「辰巳は宝生の西の要」
という言葉があります。
辰巳孝先生は、西日本を精力的に飛び回り、
会やお稽古、いつも、熱心に御指導されていました。
本当に、宝生流の西日本の要でいらしゃいました。

その、西日本の重要地点の大阪で、昨日、
「満次郎の会」第一回大阪公演が開催されました。
私、大阪能楽会館が、満席になったのを初めて見ました!
素晴らしい会でした!
生まれて初めて能を見たような、新鮮で、不思議な感動のひと時でした。
とても、とても楽しい数時間でした。
何から何まで、全てに満次郎先生のお心遣いが行き届いた会でした。
中でも創作能舞『水辺の組曲』、鳥肌物でした。
こんなすごいパフォーマンス見たこと無い!
また、桂吉坊さんによる落語風朗読の「隅田川」がとてもわかりやすく、
上方言葉の優しい語り口が心地良く、心にスコーンと入った所で、
能「隅田川」が始まりました。
この段取りが大成功!
エクセレント!!!
そして満次郎先生の狂女が…、
めちゃめちゃ儚い哀しい母親でした。
あのデッカい!満次郎先生が、
私には、華奢な透明感の有る女の人に見えました。
本当に泣きそうになりながら引き込まれてしまいました。
また、梅若丸役の子方の和久凛太郎君がまたまた、すごい!可愛い!賢い!
今秋発売予定の満次郎先生監修の本「わかるお能」のチラシに、
(現在先行予約受付中、今ならサインとプレゼント付き!詳細は別途ご紹介します。)
「隅田川」の子方は塚の中で一時間以上じっとしていなければならない、
我慢を覚える曲、なのだという解説が載っていましたが、
凜太郎君は、もうプロなのですね、我慢など微塵も感じさせません!
何もかもが、本当に何もかもが、最上級の上質さに溢れていました…。
数年前、ある会の後席で満次郎先生に
辰巳は宝生の西の要、って言うのに
なんで、満次郎先生は
東京に居るんですか!?
と、とんでもない事

その時の満次郎先生は、駄々っ子を見守る優しいお父さんのようでした。
(正直に白状しますが、私の方が3つ年上なんですよ!)
今思うと、辰巳孝先生の面影と、なぜかピッタリと重なるのです。
そして、昨日、思いもかけず、そのお答えをいただきました。
たとえ住民票は東京でも、やっぱり辰巳は宝生の西の、ゆるぎない要でした!
あの時の非礼、どうか、どうか、お許しください。
私は灰になる迄、いえ灰になっても、能の、宝生の、ファンです。

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