コンサート2023
― 舟木さんの愛の歌 ―
(3)
3⃣ 序曲だけのコンサート
序曲だけのコンサート
上田成幸作詩・作曲 杉村俊博編曲
さらば愛よ 還らぬひとよ
燃えさかる 炎の記憶
この恋歌(うた)に刻もう
序曲だけで かすれた夢は
わずか五分の 恋歌(うた)の棺に
そっと結ぼう
愛はいつも 風の中に
遊ぶ蝶の羽のいろ
影にすがる 心ぬけて — 翔く
さらば愛よ すべては尽きた
蒼ざめる スーツの襟に
病葉は降りつむ
序曲だけの 小さな恋歌(うた)は
誰をたずねる すべもないまま
闇をさまよう
愛はいつも 棘の園に
招く薔薇の 甘い吐息
雨を受けて 永遠(とわ)にひらく — 輝く
序曲だけの 愛の恋歌(うた)を — あなたへ
鮮やかに際立つピアノの連打の後に、滑り落ちるように急降下していく流
麗な弦・・・初めてこのイントロを耳にした時から、瞬時に心を捉えられ
てしまった。
これから愛の物語が始まっていく、まさしくクラシックの序曲のような杉
村俊博さんの編曲が大好きになり、ナイスミドルになられた舟木さんの深
みを帯びたお声も素敵で、何度も何度も繰り返し聴いたものだった。
歌詩には、実を結ぶことのなかった愛への限りない追慕が、そして恋歌(う
た)の棺にそっと納めることでこの愛に決別しようとする煩悶が、美しい言
葉で溢れている。華やかに燃え上がった胸の高まりと、今静かに終わりを迎
えようとしている愛、その心の動きは、やはり流麗な弦で静かに終焉を迎え
ていく。
ステージでも、このアレンジでぜひお聴きしたいといつも思っているけれど、
曲との繋がりでステージ用のアレンジになるのは当然のこと。でも、大宮、
かつしかのコンサート2023で、CDの雰囲気がたっぷり込められた、とても
素敵なアレンジをお聴き出来たように思えた。もちろん、直球ど真ん中の
舟木さんのLove Song に、たっぷりと酔わせて頂いた。
舟木さんの愛の歌、直球ど真ん中のLove Song 3曲だったが、浜松では
変化球ともいえるLove Song を届けて頂いた。「WHITE Ⅲ」でも、
「夢幻-MUGEN-」の次には「斜/me/節」が並んでいる。何でもござれ
の舟木さん。松戸ではどちらの曲を届けて下さるのか、楽しみにしていよ
う。