いろいろ忙しかったせいもあり、感想を書きそびれている今日この頃…。
やっと書いてみようか、という気になったので、記憶をたどりたどり、アップします。
やっと書いてみようか、という気になったので、記憶をたどりたどり、アップします。
「通小町」は初見でした。しかも「杖之型」という小書き付き。
あらすじは、百夜まであと一夜までとなりながら、頓挫した深草少将の執心が小野小町を苦しめる、という逆ギレのストーカーの物語。
このお能の中ではハッキリと「もとよりわらわは知らぬこと」と言います。それがホントならいい迷惑。タカビ~な女、という印象の小町がちょっと可哀相ではありませんか。印象がずいぶんちがってきます。
あらすじは、百夜まであと一夜までとなりながら、頓挫した深草少将の執心が小野小町を苦しめる、という逆ギレのストーカーの物語。
このお能の中ではハッキリと「もとよりわらわは知らぬこと」と言います。それがホントならいい迷惑。タカビ~な女、という印象の小町がちょっと可哀相ではありませんか。印象がずいぶんちがってきます。
この能は、前ツレと後ツレが全く同じ姿で登場します。なので、中入りで退場せずに舞台の後見座でクツログ形でシテの登場を待ちます。
シテは被衣をかぶって、なんと身体を二つ折りにするぐらいまで上体を倒して出てきます。
この状態で一の松のところで謡うんです!これは苦しい…。
しかしこれが、深草少将の苦しみを一層表現しているように思えて、効果的です。
その後、被衣を脱ぎ捨ててから舞台に入りますが、装束は白練に指貫袴のほとんど下着姿です。この小書きだとそういう装束らしいんですが…。
シテは被衣をかぶって、なんと身体を二つ折りにするぐらいまで上体を倒して出てきます。
この状態で一の松のところで謡うんです!これは苦しい…。
しかしこれが、深草少将の苦しみを一層表現しているように思えて、効果的です。
その後、被衣を脱ぎ捨ててから舞台に入りますが、装束は白練に指貫袴のほとんど下着姿です。この小書きだとそういう装束らしいんですが…。
ということで、どうもこの「通小町」には感情移入できぬまま終わってしまいました。
こういうのこそ、ちょっとお勉強しないと楽しめないのかもしれません。
こういうのこそ、ちょっとお勉強しないと楽しめないのかもしれません。
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「楊貴妃」は、以前はただただ眠いだけだったのですが、自分でも序ノ舞を経験(苦しいんだけど恍惚感がある)してから、なんとなくこういうものの楽しみ方が少しだけ分ったような気がしており、好きなシテだし、ワキも良く、非常に堪能できました。今回は小書きがないので、あの作り物にすだれのように鬘帯を垂らしていないので、ちょっとジミな感は否めませんでしたが、本当に夢のようなお話で、囃子も地謡もすべて調和して、長さを感じさせない一番でした。
装束も美しかったのに、もうすっかり忘れています…。
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今回、実は一番楽しみにしていたのがこの「融」です。以前は、この「融」のよさがサッパリ分らなかったのですが、今年の6月に観た、能楽現在形の「融」でイメージがかなり具体的に理解できたのこともあり、さらにシテが6月と同じ方なので、期待満々でした。
実際、素晴らしかったです。小書きは6月は「遊曲」で、今回は「酌之舞」と異なりますが、池の水を酌む所とか、シテの姿が良いのが、より「融」のイメージに近く、「容姿も芸のうち」と地唄舞の師匠がおっしゃるのも、むべなるかな、でゴザイマス。
能楽現在形では、シテに黒垂(ストレートの黒髪の鬘)を付けさせていましたが、宝生では用いないとのこと、その時に宗家はかなり難色を示したそうですが、野村萬斎に押し切られちゃったそうです。
なので、舞台の「融」サマは鬘なしです。
見た目は、あった方が「月の貴公子」って感じがより強く感じられるんですけれど、この日のシテは、芸の力でそれを感じさせるだけのものがあると思った、舞台でした。
なので、舞台の「融」サマは鬘なしです。
見た目は、あった方が「月の貴公子」って感じがより強く感じられるんですけれど、この日のシテは、芸の力でそれを感じさせるだけのものがあると思った、舞台でした。
「融」は早舞なので笛の音は高い音なんですが、これがまた気持ちが良いんですよね~。
そして、笛は一噌隆之師でしたが、この方の笛は最近とみにすばらしく、音に艶があってこの日の「融」にピッタリでした。あ~、また観たいなぁ。
そして、笛は一噌隆之師でしたが、この方の笛は最近とみにすばらしく、音に艶があってこの日の「融」にピッタリでした。あ~、また観たいなぁ。
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別会能は、いつもお能の合間に仕舞、なんですが、今回二人立ちの「小袖曽我」があって、3人ずつ、2番と3番が舞われました。今回は特に仕舞がお目当てでもあったのですが…、
【小袖曽我】 最初に辰巳満次郎師、続いて金森秀祥師が登場されて着座しました。 ワタシはてっきり、見所から見て上手が格上?と思っていたので、???と思いました。 なんでも坐って右手側に格上?の方が位置するらしいんですが、でもお能の小袖曽我の 場合は上手側が十郎(シテ)だし…。なんだかアタマが混乱…。 しかし、迫力があって素晴らしい連舞でした。でも辰巳満次郎師と一緒だと、どれほど の上手が相手でもなんだか存在感が薄れてしまう、と思うのはワタシだけ? それほど傑出した存在です。辰巳満次郎師は♪♪♪♪♪ 【花筐】 近藤乾之助師が、なんの気負いもてらいもなく、恋に狂った女をすっと舞ってしまわれ ました。 たったそれだけのことだったのに、なんだか、メチャクチャ感動しました。 【笠之段】 「笠之段」は自分もかなり考えながら舞った曲なので、プロはこういう風に見せるのか、 とか逆に、えっここってこうなるの?とか、興味深々で拝見しました。 そういえば最近この方のシテを拝見していません。 【鵜之段】 「鵜之段」も謡をお稽古したばかりなので、これは仕舞よりも謡の方に興味深々で拝見。 この方は体格が良いのもあるけれど、こういう迫力のあるものがすごくイイと思います。 【網之段】 三川泉師も淡々と舞われますが、今回、仕舞の「網之段」だけで泣けるなんて、自分で もちょっとびっくりしました。 最初にちょっと足元がぐらついたけれど、それでかえって地謡全員を引き締め、桜の花 散る中で舞う姿が見えるような、すばらしい仕舞になったと思いました。
はてさて、記憶とは曖昧なもの。これから、こういう風に間が空くことも考えて、メモとかを残しておかないと、かなりの部分を忘れております。