にわか歴女のみそさざいです
「天と地と」④というタイトルで書き始めたのですが、謙信公のみに特化して書いている自分に気づき、タイトル変えました
本当は戦いの精神、その価値観などについて、書きたいと思っているのですよ
だって「謙信公の戦いに関しての価値観みたいなものに影響されている」と羽生さんがおっしゃったから
でも、今回もかなりずれてしまいました
上杉謙信は、生涯独身を貫いたことから、「不犯(ふぼん)の名将」といわれています
理由は諸説あり・・・そのひとつが女性説
女性説は作家の八切止夫が提唱した仮説のようです
現在は否定されてるようですよ
しかし、漫画や小説にもなっていますので、それなりに理由はあるようです
ここでは書きませんが気になる方は検索してみてください
小説「天と地と」では乃美(実在しない架空の人物)と相思相愛でしたが、彼女が急逝したため、結婚は叶いませんでした
そして、「天と地と」を読み終えて
軍神などではなく人として、素の上杉謙信の生涯に愛する女性は実在したのかということが気になりまして・・・
いくつか書物にあたりましたら、日坂雅志/著「天地人」にその答えがありました
(前記事にもチラッと書いた→)側近の直江景綱には娘が二人おりまして、お二方とも絶世の美女だったそうです
妹、お船の方の婿養子は、NHK大河ドラマ「天地人」の主人公、直江兼続(なおえかねつぐ)
なぜ、妹が婿養子をとったかというと、姉が出家してしまったから
姉のお悠は侍女として謙信に仕え、二人は互いに慕いあうようになります
でも、謙信が戦に勝つために女色を断つという信念を貫いた為、二人は結ばれることはありませんでした
結局、お悠は善行寺に入り剃髪してしまうのです
謙信の上洛中の出来事でした
誰にも理由を告げず城づとめから身を引き、花盛りの若さで突然尼になってしまったのですから、父の景綱はとても嘆き悲しんだと「天地人」に書かれていました
雑誌「歴史街道」にも記載がありました
一方、その上洛中に関白 近衛正嗣(このえまさつぐ)が、妹の絶(たえ)を謙信に嫁がせようとしますが、謙信は承諾せず、絶姫は翌年病死してしまったのだそうです
お悠のことがありましたから、たとえ良縁でも謙信としては承諾するわけにはいきませんよね
そして、もう一人、上野国の千葉采女(ちばうねめ)の娘、伊勢姫、
人質として送られてきた伊勢姫の美しさに謙信は心を奪われました
しかし、「敵方の娘に心を許し給うな」と家臣の柿崎景家にいさめられ、思いとどまったそうです
そして伊勢姫も尼になってしまうのです
伊勢姫も謙信が好きだったのではないでしょうか
軍記物「松隣夜話」によると、家臣の甘糟近江(あまかすおうみ)は謙信の思いを叶える為、伊勢姫を還俗させようとしますが、その時、既に姫は亡くなっていたそうです
伊勢姫の人生が悲し過ぎますね
これらのエピソードでも、謙信女性説は否定できまるかと思います
女性を愛し、女性からも愛されていたのですから
ストイックすぎるほど真面目に生きた謙信の陰で、謙信の武運と幸せを願いながら、寂しく生涯を閉じた女性たち、
なんだか、とっても切ないです
時間は戻せないけれど、
謙信公には、いずれかの姫君とのご縁に恵まれて、幸せになっていただきたかったなぁ・・・
と今更ながら思いました