評伝 小室直樹(下):現実はやがて私に追いつくであろう/村上篤直 23121 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

評伝 小室直樹(下):現実はやがて私に追いつくであろう/村上篤直 23121

 

★★★★★

「枕」になりそうなほど分厚い本だが

上巻も下巻も手に取ると一氣に読ませる。

本に溺れることが出来るゴールデンウイーク、至福の時。

 

下巻は何度も拝読した本のそれぞれの背景であるとか流れであるとか

の全体観が何となく感じられるのが良い。

無量とも思われる天才小室直樹の頭の中を整理するとこうなるのか。

 

高弟たちの「小室直樹論」が実に面白い。

 

 ある日、橋爪、白倉、志田が集まったとき、

 「小室直樹とは何者か」が話題になった。

  「最高のティーチャー」との結論で意見は一致した。
 教育者として、学問の本質をわかりやすく教えられる能力は

 抜群のものがある。

 では、学者、研究者としてはどうか。

 小室先生は、何か発見はしたのか。

 ティーチャー としては最低でも、

 大発見を一つでもすれば学者、研究者として名前は残る。

 たった一本 でも、学術論文として意義のあるものを書けば、

 学説史に名を残せる。
 では、小室先生はどうか......。 結論は出なかった。

 

そうなのだ。。この著者も「生」小室直樹先生には
触れられなかった様だが私も同様。
早稲田大学雄弁会に講演にいらっしゃったこともあるようなので
機会を求め抜いていればチャンスはあったはず。

やはり「この先生に会いたい」という

真っすぐな氣持ちには素直にならなければ。

 

評伝 小室直樹(上):学問と酒と猫を愛した過激な天才/村上篤直 22308