東京国際フォーラムコンサート | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

            舟木一夫芸能生活50周年記念コンサート
 
                  東京国際フォーラム ~ありがとう そして明日へ~
 
              2012.3.8(木)  東京国際フォーラムAホール 16:00
 
 
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   いよいよ3月8日がやってきた。
 
   昨年のうちからチケットを用意し、思
   わぬ座席に、それこそいろいろ思い
   はあるけれど・・・
 
   ともかく5000人収容ホールの有楽町
   へ行く当日となったのだ。
 
   全国からファンが駆けつける。
   チケットは完売らしいから、
   「よかったですね、舟木さん!」とそ
   っとつぶやいてみるが、朝から落ち
   着かない。
 
   ご本人は、50周年なんてちっとも意
   識しないよ、なんておっしゃっている
   が、照れ隠しに思えて仕方ない。
 
   お疲れ気味の体調だったらどうしよ
   う!
   満席のステージで、歌詞が抜けたり
   声がかすれたりしないだろうか?
   まさかアバウト9の演奏だけなんて
   こと起きないでしょうね!
 
   
 
    最後列に座る1観客でこんな心配をしても始まらないのに、あっちへウロウロ、こっちへうろうろした挙句、
    やっとのことで家を出て電車に乗った。
 
    ホールAの入り口から、ロビー、ホールに行き着くエスカレーター、、、見下ろすと下から上まで人で埋まっ
    ていた。
    ステージでは銀色の照明機材が赤いライトに照らされて、ちょっとしたオブジェのよう。
    緞帳がないステージであることにやっと気付いた。
 
    ステージの照明が落とされ、アバウト9のメンバーが入ってやがて開演。
    舟木さんは後ろの階段を上がっていつもの高いセンターに立つ。
    黒タキシード、蝶ネクタイという、今日のこのステージに最も相応しい衣装だ。
    何てたって一番良くお似合いのスタイルだもの。
    
    スローな学園広場のメロディが流れ、舟木さんはいつもよりずっと深々と、ゆっくり三方にお辞儀をされる。
    この深々としたお辞儀には、きっと50年間のファンへの感謝が込められているんだ、と思うと学園広場の 
    スローなメロディがより振幅大きく迫ってきて、ぐぐっと感情を揺さぶってくる。
    ああ、もう最初からこうなんじゃ、これはもう大変と一瞬慌てるほど、オープニングから凄く感動的。
    と、その感動の波を断ち切るように、スケール大きな演奏に切り変わっていった。
 
    初めて聴く、歌詞もメロディもスケール大きく素敵な曲。
    確か歌詞の中に ”さ す ら い” という言葉が何回かあった。
    後で調べて憶えなきゃ、と早速頭の中のメモ帳に書き込む。(すぐに上書きされて用を成さないのだが)
 
 
    ”デビューから10年までの曲を中心にして歌い、たっぷりと想い出に浸っていこう”
    ということであの頃のヒットソングが10曲、次々に出てくる。
    メドレーにしちゃもったいないくらいだけど、あの頃はほとんど全部ヒットしていたのだから、こうでもしない
    と歌いきれない。

    10曲メドレー最初は「水色の人」
             ♪~アカシア落葉を踏みながら~
             ♪~イタリアンカット 懐かしい 懐かしい ~
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    最後は「青春の鐘」
               ♪~水色の空 鳴る鳴る鐘は~  
 
    どちらもステージで歌ってもらえるとは思ってなかったので、嬉しい。
 
    このステージでは、思いがけなく聴かせて貰えた曲が
    あと数曲あった。
 
 
    松島アキラさんの「湖愁」と悲恋映画三部作の「残雪」である。
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                                 作詞:高峰雄作
                                 作曲:戸塚三博 昭和43年3月発売
 
 
   「残雪」は、舟木さんはもうステージでは歌われないのかと思っていた。
   「残雪」はそれまでの舟木さんとは全く違う、重い歌唱法で録音されている。
   救いのない悲恋に合わせてか、口ずさむにはあまりに悲壮過ぎる曲調。
   映画には相応しい歌い方かも知れないのだが、やはり曲としては重すぎてついていけないところがある。
   それにこの数年後、舟木一夫は本当に坂を転がるように落ちていくのだ。
   救いようのない悲しいお話に悲壮な歌い方の曲。
   山の頂上から谷底へと落ちていく舟木さんのイメージが付きまとう作品となってしまった。
   松原智恵子さんの美しさがいっそ残酷なくらいである。
 
 
   舟木さん自身、写真集「瞬」のインタビュー(P30)でこんなふうに語っておられる。
 
    「 あの詩は、ダメだね。肩に思いっきり力が入っちゃってて、うわずっちゃってる(笑)。
     俺が目一杯力んじゃったもんだから、作曲も力んじゃったし、編曲も力んじゃった。
     若かったからなぁ。22歳だもん。だめだめ、あの詩は大ヘボだよ。(笑) 」
   
    22歳の詩人、高峰雄作。
    舟木さんはダメだ何ていわれるけど、あの忙しさの22歳のときに作った詩である。
     紙と鉛筆があれば誰にでもできるか? とんでもないことだ。
     改めて、言葉を紡ぐ人としての舟木さんの才能に驚くばかりである。
 
     思いがけずであるが、やっと聴かせて貰えた「残雪」。
     もちろん、あのときの吹き込みのような悲壮感溢れる歌唱法ではない。
      「 残雪 」 は、若く歌唱力があるゆえにあのような歌唱、録音になった、といえなくもないのだ。
      長い年月掛かったが、舟木さんもやっと吹っ切れて今回のステージに「残雪」を乗せようという気に
          なったんだと思った。 ” あ、「 残 雪」 を歌ってくださる ” と判ったとき、思わず拍手をしてしまった。
 
 
   その後、上田成幸作詞作曲の「ありがとうもさようならも」(浮世まかせカップリング曲)が入り、「君たち  
   がいて僕がいた」の学園ソングに続いていった。                                                                                                                                イメージ 5
   「ありがとうもさようならも」 は短くはあったが
   (1番を歌っただけかも知れない)、いい曲だった。
   
 
    ♪  振り向けば あの頃の 歌が聞こえる
        若すぎた夏の陽射し                                 「ありがとうもさようならも」  
                よみがえる 眩しさ                                      上田成幸:作詞・曲
        あなたには 我儘も 辛くぶつけた                                              
                ほろ苦く白い記憶                                                                                                               よみがえる 恋しさ
                                            
              ありがとうも さようならも 今は何も 何も言わない
        重ねた季節 溢れる想い  あなたに投げるだけ    
     
 
 
         平成14年、芸能生活40周年記念曲として出された曲であるから、基本的に舟木さんから私たち
             へ向けてのメッセージが込められた曲だと思う。 それゆえ、50周年の今聴いても歌詞がそのまま
             すっと胸に入ってくる。 そしてステージに乗せられ舟木さんが歌うと、どの曲もみんないい曲にな
              る。         
    
 
                                              
  お待ちかねの学園ソングが並び、「高校三年生」がまさに炸裂するとき、大音響とともに黄金の吹雪が
  ホールを覆い、舞い落ちてきた。しばらくステージが見えなかった。
   50周年を祝うに相応しい黄金の吹雪が、前方にキラキラ舞っているのを見ながら、
  ” 全てはこの歌から始まっていったんだものね~ ” という思いがしみじみ湧いてきた。
  舟木さんが高い高い山に登り、谷底に落ち、そして今この瞬間、私たちの目の前に立って歌ってくれて
  いるのも、全てはこの曲が始まりなんだものね~。
 
 
  舟木さんが、「この歌は同じ時代を生きてきた自分たち世代の皆さんに差し上げた歌」との思いに行き着く
  まで、随分と時間が掛かった。
  日本の名曲であると同時に、一人の少年の一生を決めた曲。だけど世代の宝物。
 
 
  あの時、日本一詰襟が似合っていた18歳の若者は、50年たって日本一カッコいい67歳になった。
  間奏さえ目を伏せてやり過ごしていたはにかみ屋の少年は、いまや堂々とベテランの貫禄を身に付け、
  オーラを放ち続ける。                                                    イメージ 6
                                        
 
  一人一人のファンに向けて 
               「君へ心込めて」
 
  アンコールの     「明日咲くつぼみに」
 
  その又アンコール  「グッバイソング」
 
 
  今日も舟木さんは とてもいい表情のお顔
  で幸せそうに、いっぱい歌ってくれた。
 
  タキシードはもちろん、
  渋いオレンジ系や、光沢あるシルバーの
  ジャケットも、スリムな身体を品よく包んでい 
  た。
  
 
     おそらく観客の誰もがこの日の舟木一夫の歌を、ステージを堪能しただろう。
     そしてこの胸に暖かく広がる ”し あ わ せ” は、それ以上に
     ” あの2時間で舟木一夫を堪能してきた ” という充実感から来ているものと思う。
 
 
     ステージのこと、あんなに心配しちゃって舟木さんごめんなさい。もう心配しません。
     あなたが日本一カッコイイ67歳を生きている人だってこと、しっかり判りましたから。
 
 
     舟木さんは「またね!」という感じで客席に手を振りながら、ステージを終えた。
     私たちには、「舟木さん、素敵な歌と時間をありがとう!」 としか言いようがない。
     私たちこそ、舟木さんとの空間を一緒にできた歓びが、全身をを満たしていった2時間だった。
 
 
     さて、この充実感、し あ わ せ感はいつまで持続するだろう。
     この胸は、いつまで温かく包まれているだろう。
     そう長くはないことは判っている。  
     そろそろ次のチケットの手配をしなければならない。