紀尾井ホールで「石橋」を観た! 第一回 東京「無形文化」祭 「躍る」― 舞の競演 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

こんばんわわわ~、まり子です。

頑張るって言ったのに、全然頑張っておりませんね~。
イカンです…。
とりあえず、新しい順に感想など書きまする。

まずは、7月24日(火)の紀尾井ホールでの、辰巳満次郎様の「石橋」です。
この公演は割と遅い時期に決まったようで、宣伝不足と高め?のチケットのせいか、
開場前にはこんなに並んでたのに…。


開場後はガラガラで、席なんか選び放題?状態。
まり子も開場前に並びましたが、まる子と二人分の席を2ヶ所も仮押さえできるほどの余裕!
最終的には6割ぐらいの入り?のガラガラさ
勿体ないことでゴザイマス。

ちなみに、韓国でご一緒した辰巳満次郎様のお弟子様方にも再びお目にかかれて、嬉しいことでございました。

さて、今回の公演はタイトルが「躍る」であるように、躍動感あふれる舞ばかり、
狂言から「三番三」、能から「石橋」、雅楽から「胡飲酒」が演じられました。
こんなワクワクのメニューでさ、ホールが埋まらないのはなんでなんでしょうねぇ。

で、今回は主にクラシックのコンサートが開催される大ホールの方で、板張りで歩くとコツコツいうライブな床…。
席も全部埋まってない状態では、お囃子はビンビンに響くだろうなぁ~、って予感…、は大当たりでした。

最初に山本泰太郎師による「三番三」。
面箱持ちに山本則孝師にかわり、山本則秀師。
そして、後見に人間国宝になりたてホヤホヤの山本東次郎師(オメデトウ(^▽^)ゴザイマース)とご長男の山本凛太郎クン。

実は「三番三」だけって観たことなくって、どういう風にするのかな、と思ってたら、翁と千歳抜き(つまりシテ方不在)なだけで、いつもの「翁」と同じでした。
唯一違うのは後見の位置かな~。
いつもだったらシテ方の後見が居る位置に、東次郎師と凛太郎クンが座りました。

山本泰太郎師はこれ以上ないってくらい気合が入ってて、ちょっと気合 Too Much! な感じ。
紀尾井(気負い)ホールだから? (←どアホ)
でも、いつ観ても山本家は足捌きとか拍子の踏み方とか、きっちりしていてイイなぁ。

お囃子は予想通り、笛も響くし、大鼓も響くし、小鼓は三人(頭取は大倉源次郎師!)だし、
響く、響く、響く!
一瞬、ここが日本じゃないんでは、な錯覚が置きました。
(行ったことないけど)フランスの古~い石造りの教会の中で「三番三」観てる感じ…。
実際、そんな海外公演があってもいいんじゃなぁ~い?と思いました。

さらに、山本泰太郎師の足拍子も響く、響く、響く、
で、一瞬「ドコデ工事シテマスカ?」な錯覚もおきました。
よくさ、最近のオペラの演出にあるみたいな、鉄骨むき出しの廃墟みたいなところで「三番三」を踏んでるみたいな…。
「鈴ノ段」では廃墟で種蒔いてるみたいなイリュージョンもあり…。
ホールも案外オモシロイものであります。

続いて「石橋」です。
なんと辰巳満次郎様が一人で舞う「石橋」は初見でゴザイマス。
気づいてびっくりだけど、案外、観てないもんですね~。

しかし一畳台が2台もあるのに、後見は2名しかいないし、どうするのか…、と思ってたらホールの照明が落ちてから、地謡4名(しかいないのに)のうち2名が一畳台運んで参りました。
皆様、マルチなお働きでゴザイマス。

そして、忘れてましたが半能なんでワキ僧がちゃんといらっしゃいます。
おおっ、あの長身は!
スペイン系の美男の高僧、福王和幸師であります。
場所が場所だけに、懐からロザリオだしてもおかしくないぜ~。
実はカソリックの司祭様でありましたかぁ~、って感じ。
モチロン、ラテン語でなく日本語で名乗りましたが…。

さて、いよいよシテの獅子の登場ですが、今度は太鼓が入りますれば、太鼓の音もまた良く
響く、響く、響く!
獅子が出てくる前の、太鼓の露の音の後に間を置いて小鼓が打つんだけど、その間の静けさが能楽堂での静けさと違って、「シーン」という無音がビリビリ聞こえる静けさなのよ~。
その「シーン」が打ち破られると…!
牡丹の花びらが散華のようにちりくるちりくる中を、赤い頭の巨大?な獅子が舞い狂う感じが、

ひゅ~、ひゅ~!

なのでありました~
そして、注目すべき点その1。
辰巳満次郎様ずFacebook情報によれば、面は「家伝来の鎌倉期獅子口」なんだそうです!
これがね、コワイ顔なのよ~。
ナマハゲもびっくりのコワイ獅子!

きゃ~、ステキ!

そして、注目すべき点その2。
辰巳満次郎様は、ちゃあんと、厚板の袖口を(小指で)持って舞っていらっしゃいましたぁ~!

どうでいっ!

機関紙「宝生」にも書いてあったけど、獅子は扇を持たないので両袖をしっかり持つのが正しい、のでありますよ!
そうして奴凧(←古いか…)みたいに両袖をピンっと張らなくちゃ、獅子の型じゃないのよ!
ここ数年、「石橋」の披キで若手が舞う度、厚板の裄が短いせいなのか、両袖を持たないのを何度か目撃し、イライラしておりました!
満次郎様のさ~、これがさ~、正しい型なのよ~!
袖持たないと、ちょっとマヌケなのよ~!
皆(←宝生の若手能楽師達)ちゃんと見とけって感じよ~!!!!!

おっと、失礼。m(_ _;)m

そして、地謡が始まりました~!
8人揃ったって囃子に圧倒されそうなくらいな曲なのに、今回は4名なんですよ!
それでさらにライブでビンビンに響く囃子の中、負けてたまるかぁ~っ、な地謡が、血管キレそうになるぐらいのフルパワーで、謡います~

いいぞぉ~っ!

と、つい獅子を忘れて、地謡4名を見入ってしまったまり子でゴザイマシタ。
やっぱり「石橋」はイイですよ~。

写真は、戦い?終わって休憩に入った後の舞台。


この後、再び、地頭も一畳台を運んで、舞台は次の雅楽のセッティングに入りました。

雅楽もヨカッタです~。
詳しくないので、イロイロ、隣のまる子に解説してもらいました。
笙の音なんて、ホールで聞くと、ホントに鳳凰が舞い降りてくるみたい…。
舞も興味深かったのですが、アルファ波出まくりの演奏なので、まり子はときどきアチラの世界にトリップしておりました。

と、いうナカナカ面白い催し物でありましたが、ちと思うところもあり、それはまた別の記事にいたしたいと思います。

チャオ~

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