まだかまだかと思っていましたが、あと1週間を残すのみとなりました。
ふふふ、コレ、観にゆくのです。新作能「マクベス」!
ふふふ、コレ、観にゆくのです。新作能「マクベス」!


辰巳満次郎師のHPでも告知がありましたように、3年ぶりに奈良斑鳩町にて上演されます。
(以下、HPより、そっくり引用)しました。
(以下、HPより、そっくり引用)しました。
大阪の羽衣国際大学内の「日本文化研究所」の東西古典文化の融合をテーマとしたプロジェクト、ウィリアム・シェークスピア作の「マクベス」と「能楽」を融合させ、
いわゆる新作能にしたものです。
新作嫌いの私が作ったのですから、古典と比べても全く違和感のない、馴染みやすい仕上がりになっております。
満次郎が演出・節付け・主演して、過去3回公演いたしましたが、このたび聖徳太子でお馴染みの斑鳩町の「いかるがホール」で奈良遷都1300年記念及び、いにしへびとの地で意義ある公演をしたいと張り切っております。
今回は初めての劇場公演ですので、工夫したいと思っています。
是非、大和路快速でお越しくださいませ!
ワタシはその3回目の2007年12月のMOA美術館の能楽堂で上演された蝋燭能のマクベスを観に行きました。
で、これが衝撃的で、すごくすごく良かった(めっちゃ感動した)のです…。

というかこういう平たい言葉で現せないぐらいの感動で、拍手ができない&感動で胸が痛くなった、というお能鑑賞で初めての体験だったのです。
いうなれば、あの世で世阿弥とシュークスピアが一緒になって作り上げた(コラボしたっちゅう軽い言い方はしたくない~)のでとしか思えないぐらいの作品なのですよ~。
それで何かある度に「マクベス」は良かったと言い続け、あまりにしつこく言ってるもんだから、この間の発表会の後で辰巳満次郎師が「マクベスなら奈良で再演しますよ。

その時から、我々の「マクベスを観る奈良ツアー」実現プロジェクトが発足しました!
さて、鑑賞を楽しみにしている方の楽しみを奪ってはいけないのですが、前回の記憶を紐解いて少々ご紹介することにいたします。
この「マクベス」は前後二部の夢幻能形式で上演されます。前半が謎の城守、後半でがマクベスの幽霊という、全く古典と同じ形式、全く違和感なし!
その日の解説の満次郎師によれば「原作には登場人物が沢山でてくるのですが、お能だったら全部マクベスの回想にしてしまえば、一人でいいんですね~」ということでした。
もし違和感が唯一あるとすれば、人名・地名が英国のものであるということだけでしょうか。前場で出て来る僧(この時は宝生欣也師、僧兵のような、橋弁慶の弁慶のような頭巾で登場)が、「我はイングランドの僧にて候。我スコットランドを未だ見ず候ほどに。云々」だったかナ、こんな感じで詞を述べます。
すると橋掛から城守がすうっと登場して僧に声をかけます。今思い出しても、能舞台に濃い霧がかかっているような気配がしていました。そしてこの城守は「お宿をお貸し申そうずるらん」と自ら声をかけて僧を城に招き入れます。ここまでが前場。
そして間狂言登場。マクベス夫人(の幽霊)と異形の者(魔女)です。
この時のマクベス夫人は総ビーズで作成したという打ち掛け(脱いだらガシャっと音がしたぐらい重い。美しかったけどまるで鎖帷子でした。今回は普通とのこと)を被ぎ、あの有名なセリフ「この手に付いた血が落ちない…」と欄干や舞台正面からから身を乗り出すようにして手を洗い「マクベス殿はいずくぞ」とふらふらと去ってゆきます。 異形の者は「ヒ~ッヒッヒッ、またも惑わせてやった、美しは汚し、汚しは美し」とマクベス夫人の幽霊の様子を楽しむかのように見ているのです…。旅の僧はそれを物陰で目撃し、心の闇をついてを惑わされたマクベスの為に、読経?します。そしていよいよマクベスの登場!
マクベスは、ま、船弁慶の知盛のようないでたちで登場。だけどよくよく写真をみれば、ちゃんと王冠を戴いているのですね。前回は気づきませんでした。(ワタシの記憶によれば)マクベスはまず、前王を殺害したときの様子を語ります。この時の地謡が宝生のカングリ(を敢えて使って節付をされたそうです)が悲鳴のようで、そんなシーンは目の前にはどこにもないのに、まざまざと浮かんできます。そんな不名誉を負ったマクベス。
しかし、本当は勇敢な武将として、盟友バンコオと共に戦った誉れ高い栄光の日々があったと回想し、「いざござんなれ、マクベスの戦いの様(だったかナ~?)」とその様を、槍を用いた舞働キで表現します。
そしてそれが過ぎてしまえば、後は今度は自分が殺されることに怯え、最後の様を舞い語り、そのまま深い森に(揚幕の中に)消えてゆき、後に残された僧がただ一人、呆然としたまま(確か留拍子もなしで合掌だったか)舞台は終わります…。
そのときのワタシも夢から覚めて呆然としたまま、胸が痛いまま、土砂降りの雨の中、熱海から東海道線で帰ってきたのです。電車の中ではその感動を伝えんと、メール打ちっぱなしだったけど…。
さあ、これをもう一度、観にゆくのです。(ついでに法隆寺にいく
みたいなもんなんですよ…)

まだ、チケットはあると思います。
なので、

ぜひ、ぜひ、奈良までお運びください。チケット代以上の感動が待っています。ワタシが保障します!
いかるがホールでお会いしましょうね~♪