連続テレビ小説 オードリー 再放送 ⑪
その頃、美月と君ちゃんは熊本城を歩きながら、たくさんの話をして
いた。同じ宮本姓で熊本出身、子供の頃から家を出て修行をしたとこ
ろが君ちゃんとそっくりな「宮本武蔵」のことや、「幼い時に親を亡
くした『可愛い少女の君ちゃん』」のお話を作ったりしながら、、、。
阿蘇山麓の馬のいる草原では風に吹かれながら、ふるさと山鹿の灯
籠踊りのことや、貧しかった子供の頃の思い出話を。
早速、愛子は熊本に向かった。
滝乃が渡そうとした心付けの封筒は「結構です。美月は私の子供
ですから」と、受け取らなかった。
馬が悠々と草を食む阿蘇山麓にて
美月と（想像上の）少女時代の君ちゃんが話している。
小学校にも行けなかった貧しい子供時代。初めて食べたゆで卵の美味しさ。
ばあちゃんは博多まで送ってくれたけれど、あとははるばる京都に一人
で出て来て、やっと「椿屋」に辿り着くまでの話。
愛子のいない「椿屋」にて、滝乃と春夫の会話。
同い年の君ちゃんが「椿屋」に奉公に来てくれて、一人っ子で友達も
いなかった滝乃にとって、どんなに嬉しかったことか。使用人ではあ
るが妹とも思い、結婚のときは「椿屋」からお嫁に出そうと思ってい
た。
それなのに、一番大切な美月を奪っていくというひどい仕打ちを受けて
しまった・・・君ちゃんに裏切られた・・・春夫に、今の辛い気持ちを
打ち明ける滝乃だった。
熊本にて、
大きな橋から勢いよく水が流れ出ていた。（通潤橋からの豪快な放水）
「椿屋」を継ぐ前の、お母ちゃまの若い時の話を君ちゃんがしてくれた。
「詳しいことは知らないけど、『椿屋』を継ぐ前、奥様には好きな
方がいた、、。」
「奥様も綺麗やったし、『椿屋』のお客さんで若い小説家の先生だ
ったそのお方も、綺麗やった」
やっぱり京都へ帰ろう。奥様が心配してはる。
ここまで来たんだから、やっぱり山鹿へ帰ろう。
滝を背景にして歩きながら、今日は８月１４日。明日１５日は君ちゃ
んの誕生日で、灯籠祭りの日。早くしないとお祭りに間に合わない。
君ちゃん、３０年ぶりに山鹿へ帰る決心がつき、踵を返して走り出す。
「椿屋」にて、
花尾先生は、今晩夕食に滝乃にぜひ会いたいというお客が来るので
よろしく頼む・・・と。
大京映画・黒田社長の内緒話。
皆が帰ったらな、今晩、勝新と雷蔵呼んでるんや。極秘の密談や。
よろしゅう頼むわ。 部屋にはあんたしか出入りしないようにな。
大切なお客さまの予約であり、滝乃は「椿屋」を抜けられなかった。
勝新から直接のTELあり。
夏場にヒレ酒を所望され、
何とかご用意させて頂きます・・・。
山鹿市に入ったものの、八千代座や足湯を巡ったりしてなかなか実家
に案内しようとしない君ちゃん。
背後の山に不動岩らしい大きくそびえ立つ岩が見える田んぼの中の
古い一軒家。やっと実家へ。
出てきたばあちゃんと３０年ぶりの再会。
絶対帰って来るなと言われて後にした実家へ戻って来てしまったこ
とを、泣きながら謝る君ちゃん。
家から出てくるママの愛子。
ママの方が早く山鹿に着いていたのだった。
お互いに複雑な表情を浮かべる美月とママ。