ばあちゃん | 犬神まの のイラスト保管庫(ただいま)

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センチメンタルたろです。

先日の話。車で20分ぐらいの所に母方の祖母の家があります。
うちの祖母の家庭とその姉妹(母の妹達)は、色々な事情があって、
話すと長くなるので割愛しますが、常にギスギスしているのが当たり前です。

祖母ももう86歳。元々目が悪く、今では片目は全盲です。
他にさまざまな疾患を抱えています。
月に数回の病院は、うちの母が連れて行っています。
(ちなみに婿はいます。。。とても問題児ですが)

以前はよく遊びに行ったのですが、猫を飼い始めてから喘息持ちの私は
母に連れ添って車から顔を出すぐらいで、全然家に上がっていません。
本当はじいちゃんの仏壇に手を合わせたいんだけど。。。


その婿との間に母の末の妹に一人娘がいます。結婚13年めでようやく出来た子供。
私のイトコに当たります。未熟児で生まれた為、手の平に乗るぐらい小さな子でした。
管だらけで、管を留めるのに弱い皮膚にガムテープで留められて。
それが、その婿の育て方の問題もありワガママ放題、思春期も加算して、態度の悪さは天下一品。

だけど、本当はね、悪い子じゃないんですよ。育てられた環境が悪かっただけで。

そのイトコは今月で短大に行くんですけど、親族軒並み言った言葉が

「うちはお祝いなんかしないからね。うちのときはしてもらってないから」

そんなはずがない。ばあちゃんはそういうところはしっかりしているし、
ましてや母の妹3の息子に至っては、東京の大学へ通う間、ばあちゃんの家へ居候している。

それなのによくもそううセリフがいえたものだと呆れた。

私も現在働けないために収入が無い。
だから、イトコに祝いなどは出来ないと思っていたのだけど、
せめてもと思って近くのドラッグストアでお菓子をいくつか買って手土産にした。
ばあちゃんにも、100円のお菓子をひとつ。はあちゃんには行く度に、お菓子を買って行ってるからね。

普段は顔も出さないイトコが恥ずかしそうに出てきて、お菓子を受け取ると

「お姉ちゃん、これ…私がもらっちゃっていいの?」
「どうして?頑張ったんだからいいんだよ。そのかわり、短大頑張るんだよ」
「ありがとう…。こんなにたくさんお菓子もらったことないから」

なんだか切なくて…。本当にたいしたお菓子じゃないのに。

その後、ばあちゃんが家から出てきて

「ありがとう、ありがとうアンタも辛いのに」と言う。

弱々しくて、やせ細った手で私の頬を触って

「あんたも痛いのにごめんね。ほんとにごめんね…代わってあげたいよ」
「いいんだよ、ばぁちゃん。約束したでしょ。私の孫の顔見せるまでばぁちゃん頑張るって」

ほんとは今飲んでる薬のせいで妊娠なんてなかなか出来ないけどさ。
その前に相手か(笑)

「また桜が咲いたら見に行こうね。体調整えておくから」
「あんたの家だけだよ。そうやってしてくれるのは…。ありがとう。ありがとう…」

そう言って、やっと見える方の目で、ばあちゃんは涙を流す。

本当はばあちゃんの手を引いて、花畑とか見たい。
沢山稼いで、ばあちゃんに100円じゃないお菓子を買ってあげたい。

ごめんね、ばあちゃん。
もうちょっと頑張るから。だから、米寿迎えるまで待っててね。