東京は降水

辰巳満次郎様

京都市亀岡の地はいかがでござりましょうや?
ってこのみろく能をガンガンに皆様にオススメしていながら、
まり子は行きません、いや行けません…。
なので辰巳満次郎様

ちょとプレイバックしてみたいと存じます。
実を言えば、まり子が観たことのあるのは舞囃子…。
お能ではございません。
だからちょっと違うといえば違うんだけど…。
それは今からニアリー5年前、
2007年5月15日の世田谷パブリックシアターに於ける
能楽現在形@世田谷『鐵輪』公演でございます。
なんとこの公演は日替わりで、宝生・喜多・観世がそれぞれ同じ演目を同じ演出で務めるという、ファンにとってはオイシイ公演。
当時、まり子の職場が三間茶屋にあったので、逃しちゃならぬとチケットを取りました。
メインの『鐵輪』はシテが金井雄資師、その前にカップリングされた舞囃子が「乱」で、これを辰巳満次郎様

舞囃子 「乱(みだれ)」 辰巳 満次郎
笛 一噌 幸弘
小鼓 成田 達志
大鼓 亀井 広忠
太鼓 観世 元伯
地謡 武田 孝史 宝生 和英 山内 崇生 和久 荘太郎
笛 一噌 幸弘
小鼓 成田 達志
大鼓 亀井 広忠
太鼓 観世 元伯
地謡 武田 孝史 宝生 和英 山内 崇生 和久 荘太郎
ちょっとくどいけど、色は猩々緋にしてみました。
まり子がゲットできた席は確か、2階席だったか…。
世田谷パブリックシアターに組まれた特設の能舞台を見下ろす感じだったことを覚えています。
客席(見所)は暗く、能舞台のみが照明で照らされております。
舞囃子の「乱」は、ワキ(高風)の待謡から始まりました。
(謡ったのは和久荘太郎師でした)
それまで「乱」と言えば若手能楽師の披キとしての「能」しか観たことなかったんですけどね~。
これって、装束着けてないだけで、ほぼ能?じゃあアリマセンカ?
ただこれは舞囃子としてはロングバージョン、ワキの待謡をカットしたところから始める短めバージョンも、あります。
「乱」って皆様ご存じ?のように「猩々」の特殊演出です。
常の「猩々」では中ノ舞のところを「乱」と云う舞に替わるだけなんだけれど
タイトルごと、変わっちゃうんですね。
辰巳満次郎様

コノ色、辰巳満次郎様

そして「老いせぬや」から始まるノリの良いリズム(ワタリ拍子)の最も気持ちの良い謡が終わり、いよいよ「乱」の舞が始まりました。
これって猩々(酒好きのカワイイ顔をした妖精?)が、酔っぱらって楽しげに波打ち際で舞う様を表している訳です。
(もう一度、ポッドキャストの辰巳満次郎様

「乱」の舞は、出だしは中ノ舞の始まりと同じなんですが、その出だしが終わったとたん、
照明が変わって、青海波模様のホリゾントが能舞台いっぱいに、流れ出しました。
まり子は2階から見下ろしているので、能舞台にも青海波模様が流れるように現れ、本当に月夜の波打際で、酔ったマンジロ猩々が楽しげに舞っているように見えます。

もちろん照明が人間を避けて当たる訳はないので、辰巳満次郎様

う~ん、これはオモシロイ効果です。
まるで、猩々の装束を着ているように見えます。

確か能楽現在形@世田谷では、
能楽堂の舞台で繰り広げられているシンプルな型が、
ホントはこんな光景で展開してるんだよ~(より写実?な演劇)的に、
面白く判り易く観客に見せることを、
ひとつの目的としていました。
だから上から能舞台全体が見える席の観客には、非常にオモシロイ演出

しかし、1階の観客からは舞台に現れている青海波模様が見えず、逆にお顔にくっきり浮かび上がる青海波模様が見える状態…。
(カワイイ猩々っていうよりも、ゾンビみたいに見えちゃったカモ…

上から見下ろしてる分には、顔に浮かび上がる青海波模様はほとんど気にならなかったです。
だから、舞囃子「乱」の照明効果は、座席によって評価が分かれる結果となってしまいました。
もちろん、まり子は満足しました。
こういう演出もたまにはイイもんです。
でもやっぱり、ちゃんと正式の、辰巳満次郎様

