では新作能「オセロ」のレポの続き、参ります。

泉紀子先生のお話によれば、開演前には、堺の奥野清明堂謹製の、デズデモーナをイメージした特別誂えの香を燻いていたんだとか…

気付きませんでしたよ…。
っていうか、実は会場に入った時に、誰かメチャクチャきつい香水をつけてる人がいる

アレがまさか、デズデモーナの香りだったんでしょうかねぇ?(確認する術なし…)
いわゆる「お香」の香りではなく、おフランスの香水って香りでしたの。
ワタシにとってはデズデモーナとは掛け離れたイメージな香りでしたが…。
ところでデズデモーナってギリシア語で「不運な」って意味なんだそうですね。
さて、解説が終わるとお調べが始まりました。
マイクが入っているせいか、よく響いてすごくイイ感じ…

舞台は所作台を置かないフラットな形式で、簡易目付柱もありません。
ほぼ、舞台の中央に三間四方の能舞台スペースを確保し、背景なしのホリゾント、ここにブルーやオレンジの照明が入って、夕暮れ時や、月光の夜、そして吟遊詩人の夢の中、を表現するのです。
橋掛りは、舞台奥に下手に水平に設置され、五色の幕がなくても大丈夫なようになってます。
おっと、出演者を書いてませんでしたね~。
シテ 辰巳 満次郎

ツレ 和久 荘太郎 デズデモーナの霊
ワキ 江崎 敬三 吟遊詩人
アイ 茂山 千三郎 イアーゴの霊
笛 竹市 学
小鼓 大倉 源次郎
大鼓 大倉 慶乃輔
太鼓 中田 弘美
後見 石黒 実都
地謡 山内 崇生 野月 聡 水上 優
澤田 宏司 亀井 雄二 辰巳 大二郎
こんな感じ。

舞台上では、地謡の皆さまは能舞台のように正面に垂直に並ぶのではなく、舞囃子の時みたいに笛の近くにナナメに並んで着席しました。
狂言口開けなので、まずイアーゴ(の霊)が登場しました。

イアーゴの面は「俊寛」だそうですが、役が変わるとこうも表情を変えるもんなんですね。これはチラシの写真を拡大しました。
満つぁま(辰巳満次郎様)

装束は、能「鶴亀」の間狂言みたい? カシラは白頭でした。
イアーゴの退場(橋掛りの位置でクツロギ?)で吟遊詩人のワキが登場します。
能「大会」のシテがかぶるみたいに角帽子をかぶり、紫の指貫袴に上は襟を折り込んだ狩衣姿…だったかな?
(もう記憶が曖昧…、ちゃんとメモっておけばヨカッタですね~

背中には(吟遊詩人なので)琵琶(リュート)を背負ってます。
そうそう、季節は春、の設定です。
ところで、デズデモーナを象徴する白い花は、何なのでしょうね~。
チラシの写真では百合、当日のプログラムには薔薇か、八重の梔子か?
まり子は月花美人のイメージで観ていましたが、いずれも春というよりは初夏の花です。春の白い花で大輪で香りの良い花って、ちょっと思いつきません。
そんな花が一面に咲いている廃墟の庭園にワキが迷い込んだ、という場面です。
想像力を働かせて、観てますよ~

大体、目付柱のあるあたりに、沢山咲いていたようですね~

ワキがその花を思わず摘もうとすると、花守@満つぁま


吟遊詩人をかるく咎めます。
まり子は、なんとなく「項羽」チックかなぁ、と思っていたのですが、この設定は「雲林院」ですね~。
花守@満つぁま

「マクベス」の前シテと似た感じです。
面は「邯鄲男」なんだそうですが、花帽子を被っていたし、舞台を暗めにしていたし、まり子の席からは判別できませんでした。
花守@満つぁま

イロエで舞台をゆっくりぐるりと回って、最後に目付柱あたりで袖を抱くような型を見せます。散った花を掻き集めて胸に抱き、袖に香を移してるんですね。
それでね、シテは
月にも花にも捨てられて候
と謡うんですが、これって「鞍馬天狗」で遮那王クンが謡うので有名な一句。
確かに前シテはそんな心境なんだろうけど、まり子にはちょと違和感強し…。
そして、花守@満つぁま

これって、残心?って感が強くなってイイなあ~、と思いました。
で、やっぱり終わりませんでしたので、明日も続きまする。では~。

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