新月の正確な時刻は10時54分。
月は新月のとき太陽の方向にあるので、新月の夜に月明かりは全くありません。
だから、普段は月に邪魔されて見えない星も、新月の夜はよく見えるのです。
もちろん、月のある晩も、星は輝いていますよね。
街灯りに邪魔される都会の空では無理かもしれないけれど、星は、見ようと思う人には見えるものだと思います。
東日本大震災の時も、星がきれいだったそうですね。
調べたら、震災の日の月は月齢6.3日、半月に近い月が、オリオン座の右方向で輝いていたようです。
2011年3月11日19:00頃の星空 (stella theaterよりキャプ)

その月も深夜には沈み、停電で光を失った町の夜空には美しい星空が輝いていはずです。
2011年3月11日23:30頃の星空 (stella theaterよりキャプ)

その時刻、まだ、家族と会えてなかった私には、星を見上げる余裕はありませんでした。
あの日の星空を、私は何も見ていなかったのかな?
美しかったというその星空を何も思い出せないんです。
停電で信号が消え、街灯りが消え、すべて真っ暗になった悲しい景色がどこまでもどこまでも広がっていました。
子ども達とやっと会えたのは日付けが変わってからでした。
あの晩、美しい星空を見れた人もいたかもしれないです。
でも、私には絶望の暗闇のようでしたよ。
視覚的には見えていたかもしれないけれど・・・
悲しい夜に瞬く星の輝きは、私の心には何一つ響かなかったのです。
星は見ようと思う人の心にしか、見えないものなのかもしれません。
話を戻しますね。
明日9日(水)は、新月です。
雲がなければ星がよく見えます。
(翌々日は11日。)
木星等の惑星の位置と月の月齢こそ異なりますが、夜空を見上げれば、5年前のあの日の夜とほぼ同じ星空が見えるはずです。
私が言っているのは、あくまでも星(=恒星)の並びがあの日と同じという事ですからね。
理科で習ったでしょ?
年周運動により、星というのは、一日で約1°ずつ動いています。
どの方向に動くかというと、日周運動と同じ向きです。
日周運動と年周運動により、天体は1日で360°+約1°動くので、
1日で1周してさらに1°ずれ、同じ時刻に観測すると、見かけの星の位置が1日で約1°ずつずれていきます。
1ヶ月で約30°ずれ、半年で180°ずれ、1年で360°、つまり、同じ場所に戻ります。
つまり、3月11日が巡ってくると、あの日と同じ星空も巡ってくるということ・・・
空を見上げる余裕のある方は是非ご覧になってください。
2016年3月9日19:00頃の星空(stella theaterよりキャプ)

今の時期、夕方、射手座の守護星木星が東の空から上ってきます。
そして、一晩中見えます。
実は、木星は、今が見どころなんですよ。
高校理科で地学を選択した方は「衝」も知ってるかしら?
地球から見て天体が太陽の正反対の位置にくることを「衝」といいいますが・・・
「衝」の頃のその惑星は一番の見どころなんです。
「衝」の時、その天体には太陽の光が真正面から当たっていて、
地球からの位置も近いし、一晩中見えるので、天体観測にも適しているのです。
調べたら今年の木星の「衝」は明日3月9日でした。
新月の星空とともに木星の輝きにも注目してくださいませ。
2016年3月9日23:30頃の星空 (stella theaterよりキャプ)

冬の星座オリオン座が西の空に沈む頃、春の星座おとめ座が姿を現します。
獅子座とおとめ座の間で輝いているのが木星です。
現代の明るい空では、おとめ座も獅子座も見つけるのはむずかしいかもしれませんね。
真夜中頃、南の空高く、他の星の輝きとは別格に一段と輝いている星を見つけられたら、それが木星です。
街灯りが明るすぎて他の星が見えなくとも、木星とおおいぬ座のシリウスだけは見えるんじゃないかなぁ・・・たぶん。
今、こうして星空を見上げることができる平和に感謝して、新月の空に祈りたいと思います。
追伸― あっ、ボイドタイムはあるんだけどね、
今回の新月の記事これでなんとなく完結した記事になったから追記しません。
ぶっちゃけ、私はあまり気にしてないし・・・・
気になる方は、各自検索してくださいませ~