連続テレビ小説オードリー再放送 ⑦
学校からの帰り道、美月は晋八に出会ったのでオープンセットで
の晋八を映した写真を渡した。晋八は葉隠仙鋭の弟子の仙吉と子供
の二役のオーディションに受かったことを話す。
そして、父親に見せたいから芝居やっているところを写真に撮って
ほしいと頼み、美月もOKした。
撮影所にはスカートではなく、ズボンで来るように。そしたら自分の
付き人にしてやる。来週からの夏休み、朝9時から撮影開始だからオ
ープンで待っている、と美月との約束もできた。
欲しいと言っていた、アメリカ製のよく消える消しゴムを美月から渡
され、嬉しがる晋八。
中内のおごりで椿屋での会食
「葉隠仙鋭」映画の大ヒットで、売れない作家だった中内の原作も売れ、
黒田社長を招いての会食となった。
「 しかし、出版社と映画会社が協力するというのは、なかなかグッドなアイ
デアやね~黒田君。」と、売れっ子になった作家先生は、言葉遣いも違っ
ている。関川さんは、ママの愛子に秘かに好意を寄せているのが、もう
見え見えの視線の行方。
「恐縮でございます。先生の葉隠仙鋭というキャラクターがなかったら、こ
のヒットはありませんでした。今年中にあと二本は撮ってドル箱路線に持
っていきたいと思っております。つきましては、原作の方もお急ぎ頂き
たいと、、。」
「わかってるがな。しかし、盆と正月がいっぺんに来たみたいや。ワシはど
っちか言うたら売れてへん作家の部類やったからねぇ。」
(一同 アハハハと高らかな笑い)
売れっ子作家先生は、大京映画の看板女優・ゆきさかふみこ(幸坂
文子?)に会わせて貰える約束を心待ちにしていた。
「はいはいはいはい、今しばらくお待ちを。幸坂も、モモケン、クリキン
のフリー宣言以来、いささかピリピリしておりましてね。昨今、映画界
の大物が、テレビ出演を巡ってなかなか大変なんでございます。」
「そういうたら、クリキンは東映の任侠映画に出とったな~。組長の役や
ったで。写真にこだわったら、脇しか来んわな~。」
「幹 幸太郎かて、危ない。モモケン、クリキンあっての幸太郎や。一枚
看板で何年持つか。」
「君も心配性やね~。もう続編は撮ってんねやろ。大丈夫、10年は持つわ。」
この作家先生は、映画・原作のヒットで自分も10年は暮らしていけると
踏んでいる。それどころか、「葉隠御殿」が建つまで、頑張ると。
「ま、ま、ま、、、」
君ちゃんの部屋
「ひょっこりひょうたん島」の時間が来ても、テレビを見ず我慢している
君ちゃん。美月を撮影所へ連れて行ってはいけないという滝乃との約束を
破ったり、今まで世話になった滝乃の期待を裏切ったのは自分だからと。
「君ちゃんの気持ちが杉本さんに伝わったんだから、いいよね。」と美月
も納得した。美月の写した撮影所での杉本さんの写真を胸元から取り出し、
杉本さんは自分に相応しい人ではないけれど、自分の思いを解ってくれた
らそれでいいとする君ちゃん。
「『杉本君江』にならへんでもええの?」
「こうやって、写真とお話している方が幸せやから。」
夏休みになったら、ズボンを穿くからズボンを買ってと、お母ちゃまに言
ってみたが、結局弟の梓(あずさ)の繋ぎのジーンズを借りることにした。
映画「ウエストサイド・ストーリー」でみんなカッコいいジーンズを穿い
て踊っていたように、アメリカから送ってきた流行りのジーンズ。
サイズも美月にぴったりで、とてもよく似合っていたけれど、何で突然ズ
ボンを穿きたくなったのかパパに訊かれ、言いたくなければ言いたくない
とちゃんと言いなさいと、パパに言われて答えられない美月。お母ちゃま
は、「ズボンもいいね」と言っていたけれど、あれは無理をしてそう言っ
ただけなのだから、、、。
今日から夏休み
晋八が、子役として幸太郎の映画に出演する日。
「お師匠さん、お願いです。おいらを弟子にして下さい。」
「葉隠仙鋭は天涯孤独。弟子などいらぬ。」
「おいらも、ちゃんが殺されて一人ぼっちなんだ。ちゃんの仇を
討ちたいんだ。」
「 寄るな 」
「お師匠さん」「寄るな、寄るな」
カット、OK.
本番をカメラに収めたらいけないから、美月は晋八の芝居はテストのときに
撮った。
幸太郎が美月を見て「お~こないだの。どや、愛は通じたか?」と言ったけ
れど、美月は杉本のところへ
「あの~」、杉本「君、また映画出ない?」
「何で君ちゃんの手紙、黑田さんに渡したんですか?」
「君ちゃんの?」
「宮本君江です。こないだ、手紙 幸太郎先生から貰ってないん
ですか?」
「手紙って、何のこと?」
英記~と声が掛かり、呼ばれた杉本は慌ただしく美月から離れて
声のした方へ。
助監督の杉本さんは、君ちゃんの手紙のことは???だった。
晋八が撮影所での杉本さんのことを教えてくれた。
「おまえ、あの助監督好きなんか?」
「あいつ、ドジの英ちゃん言うて、ト~ロイぞ~」