企画公演 ろうそく能 「鉄輪」 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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平成二十一年八月二十八日(金) 於:宝生能楽堂

 

第2回目の企画公演「ろうそく能」が宝生能楽堂で開催されました。
去年までだったらここは夜能のポジション。開演は18時半でしたが…、チョット待って、野村萬斎が出るんじゃん、早く行かなくちゃ正面席はとれない…。しかし、開場の17時半にはゼッタイに間に合わない…。
ということで今回も友人に席を取ってもらったんだけれど、どうも萬齋ファンの方々が正面席をたくさんキープしたらしく、正面席取れず、結果としてワキ正面の一の松近くに陣取ったのでした。しかし萬斎効果はスゴイ…。

 

 

 

 狂言 「茶壷(チャツボ)」

     野村萬斎 高野和憲 深田博治

 

 

 

 

 能 「鉄輪(カナワ)」 

 シテ  大坪喜美雄 
 ワキ  森常好 舘田善博
 アイ  石田幸雄
 
 笛    一噌隆之
 小鼓  曽和正博
 大鼓  佃良勝
 太鼓  観世元伯

 

 

 

 後見  近藤乾之助 小林与志郎 山内祟生 渡邊茂人 
 地謡  高橋章 宝生和英 亀井保雄 小倉敏克 
      金井雄資 東川光夫 高橋亘 小倉健太郎 

 

 

一の松近く、というのは結構グッドでした。シテなんかここらへんで止まって謡うしよく見えます。

本日の「茶壷」は見たことがあったけど、いろいろ観察できるワキ正面からみていると、アドの田舎者の肩衣の模様は遠山の景色になってます。はるばる田舎から山また山を越えてやってきたんだろうな、という感じ。萬斎サンはそれをだまそうとするすっぱの役ですが、あれ、何も被ってません。すっぱって普通なんか頭に被ってるもんじゃないの?
ま、ここらへんはよくわかんないんで、飛ばして、と。
それにしても萬斎サンのオーラはすごいです。なんかもう、見所の空気を自由自在に変えてる感じ。まさにカリスマって感じ。何度拝見してもやっぱり脱帽です。味わいって感じではないんだけれど。

さて、狂言が終わると、見所の照明が落とされ、能舞台を囲むようにして立てられていた燭台に書生さんがしずしずと火を灯し、それからお調べが始まりました。
能舞台や橋掛リの照明は落ちてはいますが、消すことはありません。真っ暗になっちゃったら見えないですもんね。
さすがにこういう雰囲気では見所でガサガサ飴を探したりペチャペチャおしゃべりする人もなく、舞台に集中できます。

そして当然ながら揚幕の向こうも照明は落とされているので、シテが登場するときは本当に暗闇(異空間)からふっと出てくるよう…。

ワタシの個人的な感想としては、今日のシテは前半がよかったと思いました。好きなシテの方なんですが、非常に上品な感じで「鉄輪」の市井の女の恨みというナマナマさはあまり感じませんでした。
面もたぶん「生成」で、角がでかかった状態なのがより激しい恨みというよりは、むしろねっとりした執心の方を強く感じました。

いろいろ制約(本火を使う時は必ず消防署に届けなくちゃならないし)はあるとは思いますが、ろうそく能って雰囲気がステキ! また拝見したいものです。