お待たせいたしましたっ! いよいよ、花さん

どうぞお楽しみ下さいませ。
(次回からは、まり子はでしゃばらず、読者に徹しまぁす。

夏の間、香里園のお稽古場では、お稽古がひと段落つくと、
いつもマスクメロンが、座卓の上に一切れ

厳しいお稽古の緊張から解き放たれた穏やかな空気の中、
美味しそうにメロンを召し上がる辰巳孝先生を、
皆でにこにこ

と、いつの間にか外出支度を整えられた辰巳孝先生が、目の前に立って、
いくぞっ!
と、一言。

力持ちだろ?

鞄持ちを仰せつかっていた私は、えっ、もう?と、ご一緒していた他の先生方、先輩方にペコペコ頭を下げながら、こけつまろびつついて行った。
お時間無かったんだ、お忙しいんだと、必死

駅に近くなった所で、
そこの喫茶店で滿次郎を待たせてるんだ。

えーっ

そこには、ジュノンボーイグランプリ間違いなし

光輝く


ストイックな稽古の鬼、といったいつもの辰巳孝先生の顔はそこには無く、
優しい良きパパの顔…。
さりげない親子の愛のスパイスを感じながら飲む珈琲の味は格別なものでした。
滿次郎先生、大学が夏休みで、ちょうどお帰りになられていたのでしょう。
それが、私と滿次郎先生との出会いの瞬間

でも、覚えてらっしゃらないでしょうね、滿次郎先生は…。
今回ブログに書く、というお話を頂いた時、ミジンコみたいな末席の私が辰巳孝先生の思い出を語るなんて…、綺羅星のごとくにあまた先輩方がいらっしゃるのに何と厚かましい、とずいぶん悩みました。
でも、どなたかと、辰巳孝先生の思い出を分かち合いたい、との思いを抑えられませんでした。
私の記憶はジグソーパズルの小ちゃなひとかけらにしかすぎません。
世界に一つしか無い、今でも尊敬して止まない、
辰巳孝先生という壮大なジグソーパズルを皆さんと作っていけたら…、
心からの、私の祈りなのです。
