第四回「満次郎の会」まで、あと6日! 「能にみる日本人の文化」 その8 三番目は「女(にょ)」 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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みなさま、こんにちは。西 久美子です。

第四回「満次郎の会」まで、あと6日です
全貌がかなり明らかになってきた、第四回「満次郎の会」!
辰巳満次郎先生の応援、ますますよろしくお願いいたします。

それでは、辰巳満次郎先生のメルマガ・アーカイブ第8弾、どうぞ、お楽しみください。


「男」とくれば、次は「女」となる感じですが、単なる「男女」という意味ではなく、やはりこれも1日のリズムから申しますと、陽が一番高いころに「穏やか」「ゆったり」「優美」な女性を題材にした「女」を持ってくるのです。

この三番目物は「鬘物」とも呼ばれます。

これは、女性の役を演じる場合に、「鬘」を付けるから、この呼び名になっています。

また、曲種からいっても、自然「幽玄美」あふれる内容になっており、能として目指す「幽玄」というものの代表曲柄ともなります。

陽の高い、穏やかな時間帯に、女性の優雅な曲目を持ってくるのですから、リズムに合いすぎて、眠くなろうという感じですが…。

お客様が眠くなることを心配などせず、あくまでも序破急原理に基づき、1日のリズムを優先させています。

鬘物の代表的な曲目には、

  「羽衣」「熊野(湯谷)」「草紙洗(草子洗小町)」

など、主人公含めてすべてが現在進行形の登場人物のものと、

  「井筒」「杜若」「野宮」「松風」「東北」

などの、主人公が霊や精であり、「夢幻能」と呼ばれる曲種のものがあります。

夢幻能とは、夢・幻の世界、つまり観客の代表とも言うべきワキの夢中におきたお話という意味です。
「夢は覚めにけり」とか、「夢は覚めて失せにけり」とか、「夢とぞなりにける」とか…。

気がつけばワキ(大抵が僧の場合が多い)の夢中の出来事で、朝になればすべて夢とともに消えうせてしまう、というパターンです。
ですから当然主人公も、現実には生きていない人物、あるいは精霊などであり、弔いをもとめて現れます。
シテに妄執があったりするのですが、怨念として表現するようなことは決してせず、あくまでも優美に穏やかに演じます。

夢中の能ですから、むしろ眠りの世界に引きずり込まれやすい時間帯にピッタシなのかも知れません…。

しかし我々としては、なんとか持ちこたえて頂きたいのです。

次回は四番目、「狂(きょう)」をお届けします。

辰巳満次郎



kumiko

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