世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた/永井孝尚 24175 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた/永井孝尚 24175

 

★★★★★

2回目。素晴らしい本。

MBAでのラーニングポイントが網羅的に整理されているので

講義のネタ本に最適。

 

 「戦略計画」よりも「測定・対応戦略」
 ファッション業界の関係者は常に次の流行を考え続けているが、

 そんな流行の予測にまったく無関心なのが、

 スペインのファッションブランド「ZARA」である。

  ZARAは「測定と対応」に専念する。

 繁華街など人が集まる場所に調査員を送り、

 人々が着ているものを観察させ、

 「これがウケる」という案を大量に出させる。

 さまざまな色、生地、 スタイルの商品を少量生産して店に届けて、

 そこで何が売れ、何が売れないかを測定し、

 この情報を基に売れる商品の製造を拡大する。

 新しい衣料のデザインが世界販売まで2週間でできる。

 

 これは経営学者のミンツバーグが提唱する「創発戦略」だ。

 創発戦略では長期的な戦略動向を予測せずに、

 現場の変化に迅速対応することを優先する。

 今、何が役立っているかを知る能力を向上させ、

 迅速に変化へ対応し、役に立たないものから手を引いて、

 成功しているモノに早急にリソースをシフトさせるのだ。

 

 「スピード命」という点で、Book2 『仮説思考』、

 Book14『OODA LOOP」も同じ視点である。

 現在の変化にいち早く対応することにより勝つ戦略だ。

 

そうか。ザラも「創発的戦略」で考えるとすっきり理解できるね。

 

 TAM(Total Addressable Market)という概念がある。

 自社製品が受け入れられる市場のことだ。

 徐々にTAMを広げて、隣接する周辺市場に参入していく。

 

 セブン-イレブンの1号店は、東京都江東区豊洲にできた。

 当時のトップ・鈴木敏文氏はこう言った。「江東区から一歩も出るな」
 セブン-イレブンは江東区に店舗展開を集中し、同区を独占。

 その後は周辺へ広げていった。

 アマゾンも、まず書籍市場で圧倒的品揃えと低価格でシェアを獲得。

 そしてCDやDVD、ゲー ムなどの周辺市場にTAMを広げた。

 小さな市場を制覇していないのに、

 次々と新市場に参入しても競争で疲弊するだけである。

 小さくても市場を独占すれば、ブランドを獲得し、経験も蓄積できる。

 その市場でキャッシュも 稼げるようになる。

 これを原資にして周辺市場を攻め、さらにTAMを拡大するのだ。

 

おお、これも良い。

ドミナント戦略やマーケティングの

セグメンテーション・ターゲティングの脱線話に

ここが使えそう。

 

やはり永井孝尚さんのMBA必読書50冊シリーズは定期的に見返したい。

 

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