大阪「満会」まであと8日! 本日五雲会。そして、書いているようで書いていない「石橋」のお話 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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天気晴朗なれど風強し~晴れ
本日、五雲会ですね。まり子、行かれないわ~しょぼん


本日、前厄…、いや一人前の能楽師への第一関門の「石橋」がございますね。
でも、厄=役、でもあるそうで、
節目だから大事に扱いましょうってことだから、
あながち、外れてもいないような気がします。

ところで「石橋」って、アタリマエすぎて?粗筋とか、何も書いておりません。
う~ん、盲点だったわ…。
そんな訳でこの記事では「石橋」を取り上げまする。

石橋…

「シャッキョウ」と読みますが、文字どおり「イシバシ」でございます。

仏教がらみで中国のお話だから、音読みするのかな…?
五月度の月並&五雲会パンフに挟まれていた、出演者&解説によれば、

寂昭法師は唐に渡り清涼山に至り、文殊に浄土へ懸かる石橋のもとに着きます。通りかかった樵童は寂昭が渡ろうとするのを止め、橋の謂われを語り、奇瑞を待てと言って去ると、獅子が現れ、豪快に獅子舞を舞います。

ま、その通りなんですけど~。

この寂昭法師ですが、平安時代中期の実在の人物で、俗名は大江定基おおえ の さだもと
寂照・三河入道・三河聖・円通大師とも称され、実際に入唐(当時は「宋」)し、
ついに戻らなかったお人なのだそうです。
いろいろネット検索してみると、けっこうスゴいエピソード(今昔物語)が…。
それを今風にアレンジすると…


大江定基は、心優しく仕事もできる極めて優秀なビジネスマンで、その業績を認められて、三河支店の支店長に栄転が決まっていた。
一方で、高校時代からの交際を実らせて結ばれた妻とは既に冷え切っており、たまたま取引先接待の時にコンパニオンとして来ていたA子と…叫び 若く美しく優しく花のように笑うA子…、大江定基は本気でA子を愛してしまった。
その事実を知った妻は激怒したが、プライドが許さなかったのか、高額な慰謝料を支払う条件で、離婚話にすんなり応じてくれた。
幸い会社からのお咎めもなく、晴れてA子を連れ、三河支店に赴任。幸せな生活が待っていたはずだが…。
A子が病に倒れたのだ。医者も原因がわからないという。
大江定基は、激務の合間を縫って、必死でA子を看病した。
日に日にやつれてゆくA子。あの花のような笑顔も変わり果てて、ある朝気付くとA子は冷たくなっていた。

大江定基は慟哭した。これが愛別離苦というものか!
この苦しみを味わう為にオレはA子と出会ったのか…。


大江定基は、冷たいA子の隣りに横たわり、抱きしめ続けた…叫び
髪を撫で、手を握りしめ、何度も口づけした…、翌日も、その翌日も…叫び叫び A子よ戻ってきておくれ…、お願いだ…。
しかし、自分の腕の中でA子が死臭を放ち始めているドクロのに気付いた時、大江定基は、わが行為を恥じ、そして嫌悪した。
A子を埋葬し、会社も辞め、京に戻った。そして、出家した。

ある日、京の街中でホームレス同様の姿で托鉢をしていると、ある大きな家に呼ばれた。その家の主がご馳走してくれるのだという。
案内された立派なダイニングルームには、何と元妻がいた!
 「乞食ですわね!いつかきっとこうなると思ってましたわ!」
と言って、勝ち誇ったように元妻は食事を勧めた。
今は出家して寂昭となった大江定基は元妻をじっと見つめた後、頭を垂れ、
 「ありがたき慈悲心…。この徳を御仏はご覧じあるらん。」
と言って、ご馳走を十分に食べて帰っていった。


ぎえ~、かなり脚色してソフトに書きましたが…、恐るべし今昔物語。
これさ、何だか似たようなシチュエーションの小説があったような…。

という過去を持った寂昭法師でしたが、修行し学問を修め、
1003年に宋へ渡ったとのこと。
その後、宋の皇帝から紫衣と円通大師の号をおくられたとか。
また実際に中国各地を回って、五台山(清涼山)で施浴を行った所、
ひどく汚れた女が子を抱き犬を一匹つれて、施浴を乞うたといいます。
(これ「光明皇后の施浴」伝説とそっくりですね)
それは実は、文殊菩薩が姿を変えて、寂昭の前に現れたのだと…。

文殊菩薩

どうやら、このエピソードが「石橋」の元ネタのようでございます。

ここで観世流なんですけど、YouTubeに普及用?画像がございましたので、
ちょっとご紹介いたしましょう。


連獅子でしたね。
ちなみに記事にし損ないましたが、1月には、企画公演の「時の花」にて
小倉ファミリーによる「石橋 連獅子」がゴザイマシタ。

ところで宝生流の「石橋」は、前半の樵童は、前シテでなくツレでございます。
それで、間狂言はございません。
辰巳満次郎様ドキドキが解説なさってたのを聞いたのだったか…、まり子はそれを、
シテを獅子舞のみに集中させ、間狂言を省くことでテンポアップを図った、
というか、不思議な樵童が消えると同時に獅子が現れる、という展開が、
より一層、ワキの寂昭法師と見所が一体感を持って奇瑞を見守る演出になる
という意図で変えたんだろう、と考えております。

そして能の「石橋」が歌舞伎でバリエーションを展開しているのは、
皆さまご存知の通り。
これも「連獅子」でYouTubeに画像がございました。


さて本日の五雲会、辰巳満次郎様ドキドキは「石橋」の後見で御出演でございます。

シテは、佐野玄宜さん。
見所から拝見してても、性格穏やか~って印象を受けるおシテ様ですが、
大人の第一関門を、若さ溢れるエネルギーでぶち破っておられることでしょう。

ではでは、話がヘンな風に転がりましたが、(o・・o)/~


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