舟木一夫 特別公演 通し狂言 『 忠臣蔵 』
2017.12.2(土)~12.24(日) 新橋演舞場
後編 雪の巻
まとめ(11)
<第五場> 吉良邸
「討入り」 (その深夜)
B 中庭から屋敷内
C 上杉邸(同じ頃)
D 炭小屋前

キャスト
堀部 弥兵衛 : 曾我廼家文童
堀部 安兵衛 : 坂西 良太
岡野 金右衛門 : 丹羽 貞仁 

大高 源吾 : 真木 一之
清水 一学 : 堺 新次
ほか
浅野家 家来口上
去年3月、浅野内匠頭儀、御勅使御馳走之御用仰せ付け置かれ、時節柄殿中をはばか
らず刃傷、お仕置きを仰せ付けられ ~~ 亡き主人内匠頭の無念を晴らすべく、今日
御宅へ推参仕り候 ご検分~
以上
元禄十五年十二月十四日
浅野家家来 大石内蔵助良雄(よしたか)

(内蔵助) 西軍 裏門の手はずは滞りなく整ったか。
我ら、艱難辛苦の元に、今ここにある。
仔細許されずに脱盟していった者、死していった者、ここにたどり着けぬ者、
その者たちとともに、伝説を作ろうと存ずる。
これより目指すは、我らと殿の向かう御敵、吉良上野介ただ一人。
我ら、これより阿修羅となってこの門をくぐりまする。
内匠頭長矩(ながのり)様、いざ、ご照覧下さりませい~。
お~!

討ち入りだ。
20人組 西へ
武林 唯七 50人組 東へ向え~。
どけ どけ どけ~
吉良 出て来い~。
主税殿、 安兵衛はまだか。
老いぼれ、覚悟いたせ。
ご老人、 ここは拙者に。
ご老人、ここは拙者にお任せあれ。
(弥兵衛) ご老人、ご老人とうるさいわい。
せっかく楽しんでおるのに。

早く探せ。
抜かるな。
必ず邸内にいる。
探し出せ。
時が迫る。
急げ。
探せ~。

内蔵助の山鹿流陣太鼓
花道すっぽんよりせり上がってくる

C 上杉邸(同じ頃)

千坂 兵部 : 里見 浩太朗
馬引け~。 馬引け~。
花道より
(綱 憲) どけ~。
(兵 部) どきませぬ。
(綱 憲) 突き殺すぞ。
私の孝行の道が立たぬのじゃ。
(兵 部) 上杉15万石が、掛かっておりまする。
(綱 憲) 無礼者、離せ。
(兵 部) 離しませぬ。

殿、この兵部のしかばねを踏み越えておいで
なされませ。
綱憲様。 赤穂浅野家の二の舞になりまするぞ。
お上のお咎めなしの片手落ちに、ここで上杉が
加勢すれば、今度こそお上は喧嘩両成敗と裁か
ざるを得ません。
殿、上杉15万石のためでござる。
なにとぞ、お父上のことは、お諦め下さいませ。
このとおり、お願いでございます。

(兵 部) 殿~。 

(綱 憲) は~~
綱憲、無念の思いで花道を走り去る。
(兵 部) 内蔵助、、、、。
兵部、槍を持ち花道を下がる。