ヨーロッパ各国の政策変更と日本の現状 | 不動産鑑定士、長濱 宏昭の平凡なる日々

不動産鑑定士、長濱 宏昭の平凡なる日々

世界70カ国以上を放浪した元バックパッカー。今は宮崎県都城市で不動産鑑定業を営んでいます。旅行・登山・政治学・業界ネタなどを気ままに綴っています。

ヨーロッパ各国で、コロナウイルス対策を緩和し、行動制限の廃止などが次々と行われつつある。したがって、経済活動・社会活動も平時にもどりつつあるようだ。一方、この国はというと、相変わらず愚かなバカ騒ぎを続けているわけだが。

 そんな中、メディア、学者、一部の政治家なんかがこのヨーロッパの動向を取り上げて、「イギリスは政策転換した」「フランスは行動規制を見直した」だのと云って日本の政策を見直すなり、転換するなりすべき時期に来たのではないか等と言い出している。これについて違和感を持ったので、その違和感についてすこし考えることにした。

 まず、政治家の場合だが、彼等は世論が己の最適化に影響を及ぼすので、バカ騒ぎしているのが大衆勢力とみれば中々、政策転換を口に出すのは難しい。特にシルバー民主主義が信奉されるなかでは、バカ騒ぎに乗らないという事は、当人にとっては致命傷になりかねない。

 そんな中、勇気ある一部の政治家がバカ騒ぎにかかる政策転換の議論発したり、提言を行ったりしている。議論を活発化し、多様性を育むことは下品な多数決民主主義を寛容なものへ育むうえで重要である。この異様な雰囲気の中、異議をとなえる勇気ある政治家には敬意を表したい。

 なお、かかる政治家の支持者には、バカ騒ぎに懐疑的な者・否定的な者も少しずつ増えているのかもしれない。とすると、これは一つの希望ともとれる。

 

 次にメディアだが、特に報道にかかわる者は情報を収集し伝える側なので、事実を正確に伝えれば事足りる。偏向報道しないでくれれば、ある意味十分である。特段意見など求めていない。そもそも、このバカ騒ぎを当初から煽ってきたのはメディアであるしこれまでも、バカ騒ぎしている連中が喜びそうなネタを偏向して報道してきた。

 

 さて、最後に学者(この場合はコメンテイターって云うのかな?)なんだが、「よそがやり始めたから、よそがやっても大丈夫そうだから」みたいなことを平気で言っているのがいたというのを見聞きして驚いた。何某学者というのであれば、少なくとも何某学の道に精通しているわけだし、社会科学の分野であれば、分析手法なり評価手法なりの研究手法は習得しているはずである。少なくとも、「よそがやり始めたから、よそがやっても大丈夫そう」みたいな事にはなってはならないはずである。

 このような、データがあり、これをもとに分析・予測すると次の様な結果が予想されるから政策転換する必要があるのではと、メリット、デメリットを提示しながら持論として展開していくのが筋だろう。他国の先行事例を引き合いに出すだけで「こうしてみたら?こういう時期になりつつある?」というのでは、あまりに学問的誠実性に欠ける。そもそも、学者・研究者であるなら、ヨーロッパ各国がかかる政策転換をする以前に、日本の状況を分析・評価して発信・提言なりするのが本来的あり方だ。二番煎じは研究者としては屈辱なはず(以前私が開発した分析手法を発表半年前に、他の研究者によって学会誌に掲載されてしまい、辛酸をなめた経験がある)。

 もしかしたらそのような方もおられるのかもしれないが、残念ながら私の情報源においては寡聞にして聞き及んでいない。それとも、偏向報道、フィルタリング、パーソナライズによって情報が遮断されているという事もありえなくもない。なぜなら、2年間もバカ騒ぎが続くのは、フィルターバブルに侵された連中が気持ちよい世界を構成するように仕組まれているわけだから。