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無限の住人 (1) (アフタヌーンKC (90))
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良いバトル漫画に必要なのはスタイリッシュさ。
全てを完結させる美しさのキメ技に痺れる!
今回はアクション時代劇漫画、『無限の住人』(月刊アフタヌーン、1994~)について書きます。
『無限の住人』は江戸時代を舞台とした剣客バトル。
不死の肉体を持つ主人公“万次”とその相棒(?)“凛”の旅路を描いている。
いやー・・・ついに書くことになったか、能力バトル。
え?『むげにん』て能力バトルなの?と思う人もいるだろうけど、それぞれが尽きつめた個性的な技や能力で戦う漫画をすべて僕は能力バトルと呼びます。
それゆえに広義には『スラムダンク』なんかも僕にとっては能力バトルなのだけど・・・閑話休題。
『無限の住人』には様々な特長があって、それはデッサン力に裏付けされた圧倒的な画であったり、漢字の効果音だったり、奇抜な服装や武器やそれらに隠されたユーモアだったりする。
すべてを総括して述べることは難しいだろうし、それはすでに雑誌などで書かれた批評の繰り返しになる可能性が高いのでここでは深く言及しない。
前述したように、能力バトルとして、そしてアクション漫画として『無限の住人』を評してみる。
能力バトルの金字塔といえば『ジョジョの奇妙な冒険』だ。
かの作品はキャラクターたちの対決ごとに話が完結してゆき、それを積み重ねてストーリーが展開してゆくという、バトルに主眼を置いた形式を取っていた。
『無限の住人』もまた、その型に忠実な作品だと言え、いちいちはっきりと《対決が始まり》、《決着がつく》という段階を踏む(特に物語序盤に顕著である)。
この「はっきりと」という部分が、作者沙村広明の上手いところだと思うのだ。
登場する剣客たちはそれぞれに剣の道を極めた達人ばかりで、全員クセのある一筋縄ではいかない《能力者》たちだ。
日本刀を振り回すだけの時代劇とは一線を画した、独特で個性的な武器で戦う外道なバトル。
剣の中から仕込みの小さな剣がでてきたり、三節棍のような槍でアクロバットしたり、隻腕かと思いきや削って尖らせた己の骨で突いてきたり。
創造的とすらいえる戦法の応酬で相手と切り結び、お互いに消耗していきながらも最後の時が訪れる。
対決の締め、決着のキメ技は1ページ使って鮮烈に描かれる。
これが最高にかっこいい。
格闘ゲームだったら「K.O.!」とバンと表示されそうだ。
キメ技、最後の強烈な一撃によって戦いの終わりが「はっきりと」宣言されるのである。
個人的に好きな《キメ》シーンは、百琳が自分を拷問していた逸刀流の敵に跨って背中を切り上げるところだ。
拷問で限界に達していた百琳の一撃は、まるで花が弾けるようで、もはや美しいとすら感じる。
死力を尽くした戦いの果ての、せつなく美しくスタイリッシュな決着は、読者にある種のエクスタシーを与えるのだ。
アクション漫画としては最高峰に位置するだろう『無限の住人』だが、感動すら覚える決着の瞬間にこそ、画力・バトル・書き文字・キャラクター、そのすべてが集約されているのではないだろうか。
・・・どこかのゲーム会社が格ゲーにしてくんねぇかな。




