西武ライオンズタイムマシーン(第453回):40年前(1985年)のゴールデンウィーク② | はっきりいってライオンズびいきでした。~西武ライオンズの記憶~

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■40年前のゴールデンウィーク×西武ライオンズニュース②■

1985年(昭和60年)5月4日(土) 

高橋直樹35年ぶりの偉業、40歳での完投勝利投手】

 

○西武8-3阪急●

西武先発・高橋直樹投手は、4月19日の阪急戦で一死も取れずにKOされたあの夜から、この試合にかけてきた。

下半身をしめるために走り込み、フォームを固めるために投げ込んだ。

今日のデーゲームに備え、三日前から横浜の自宅を離れて西所沢の旅館に泊まり込んでもいた。

すべては「勝つため」の準備だった。

この間、緊張のため、神経性の下痢に苦しみ、薬で抑える日が続いていた。

 

今季二度の先発は連続KOで引退をにおわせながら広岡監督は早大の後輩に「若いころの投球を捨てよ。ゆるい球を織り込め」と指示した。

高橋の投球はシュート、スライダーなどストレート系主体。

ゆるい球を混ぜるのに不安があったが、この日の試合は3回までに7得点と味方打線の早い援護を受け余裕が出た。

4回からスローカーブを混ぜ始めた。

逆にストレートが生き、阪急打線は面白いようにフライを打ち上げた。

3年ぶりの完封は逃したが完投勝利で結果を出して見せた。

「自分にとって大事な試合だと常に意識していたんですよ。」試合後ようやく高橋の口元がゆるんだ。

 

そして40歳投手の完投勝利は35年ぶりの大偉業だ。

加えて高橋自身の目標だった、東映時代師事した土橋正幸を一つ抜く通算163勝目も。

だが、現役最年長投手にとって、それも通過点のひとつに過ぎない。

(西武球場:観衆2万9千人)

 

【写真】40歳の完投投手・高橋は、若い伊東、秋山らに握手を求められ心からの笑顔を見せた。

 

※昭和60年(1985年)5月5日(日)付 報知新聞より一部抜粋