まり子でございまする~
三連休は「東京満会10」にフォーカスし続けた結果、
ちょっと抜け殻状態ですぅ~。
辰巳満次郎様インタビュー、聴いてくださった方々には好評のようで、
つくづく、辰巳満次郎様はお話が上手だなぁ~、と思います。
早めのアップがいいのか、間際の方がいいのか、悩ましいトコロです。
ま、準備は早めがよろしい…、のですけどね…
さて、簡単に感想をご報告しなくっちゃ、ということで、まずは初日について。
初日は「安宅 延年之舞」day。
満員御礼状態です。
辰巳満次郎様のご挨拶から始まり、
尺八(+箏)の『虚空』によれる構成曲
→能楽堂に響く尺八と箏の音ってこんなにも良いものかと…。
狂言「伊文字」、一調「橋弁慶」、一調「起請文」、仕舞「鶴亀 クセ」
と贅沢なラインアップに酔いしれます。ここで休憩をはさんで次は、
能物語「安宅」
→去年に引き続き榎木孝明氏の朗読と須田隆久氏による薩摩琵琶の伴奏。
榎木氏の装束が、今年は本装束にバージョンアップ
薩摩琵琶の伴奏でイッキに時空を超えて、弁慶の生きていた時代にワープですっ
朗読が終わると同時に照明が落ちて、お調べが始まります。
この流れがすっごく心地良く、お能の世界へ自然に誘ってくれます。
特別な会だからこその番組と演出なんだけれど、理解が深まるっちゅうか…
さて「安宅」という演目は、歌舞伎にも取り上げられているように、
飛ぶ鳥落とす勢いだった義経が、今度は兄頼朝から追われる身となって
奥州めざし堕ちてゆく…、という粗筋はかなりの人が知っているものであります。
そして、薩摩琵琶でワープした当時のリアルタイムを描いたものなので、
全員能面を着けず、現代物と呼ばれております。
義経は子方が担当しますが、この子(片桐賢クン)が中学生ぐらいなのかな?
声変わりし始めなトコロと、一所懸命お稽古してきた感じが、
立派な中学生能楽師で、初々しい義経らしさがイッパイ!
ちょうど、歌舞伎で襲名したての市川染五郎クンを彷彿とさせます。
辰巳満次郎様はナントまあ、弁慶の山伏姿がメチャクチャ似合います。
ちょっとドロ臭い感の人情味タップリで、忠義心の権化みたいな弁慶です。
義経を守るためならなんだってやれる男、マンジロウ弁慶…萌え~
富樫にツッコまれてアドリブで勧進帳を読むド迫力…萌え~
ひゃ~っ、カッコええ~
そして義経が強力に化けてるとバレかけた時にとっさの判断で、
「テメェがモタモタしてっからッ」←チョ~意訳、茨城弁でどうぞ。
と義経をさんざんに容赦なく打擲(実際は、ぱんぱん、ぱん!と笠を打つ)し、
難をナンとか逃れようとするマンジロウ弁慶…
もはやこれまで、と全員が詰めよるのを必死で抑えるマンジロウ弁慶…
なんか、詰め寄る8名の山伏達がわざと全力で押しているように見えまする…
ひゃ~っ、カッコええ~
なんとか安宅の関を通り抜け、一息ついたところで、
ひれ伏して義経に許しを乞うと「いやあれは人智ではなく八幡大菩薩のお導き」と
義経に労われて涙するマンジロウ弁慶…
その後、すべてを悟っている富樫が酒を持って現れ、酒宴での延年之舞…
超スローで始まり、超ハイスピードで舞い納め、キリの仕舞に突入!
急ぎ奥州を目指しで落ちてゆくんだから、あのスピードが必要なんだなぁ、
あの「安宅」の仕舞はああいう風にスピーディに舞うもんなんだなぁ、と
まり子、目からまた数枚のウロコが落ちました。
このキリの仕舞の間に、弁慶以外の同行ドウギョウ山伏達と、
後見座で控えていた義経クンは、摺り足ダッシュで退場します。
このとき、前半の四人の山伏が通り過ぎたらすくに義経、
その後すぐに後半の四人の山伏が続くんだけど、
この間の取り方が何度見ても、大縄跳びを駆け抜けてゆくように見えるんだな~
それだけ、緊迫感があるっちゅうことですね。
いや~、それにしてもこの「安宅」のシテの弁慶は、運動量がハンパないっす。
ええもん、魅せてもらいました。
ところで、特別に、特別に、
辰巳満次郎様から「安宅」の舞台写真をお借りいたしました。
見て見て~!(撮影は新宮夕海さん、写真転載禁!)
ひゃ~っ、チョ~カッコええ~
くそ~見逃したぁ~と思った人が多いんじゃありませんかねぇ。
まだまだ書き足りないところはございまするけれど、キリがないので、
ここいらで、簡単な感想とご報告(1)を終わりにいたしとうございます。
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