法華経とは何か その思想と背景/植木雅俊 24008
★★★★☆
こちらも
で安岡正篤先生お勧めだった法華経に挑戦。
タイトル通りではあるのだが
法華経の正しい翻訳・解釈は何か?
みたいなことが当初延々と続き、少々げんなりする。
正しいか?間違っているか?を知りたいのではないのだが。。。
そんな中、ここは面白いと思った。
これは、『法華経』が非仏説だという主張である。
江戸時代中期の大坂の町人、富永仲基が、
大乗仏教は釈尊が直接説いたものではないとする
「大乗非仏説論」を唱えたことはよく知られ ているが、
富永仲基に言われるまでもなく、『法華経』編纂者たちは、
『法華経』が非仏説だと非難されていたことを
堂々と書き残していたのだ。
『法華経』は釈尊の滅後五百年ほどしてから編纂された経である。
釈尊が直接、説いていないという意味では、
明らかに非仏説、と言える。
しかし、その五百年のあいだに、これまで見てきたように、
①聖地信仰。②ストゥーパ信仰、③在家や女性に対する差別思想
④人間主義を否定する絶対者の導入 ⑤釈尊の神格化
⑥修行の困難さの強調 ⑦出家中心主義など、
ことごとく歴史上の人物である釈尊の説いていことと
正反対のことが説かれるに至っていた。
「法華経」を非仏説と批判した小乗仏教は、
釈尊の時代から連綿と続く数団で、
我こそは仏説、と自負しているかもしれないが、
釈尊の教えを改竄 していたのだから、
思想的には、小乗仏教のほりこそ”非仏説”である。
なるほど。。思想的には大乗仏教の方が
釈迦本来の教えに近いのでは、というのは目から鱗だな。