舟木一夫シアターコンサート
㏌ 新橋演舞場
2023.3.27(月)~3・29(水)
二日目 3.28(火)14:00
プログラム
昨年12月のロングコンサート4バージョンを中心に、
2.24に開催されたコンサート2023かつしかシン
フォニーヒルズでの舟木さんが楽しめる写真集になって
います。
ステージ上での素敵な舟木さんの表情、着用された和服や
タキシードの詳細がはっきりと捉えられ、昨年のあの喧騒
の中で過ごした熱気が甦ってきました。かつしかでは、お
気に入りのセーターでリハーサル中の真剣なお顔、リラッ
クスされた柔らかい表情の舟木さんがとても素敵です。
二つの舟木さんコンサートが誌上で再現され、まるで舟木
さんに間近にお目に掛かっているようでした。
【曲リスト】
第一部
― 日本の名曲たち ― 「ブルースのか・け・ら」
オープニング
湖畔の宿
別れのブルース
雨のブルース
星の流れに
東京ブルース
黒い花びら
赤いグラス
女と男のブルース
東京しぐれ
赤坂の夜は更けて
グッド・ナイト
夜霧よ今夜も有難う
第二部
あいつと私
雨の中に消えて
花咲く乙女たち
東京は恋する
北国の街
北国の旅情
青春の鐘
君たちがいて僕がいた
仲間たち
高校三年生
学園広場
スタンディング
銭形平次
君よ振り向くな
吉野木挽唄~絶唱
夕笛
恋唄
たそがれの人
哀愁の夜
高原のお嬢さん(四番も)
アンコール
湖愁
前夜からの雨は止まず、肌寒い朝になった。開演時にもまだ雨が続いており、
舟木さんのご挨拶は、三寒四温という言葉がありますが。桜も咲こうか散ろう
か迷っているんじゃないでしょうか、というものでした。グレーのネクタイを
なさっているのがわかるだけで、後は全身黒っぽい上下、、、かえって若さが
引き立ちます。
ブルースというのは、はっきりとした定義があるわけではなく、blueという感
じ、happyの反対と思えばいいのでしょう。ちょっと退廃的な、やさぐれた
27,8歳の女性の心、、そういうところを楽しんで頂けたら、、、。
♪ 別れのブルース ♪ 雨のブルース ♪ 星の流れに ♪ 東京ブルース
ブルースの曲として初期の♪ 星の流れに や、淡谷のり子さん、デュック・
ミネさんの時代とその後の ♪ 東京ブルース までは随分と間があって、ちょ
っと色が違いますね。けだるさは今はあまり感じられなくなったし、倦怠感や
退廃的な大人の世界があるのを、子供の頃は何だろうと思ったり、憧れたりし
ていました。そういうブルースの流れと、吉田正先生のブルースのトーンとは、
ちょっと区別がついちゃった。ちょっとブルースの流れが骨太の方に広がった
という曲で、
♪ 黒い花びら
間奏では、たっぷりと小林さんのテナーサックスのソロ演奏がお聴き出来、拍手
も贈られた。やっぱり大人の世界には欠かせないサックスのアレンジ
・・・う~ん、ブルースの世界!
舟木さんはブルースが歌いたくて流行歌手を目指されましたが、デビューして
15,6年経ってから気づかれたそうです。これじゃやっぱりダメだったって。
ブルースには何とも言えないけだるさや大人の世界があり、雰囲気が大切なもの
だから、18くらいでは歌えるわけがないのだと。
そういうところがないまぜになった♪ 東京ナイトクラブや、歌詞ではhappyな
♪ 銀座の恋の物語ですが、でもblueな大人の歌であったり、ブルースでもいろ
いろ、、、今回はそこまで踏み込めませんが、また改めて歌ってみたいと思い
ます。
ちょっと地味な感じがするのですが、とてもとてもブルースな曲を3つばかり
、、。
♪ 赤いグラス ♪ 女と男のブルース ♪ 東京しぐれ
♪ 赤いグラス は、アイ・ジョージさんと志摩ちなみさんとのデュエット曲だっ
たということで、舟木さんは女声コーラスの方とのデュエット曲にされました。
ムードたっぷり、雰囲気は一気に甘く切ない夜の大人の世界に。
♪ 女と男のブルース は船村徹先生の作曲ですが、いちいち説明しないところ
で伝わっているのが素晴らしいですね。
これからブルースを集めてCDをつくれたらと思いますが、どうなりますことか、
ラスト3です。
♪ 赤坂の夜は更けて ♪ グッド・ナイト ♪ 夜霧よ今夜も有難う
♪ グッド・ナイト では、右手をジャケットの中に入れて胸元へ、
♪ 夜霧よ今夜も有難う では右ポケットへ、、、小林さんのテナーサックスが
雰囲気をさらに盛り上げて、しっかりとあるいは静かに大活躍。
舟木さんは右手をポケットに入れたまま後ろ向きでステージ中央の階段を降り、
照明を落としながらブルースの世界を閉じられた。けだるい赤坂の夜を過ごす
ご縁なんて全くなかった過ぎ越しでしたが、このブルース特集で舟木さんの魅
力ばかりが伝わってきました。またもう一日、この世界にたっぷりと浸らせて
頂けるし・あ・わ・せを感じます。
第二部での♪ 高原のお嬢さん は、ステージ上に描かれていくライティング
も素晴らしかったということでした。
何しろ四番の歌詞に耳を澄ませてばかりいたし、どの曲もあまりに声量豊か
に快調に進めていかれてお聴きする側はこの上なくいい気分の連続。
アンコール での♪ 湖愁 で入る舟木さんのナレーション
・・・『この歌を口ずさむとき、17歳の想いがあふれる』・・・
舟木さんは、「高校三年生」に導いてくれた大切なこの曲をとうとうアンコ
ールになさるまでに、、万感の思いが込められていて、こちらも胸いっぱい
になるアンコールでした。
舟木さん、新橋演舞場でのシアターコンサート、
もう一日どうぞよろしくお願いいたします。