六月 宝生夜能 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

「養老」

 シテ 東川光夫
 ツレ 内藤飛能
 ワキ 宝生欣哉 梅村昌功 御厨誠吾
 アイ 吉住講

 笛  小野寺竜一
 小鼓 森貴史
 大鼓 佃良太郎
 太鼓 観世元伯

 後見 前田晴啓 小倉健太郎

 地謡 小倉敏克 水上輝和 渡邊荀之助 野月聡
    小倉伸二郎 辰巳孝弥 辰巳大二郎 金野泰大


「舟ふな」 野村万蔵 高部恭史


「雲雀山」

 シテ 金森秀祥
 子方 山内晶生
 ワキ 宝生閑 殿田謙吉 則久英志 大日方寛
 アイ 野村扇丞 山下浩一郎 吉住講 高部恭史

 笛  槻宅聡
 小鼓 住駒匡彦
 大鼓 安福光雄

 後見 高橋章 辰巳満次郎 山内崇生

 地謡 亀井保雄 小林与志郎 大坪喜美雄 今井泰行
    渡邊茂人 高橋憲正 澤田宏司 亀井雄二



 夜能に行ってきました。
 来年から無くなるんだとか。もっと存続させる努力は出来なかったんかい、とツッコミたい私です。

 今日は養老と雲雀山(狂言に関してはノーコメント)の二番。何となく不思議な感じの組み合わせ。(あくまでワタシの感じ、ですよ)


 養老ってそういえば最初から観るのは初めてです。いつも最初の番組なので、結構遅刻したりして前半を逃してる。だから今日は期待満々だったんだけど…。
 何となく肩透かしな印象でした。何が悪いって訳ではないのに、なんだか全部が微妙に噛みあってない感じ…。
 ツレは六月の五雲会で初シテだった彼!あの時は緊張して声があまり出ないのかと思ったんだけど、あまり声量のないタイプかも。でも声は年齢と共に太くなるし、清潔感があって今回の養老のツレはピッタリ~。
 今回のシテでワタシが拝見したことのある演目は、錦戸、鉄輪、翁ぐらいしかありませんが、養老はあまりハマリ役ではないな~、と思いました。良かったと思ったのはキリの仕舞部分。養老にしてはかなり重厚でしたが、納得でした。

 一方ハマリ役で全部が生きたのが次の雲雀山!初めて拝見した演目だけど、面白かったです。
 構成としては芦刈に似ていて、中将姫(子方)⇔草下左衛門(芦刈のシテ)、侍従(今回のシテ)⇔左衛門の妻(芦刈のツレ)、鷹狩と称して姫を捜しに来た⇔故郷に夫を捜しに来た、という構図です。勿論内容は違いますが、ワタシはそう感じました。

 中将姫は子方です。最初から最後までずっと舞台の藁屋の中で下ニ居…(:_;)。何とかじっとしていられる位置を見つけようと動いちゃう(作り物の中なので気になりませんでした)のがイジらしくて…(:_;)。でも最後まで下ニ居の姿勢は守ってました。根性ありますぞ、なかなか。
(桜川の子方はもっと大きい子だったけど下ニ居を止めて普通に正座に変更してキョロキョロしてた)

 シテの装束は深緑色?基調のかなり地味な唐織、だからかえって上品さが強調されている感じ。その上品さは着付けの良さもあるけれどシテの姿が良いことから来てるよう、雰囲気が不遇な姫を命懸けで守る乳母に見事にハマってます。
 所作もきれいで舞も謡も素晴らしかったですが、上ゲ扇を他の方よりかなりたっぷりなさるんですね。ただその時にいつも扇が垂直によりもやや右に傾いてたのが気になりました。
(スミマセン。扇の角度は微妙な傾きもNG!とやかましく躾られて育ってきたので、気になっちゃっうんです。)

間狂言は、鷹匠1名、犬使い?1名、勢子2名で、賑やかに鷹狩をして、とても楽しめました。

 勝手な中将姫の父がワキなんだけど、宝生閑師が語るとなんだか泣けるんです。本当に改心したのか、と頑張るシテ。姫をお守りする乳母にこれまた泣けました。
 最後は和解して、藁屋から姫を出して親子の対面。するとね~、この姫がお父様ににっこり(カワイイ!)するんです~。恐るべし!

 ということで、この一番は、囃子も笛も地謡も全部がバランス良く、とても素晴らしい一番でした。とっても満足!