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よつばと! (1)
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萌えるかっつーと萌えない。
笑えるかっつーと笑えない。
でもそういうことを狙ってるんじゃなくて、なんだか落ち着く。
《動き》のない漫画って、こんなにいいものなのか。
あずまきよひこの『よつばと!』は、面白いというよりは嬉しい気分にさせてくれる漫画だ。
『よつばと!』のあらすじは・・・えーと。あらすじなんかあるか?これ。
特に物語があるわけでもなく、“よつば”という女の子(6歳だっけ?)とその周りのひとびとの日常を描いている。
ストーリーだとかそういう観点で描いているわけじゃないのだろうなぁ。
じゃあキャラクター漫画なのかというと違う。
日常を描いている、としか言いようがない。
あずまきよひこの前作である『あずまんが大王』の時から、見方によっては無機質とも言えるような絵柄で、4コマゆえかアクション漫画的な《動き》が感じられない作風だった。
それは決して悪いことではなくて、どこにでもいるような女子高生たちの日常を描く4コマという意味では、リアリティがあるというか、しっくり馴染んでいた(そもそも4コマ漫画という土壌には、アクション的な作品というのはあまり見受けられない)。
現実世界で友達と会話して、掛け合いしている時には《動き》なんてないのは当たり前で、そこが『あずまんが』のよかったところなのかもしれない。
むしろそういう《動き》のなさゆえに“ともちゃん”とかが突飛にアクションするのが際立って面白かったりした。
その《動き》のなさが、4コマでない漫画の中で通用するものなのかな、というのが初めて『よつばと!』を見かけた時に僕が持っていた先入観だった。
実際、ぱらぱらとページをめくってみると、ふつうの漫画の魅力となるような、《ソリッド》感や、逆に《ほのぼの》感は感じ取れなかった。
で、しばらく読まないでいたのだが、4巻あたりが出た時に「結構評価されてるっぽいな」と思って腰を入れて読んでみたら・・・今まで読んでいなかったことを後悔したものだ。
《動き》のなさは、4コマの時とは違うように効果的だった。
コマ割りはまったく色気がなく、無愛想だとすら思えて(『ジョジョ』みたいな作品とは対極だ)、相変わらずキャラクターたちはアクションしない。
でも、なぜかそれが心地よく感じる。
背景が、日常の風景が心に染みるのだ。
《動》かないキャラクターたちはもともと《動》かない風景に溶け込んでいるかのようで、押しつけがましくないキャラクターが日常というストーリーらしくないストーリーにはまり込んで、それがつまり、《日常の風景》だ。
小さな“よつば”が、暴れまわる。
でもそれは日常という、安心と安定感がある雰囲気の中でこそのもの。
まるでそれは、“よつば”の周りの大人たち(大人じゃないのも多いけど・・・)の温かさが漫画の描き方にも溢れてきているかのようだ。
決して風景が美しいとか叙情的だとか言いたいのではない。
僕たちが過ごしている日常、過ごしたはずのあの頃が、等身大にそこにあるということだ。


