【1990年8月24日(金):●西武0-1ロッテ○】
祝600試合登板 村田完封 みごと4安打 10奪三振レオいじめ 40歳9か月8勝
気迫が違う。村田兆治にはすごみがあった。
優勝へ秒読みを始めた西武に立ちはだかった。
実は前日23日ダイエー戦を中7日で村田が先発予定だった。
しかし、最下位ダイエー相手ではなく、首位を独走する西武相手の先発を金田監督に直訴してこの日マウンドへあがっていた。
「きのうのダイエー戦に投げられたけど、西武相手にいかなきゃウソだろう。この生き方は変えられないんだ」
登板前から胸の内で闘志を燃やしていた。
気迫の投球を象徴するシーンが6回裏のマウンドだった。
西武・石毛のワンバウンドの打球を右スネ、弁慶の泣き所に受けた。
心配してベンチを飛び出した監督、トレーナーを村田はすぐに追い返す気迫を見せた。
そして終わってみれば西武相手にみごと4安打、10奪三振の完封勝利。
圧倒的な強さでペナントレースを大独走続ける西武にとっては今季初の完封負け。
西武の連続試合得点も127でストップさせた。
村田自身23年目、40歳9か月の兼任コーチとして迎えた今季初完封勝利。
今季自己最多の10奪三振で白武と並ぶチーム最多タイ8勝目をあげた。
村田は史上27人目となる通算600試合登板を自らの完封勝利で祝った。
村田の試合後談
「600試合まできたのかという感慨、印象に残るマウンドだったと思う。長いことやっていれば、できる記録だよ」
【試合ハイライト】【試合ハイライト】
西武対ロッテ16回戦
両チームの先発は西武・石井丈、ロッテ・村田。
試合は両先発投手の見ごたえある投手戦となった。
8回終わって両チーム無得点のまま0-0。
西武・石井は8回まで6安打、村田は3安打に抑え込んでいた。
迎えた9回表ロッテは先頭のディアスが左翼中段へ先制の22号ソロホームラン。
結局この1点が決勝点となり1-0でロッテが勝利。
この試合が600試合登板の村田が西武を4安打散発の完封で8勝目。
村田は2度のピンチを迎えたが、いずれも清原を四球で歩かせデストラーデとの勝負を選択し功を奏した。
デストラーデからは3三振を奪った。
西武は石井丈が良く投げたが土壇場の一発に泣いた。
打線は今季初の完封負けだったが、オリックスが敗れ優勝マジックは21へ減った。
(西武球場:観衆3万1千人)