってなに？あいってなに？かんじょうなんてなければいいのにこころなんてなければいいのにすべてのことにきゅうそくにかんしんがなくなっていくちからがわかないくるしくもないじかんがすぎるのをまっているだけまずいさけをのみますいたばこをすうよろこびもないいかりもないかなしみもないたのしみもないいきるいみもないいねらえず物見に出でて煙たて思ひの失する寒き此の頃くるしくもないいかされてるだけはやくおわればいいのに
23Nov
- 好きな和歌[4]
  歌聖・柿本人麻呂が亡くなった妻を思って詠んだ歌です。[411]去年見而之秋乃月夜者雖照相見之妹者弥年放こぞみてしあきのつくよはてらせれどあひみしいもはいやとしさかる死んだ妻は自分の中で、ある意味普遍的なものになってしまった。記憶の中の妻は変わらないのに、自分はだんだん年をとっていく。「月」と「妻」に思いを重ねて詠んだのでしょうか…～柿本人麻呂・万葉集 2-211
21Nov
- 夢[4]～同級生
  ※R15高校の同級生のＹくん（以下、「彼」）。彼とキスしたことがある。とはいっても、ポッキーゲームをやってたときに後ろから誰かに押されて、はずみでキスしてしまっただけのこと。けど何か嬉しいような複雑な想いだったことを覚えている。彼の夢を見た。夢の中の僕たちは高校生だった。彼と遊びに行った帰りに電車の中で座ってる彼に抱きついた。（どんな体勢やねん？）彼は拒否しなかった。だからず～っと抱きついてた。彼の鼓動を感じた。彼を確かめるように体を触りまくった。[805]向座而君将欲念故尓触掻抱夢逢鴨むかひいてきみをほらむともふゆゑにふれかきいだくいめのあひかも向ひ居て君を欲らむと思ふゆゑに触れかき抱く夢の逢ひかも電車を降りたあと「ごめん、さっきのこと」って言ったら、「謝るくらいならするなよ」って言われた。別れ際、彼が去ってしまうのが惜しくて、また抱きつこうとしたら、勢い余って2人してズッこけて溝に落っこちた。目の前の超至近距離で彼と向き合った。そして僕たちは熱いキスを交わした。
19Nov
- 同じ月を見ていたい
  今夜は月食でした。月の97.8％が地球の影に隠れます。[804]吾背子与二人見座者幾許可今宵月乃嬉有益わがせことふたりみませばいくばくかこよひのつきのうれしからまし我が背子と二人見ませばいくばくか今宵の月の嬉しからまし本歌（元ネタ）～光明皇后・万葉集 8-1658残りの2.2％、僕の望みよりは多いだろうね…大部分は闇…
18Nov
- 同じ月を見ているか？
  諒主よしぬしくんはたぶん今日も残業です。今頃は帰り道かな…[803]此宵公獨之還左尓仰見鴨臨照月乎このよひにきみはひとりしかえるさにあおぎみむかもおしてるつきをこの宵に君は一人し帰るさに仰ぎ見むかもおし照る月を同じこの月を見ているか？なぁ、諒主よしぬしくんよ…
- きみがいなくても
  まちのあかりがみえるむじょうにもあかるいぱそこんのでんがげんをきるとへやがくらくなるむじょうだけいたいすまほはつけっぱなしじゃぐちをひねればいつでもあたたかいおゆがでてでんきえおをつければあかるくなるきみがいなくてもあかるいよるきみがいなくてもあたたかいよる
17Nov
- 逢えない日々が苦しい…
  逢えない時間は苦しみを増幅させていく。[802]秋僻野辺黄葉場色附背不逢随深往物鴨あきさりてのべのもみぢばいろづきてせにあはぬままふけゆくものかも秋が去ろうとしているのに。秋さりて野辺の黄葉場色付きて背に会はぬまま更けゆくものかも逢いたい…
15Nov
- あきのうた[3]
  タイミング逃した感ありますが、せっかく詠んだので…[799]韓藍振出音蟋蟀僅許秋将知からあゐのふりいづこえのこほろぎははつかばかりのあきをしるらむ人には風流だと感じても「こほろぎ」は必死に鳴いているのでしょう[800]東天丈夫眺者秋深去吾知蹴ひむかしのあまのますらをながむればあきふけゆくとわれはしりけるオリオン座（冬の星座）が見える季節になりつつありますもう「こほろぎ」の声も聞けなくなりそうです冬は間近ですね万葉の時代には「こほろぎ」って、「秋の夜に鳴く虫の総称」だったそうな。歌詠み始めるまで知りませんでした。
14Nov
- ダイエット
  以前、ダイエットネタ書きました。ダイエットしてるんですヨ、「ネタ」ですけどねほぼ成功です。20歳の頃の体形にほぼ戻りました。[798]日異而吾痩尓蹴此頃吾身今曾若頃鴨ひにけにてわれやせにけりこのころのわがみはいまぞわかきころかも日異にて我痩せにけり此の頃の我が身は今ぞ若き頃かも175cm、52kg前半、ウエスト70cm7kg痩せました、ウエスト6cm減。キープ出来てます。全く苦しくありません。食べることに執着無いので。お腹がすくので仕方なく食べてるだけですから…
13Nov
- 逆風
  サイクリング、続けています。川沿いのサイクリングロードを走ります。往きは下流に向かって、帰りは上流に向かって。追い風でも上り坂はやはり苦しいです。諒主よしぬしくんの名前を叫びながら気合で上ります。[796]此日茂哉漕往時尓吾背子乃名乎者言乍念者苦茂このひもや　こぎゆくときに　あがせこの　なをばいひつつ　もへばくるしもこの日もや漕ぎゆくときに我が背子の名をば言ひつつ思へば苦しも復路・上流に向かっているときの逆風はとてもキツいです。[797]斑鳩川路往還左尓風不叶痛勿吹曾いかるがのかはぢをゆきてかへるさにかぜはかなはぬいたくなふきそ斑鳩の川路を往きて帰るさに風は叶はぬ痛くな吹きそ「風はな吹きそ～～！」とか言いながら力を振り絞って漕ぐのです。頭の中は諒主よしぬしくんと和歌に支配されています。
11Nov
- 僕の知らない君が増えていく…
  君に会うきっかけが無くなってしまった。たぶん、もうしばらく会うことはないだろう…[794]益許振鴨不知吾背子此月渡長不相ますばかりふりかもしらぬあがせこにこのつきわたりながくあはなく増すばかり振りかも知らぬ我が背子にこの月渡り長く逢はなく届かない恋は辛い…[795]古為而戀事波苦狩子尓在益者吾戀勿國ふりにしてこふらくことはくるしかるこにあらませばあはこはなくに古りにして恋ふらくことは苦しかる子にあらませば吾は恋はなくに逢いたい…
10Nov
- 雲間の朝焼けは希望の光か？それとも…
  寝つきは良くなりましたが、すぐに起きてしまいます。午前2時と4時半、一度起きてしまうとなかなか眠れません。6時前になって、ベランダに出てみると…暁尓西園連紫人作歌一首[并短歌] 反歌一首[792]寝不所宿いねらえず　暁起あかときおきに　吾屋戸あがやどの　物見立ものみにたちて　東野あづまのの　若草山わかくさやまを　眺者ながむれば　雲居棚引くもゐたなびく　足引あしひきの　山際差やまのまさして　朝日影あさひかげ　匂峰にほへるをには　紅くれなゐの　振出色ふりいづいろの　雲端くものはの　奥炎おくのかぎろひ　今立蹴いまたちにけり暗い雲間からわずかに朝焼けが見えました。[793]暁あかときの　天雲間あまのくもまの　紅くれなゐの　振出色ふりいづいろの　奥愛毛おくのかなしも暁の天の雲間に紅の振出づ色の奥の愛しもいくぶん、苦しさは和らいできました。
08Nov
- やっぱり僕は立ち直っていないことを思い知らされた
  誕生日の朝、憂鬱です。家族の愛が苦しいのです。心をえぐるように僕に襲い掛かるのです。諒主よしぬしくんに恋してしまったばかりに…巻1-[78]家人饗楽来束間尓如何罪成物加乎知いへひとのあへのたのしきつかのまにいかにつみなるものとかをしる愛すべき娘の作ってくれた朝食に吐き気すら感じたのです。父親、失格です。人間、失格です。家人のあへの楽しき束の間にいかに罪なるものとかを知る愛すべき家族に全力で向き合えない自分が許せないのです。再び心病みそうな気配がします…酒の量がまた増えてきました…
07Nov
- あきのうた[2]
  ディープな恋歌はお休みして、秋の歌をお届けします。ワンパターン化してるのでね…[790]日異而秋更尓蹴久方乃天波高茂清狩蹴ひにけにてあきふけにけりひさかたのあまはたかしもさやけかりけり日異にて秋更けにけりひさかたの天は高しも清けかりけり秋の空は高く澄んで清らかですね。[791]夜干玉乃闇尓染入蟋蟀乃音聴時曾秋不怜茂ぬばたまのやみにしみいるこほろぎのこえきくときぞあきはさぶしもぬばたまの闇に染み入るこほろぎの声聞く時ぞ秋は寂しも秋は深まり、コオロギの声もそろそろ聴けなくなりますね。
06Nov
- 一人寝は寂しいものです
  君は何の夢を見てる？[787]狭筵独寝奴波片枕吾恋背子波何夢将見さむしろにひとりねぬるはかたまくらあがこふせこはなにかいめみむさむしろに一人寝ぬるは片枕我が恋ふ背子は何か夢見む[788]烏玉今宵背子念唐尓独之枕波幾許寂茂ぬばたまのこよひもせこをもふからにひとりしまくはここださぶしもぬばたまのこよひも背子を思ふからに一人し枕くはここだ寂しも[789]峨奈辺幽来声虫尚刈根上独寝勿國がなのへのかそけきこえのむしすらにかりねのうへにひとりねなくに峨奈の辺のかそけき声の虫すらに刈り根の上に一人寝なくに※峨奈（がな）：架空の地名・僕の住んでいる場所
05Nov
- 次はいつ会えるのだろう…
  満たされない日々は続きます。[785]久方日傾而烏玉長今宵何時将明ひさかたのひはかたぶきてぬばたまのながきこよひはいつとかあけむひさかたの日は傾きてぬばたまの長き今宵はいつとか明けむ君はどうしてそんなに冷たいの？[786]秋去而石間風曽与吹者吾念乎覚与吾背あきさりていはまにかぜがそよふかばあがのおもひをおぼへよわがせ秋さりて石間に風がそよ吹かば我がの思ひを覚へよ我が背※石間：架空の地名・諒主よしぬしくんが住んでいる場所。次はいつになるのか…逢いたい…くるしい…
03Nov
- 万葉集の「ヘン」なうた[12]
  ※R15「ヘン」なうたシリーズ、好評なので調子に乗って、もう一発いきます。最近（ず～～っとですが）ワンパターン気味だったのでね、気分を変えて…[784]阿須可河泊之多尓其礼留乎之良受思天勢奈那登布多理左宿而久也思母あすかがはしたにごれるをしらずしてせななとふたりさねてくやしも※あくまでも私訳です↓あすか川下濁れるを知らずして背ななと二人さ寝て悔しも～不詳・万葉集 14-3544上の句をどう解釈すべきか迷いましたが、面白おかしく・しかもシックリいく解釈としました、僕なりに。一般的には、「背＝（大切な人）」という意味であることが引っ掛かりましてね。ひょっとしたら、「ムードもそっちのけでやちゃったのが残念だ」という意味かもしれません。歌余り状態続いてます。どうしましょ。このままでは時節を逃して、大量ボツです。「ボツにした歌」シリーズで披露するしかありませんな、コレは。
02Nov
- 万葉集の「ヘン」なうた[11]
  オジさんが若い娘をナンパしたのでしょうか！？[782]我がたもとまかむと思はむ大夫ますらをは変若水をちみづ求め白髪生ひにけり～不詳・万葉集 4-627※私訳です（脚色アリです）↓あしらわれたオジさんもメゲずに返します。[783]白髪生ふることは思はず変若水をちみづはかにもかくにも求めて行かむ～佐伯赤麻呂・万葉集 4-628※私訳です（脚色アリです）↓どうしてこんな歌、選んだろ…ネタ切れではありませんよってに。むしろ、歌詠み過ぎて整理が追いつきません…
01Nov
- 君は秋を感じているかい？
  いつも書いている通り、諒主よしぬしくんは風情の欠片も無いようなヤツなのです。[780]蟋蟀乃夜渡音尓烏玉夜更奴者背乎者将偲こほろぎのよわたるこえにぬばたまのよのふけぬればせをばしのばむこほろぎの夜渡る声にぬばたまの夜の更けぬれば背をば偲ばむ何でもかんでも彼に結びつけてしまいます。[781]由原野乃秋更往者蟋蟀乃幽来声乎公波聞津哉ゆはらののあきふけゆけばこほろぎのかそけきこえをきみはききつや由原野の秋更けゆけばこほろぎのかそけき声を君は聞きつやコオロギの声もだんだん弱々しくなってきたよ。季節を感じているか？僕が年をとっただけなのでしょうか…