法華経とは何か その思想と背景/植木雅俊 24008 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

法華経とは何か その思想と背景/植木雅俊 24008

 

★★★★☆

こちらも

 

運命を創る/安岡正篤 23365

 

で安岡正篤先生お勧めだった法華経に挑戦。

 

タイトル通りではあるのだが

法華経の正しい翻訳・解釈は何か?

みたいなことが当初延々と続き、少々げんなりする。

正しいか?間違っているか?を知りたいのではないのだが。。。

 

そんな中、ここは面白いと思った。

 

 これは、『法華経』が非仏説だという主張である。

 江戸時代中期の大坂の町人、富永仲基が、

 大乗仏教は釈尊が直接説いたものではないとする

 「大乗非仏説論」を唱えたことはよく知られ ているが、

 富永仲基に言われるまでもなく、『法華経』編纂者たちは、

 『法華経』が非仏説だと非難されていたことを

 堂々と書き残していたのだ。

 

  『法華経』は釈尊の滅後五百年ほどしてから編纂された経である。

 釈尊が直接、説いていないという意味では、

 明らかに非仏説、と言える。

 

 しかし、その五百年のあいだに、これまで見てきたように、

 ①聖地信仰。②ストゥーパ信仰、③在家や女性に対する差別思想

 ④人間主義を否定する絶対者の導入 ⑤釈尊の神格化

 ⑥修行の困難さの強調 ⑦出家中心主義など、

 ことごとく歴史上の人物である釈尊の説いていことと

 正反対のことが説かれるに至っていた。

 「法華経」を非仏説と批判した小乗仏教は、

 釈尊の時代から連綿と続く数団で、

 我こそは仏説、と自負しているかもしれないが、

 釈尊の教えを改竄 していたのだから、

 思想的には、小乗仏教のほりこそ”非仏説”である。

なるほど。。思想的には大乗仏教の方が

釈迦本来の教えに近いのでは、というのは目から鱗だな。