少雨決行!なんだけど、ちょっと心配な東京大薪能…。で「是界」の見ドコロなど少々…(^-^;) | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

まり子です。
なんか妙に涼しいな~、と思っていたら十月下旬の気温だとか!
東京大薪能は少雨決行なんですが、なんだか微妙ですね~叫び
雨ガッパとかは必須でありましょうか…ガーン


さて今回、辰巳満次郎様ドキドキがシテをなさる「是界」ですが、
まり子は過去2回(か3回?)宝生能楽堂で、観ておりまする。
直近の、七宝会公演での辰巳満次郎様の「是界 白頭」は、
残念ながら見逃しましたが…ガーン

「是界」と言えば何度も書いているように、チャイナ天狗のトップ是界坊が、
日本(の仏法)をも堕落させて自分の支配下に組み入れんとやってきたのだが、
逆にコテンパンにやられて逃げ帰る…、というのが粗筋でございます。

しかし今まで観た「是界」は、どれもツレの日本天狗の太郎坊の方が立派で、
そんなんじゃ(日本征服なんて)無理だよ…、という悲しい?「是界」でした。

しかぁし、今回の「是界」は違いますよっ!

征服に来ただけのことはある、サスガの是界坊@マンジロウなのであります!

通常一番先に登場するワキは、「是界」では後半にならなくちゃ出てきません。
代わりに?シテがいきなり、ご登場なさるんでゴザイマス。
そして、サクっと自己紹介と来日の目的を述べ(謡い)ます。
辰巳満次郎様は口跡が良いので、ハッキリと聞き取れるはずですよチョキ

さて、来日した是界坊は、ガイドを依頼しに、愛宕山の太郎坊に会いにゆきます。
え~っ、愛宕山の太郎坊ってさ、鞍馬天狗の呼びかけに応じて出てくるじゃない?
キミはチャイナ天狗の言いなりになってしまうのかぁ~っっっ叫び

二人の天狗は舞台にどっかと座り、日中天狗会談を行うのであります。
(太郎坊のおウチの中って設定なんです…、お能って便利です~。)

さて二人の会話はこんな感じでした。(再び超歪訳)

是界坊「ちょっとでも慢心してる奴(僧)は、もうオレ様のもんアルよ~!」
   「大チャイナは全部、オレ様が魔道に堕としてやったアルよ~!」
   「日本は神サマの国らしいアルから、太郎坊、手伝ってくれアル!」

太郎坊「おお~、それは素晴しいコトデスね!」
   「それだったら、最短コースで比叡山延暦寺からどうデスか?」
   「かなり難しいカモしれないけど、アナタなら…」


なんだけれど、その後に続く会話(地謡)では意外にも二人は弱気なのです。
(地謡なんでどっちがどっちの発言かわかんないので、仮に是界坊の発言としておきます!)

 ・天台宗の仏法ってさ、けっこうスゴくね?
 ・ちょっと無理じゃね? 蟷螂とうろうが斧、猿猴えんこうが月っていうじゃん?
 ・不動明王ってコワイし~、で中身は慈悲なんだからヤバくね?
 ・天狗に生まれちゃったからさ、仏法の敵ってオレら?
 ・結局やられちゃうかも、って悲しくね?


そう、神仏には歯が立たない天狗さんは、ターゲットを人間、それも、
神仏の教えを民衆に伝え、あまねく救おうとする人間(僧)を
魔道に引き入れて、腐らせてしまおうという考えなのでした。
だって、神仏は人間の篤く敬い信じる心が無ければ、機能?できないのですから!

う~ん、姑息だが有効な手段でアリマス!

そして太郎坊が案内し、是界坊が比叡山を目指して退場、ここで前半終了です。
ここで間狂言(飯室の僧正に使える能力)が登場!
実はこの能力、大事なお手紙を届ける途中でしたが、その道中、
天狗二人の密談を偶然聞いてしまったのです!叫び
大事なお手紙とは、後半登場するワキの、比叡山の高僧に届けるもの!
是界坊の野望を阻止するんだ~!
そして「是界」は後半に続きます…。では…。(メ・ん・)?

いやいやもうちょっと続けましょう!

後半にやっとワキ=比叡山の高僧が登場します。
高僧なんで、車(に見立てた作り物)に乗ってます。
勅命により、お山を降りて、都に向かうところです。
実は是界坊は比叡山に挑む前に、都でさんざん悪さを働いていたのでした。
おっ、下山途中に、是界坊登場です!

そもそも是はぁ~~~
たぁ~いィとおォ(大唐)の天狗の首領ォ~~~
ぜぇがぁい坊とォは、我が事なぁぁあぁりぃ~~~。


デぇタぁ~っ叫びアップメラメラニコニコクラッカー

今回は小書ナシですから、アタマは赤頭!
装束も(多分)赤・黒・金をベースにした、ド派手天狗…、と予想されます!
やっぱりおシテ様は立派な体躯の方が、舞台映えしますね~!
是界坊、この比叡山の高僧を恫喝にかかります。

強いものにはへつらい、弱いものには居丈高…

そう、それが天狗…。(注:鞍馬天狗だけは違います)

愚かやな、是界坊。目の前の高僧を弱いものとナメてかかったばっかりに、
高僧がひとたび読経するやいなや、

不動明王、デタ~、いやお出ましダ~!叫び

ハイ!
霊感のある方は、ありがたく大聖不動明王のお姿をご覧下さい!
まり子のように、霊感ゼロの皆さんは、想像力たくましくしてご覧下さい!

不動明王の他にも、仏法を守る様々の神々!
東西南北には都を守る神々!


もう、是界坊タマリマセン!
天狗の翼なんて役に立たず、力尽きて、高僧の前にひれ伏すのでした。

もう日本には来ません、ゴメンナサイ~っ

と言って是界坊は、お国にしっぽを巻いて?帰ったのでした。

ニッポンが、守られた~
\(^o^)/


というのが「是界」なんでゴザイマスよ~!
こんなお能もあるんです。
お能って、ホントぉ~に、面白いですねっアップ

ちなみに、蟷螂とうろうが斧、猿猴えんこうが月とは…、
蟷螂(カマキリ)が前肢を持ち上げて大きな車の進行を止めようとする…、
つまり、弱小のものが自分の力量もわきまえず強敵に立ち向かうことであり、
猿猴(サル)が井戸に映った月を取ろうとして水におぼれたという故事から、
身分不相応な大望を抱いて破滅することのたとえ、なのであります。

是界坊、わかってたんじゃん…(^^;

蛇足ではありますが、このお話の出典?は今昔物語にあるそうで、
揚幕に逃げ帰った是界坊は、「まあ、よく頑張ったよ」と
太郎坊他、日本の天狗に(温泉などの)オ・モ・テ・ナ・シ、を受けて、
帰国したそうなんでゴザイマス!

それでは、多少濡れることを覚悟して、
いざ、新宿は都庁前広場にお出掛けいたしましょう!


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