書いてもイイデスか…? 四月度五雲会の感想(その1) | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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日曜日に自分の舞台を終えたのに、未だ呆けているまり子です。

はあ~。

しかしプロは反省しつつも日々前進していることを思えば、まり子も次の舞台に向けて
頑張らねばなりません。
気持ちを切り替えて、またお稽古再開でゴザイマス。
また自分の舞台で煮詰まっていた為お休みしていた仕舞&謡のお稽古も再開です。
大きな声で謡うってさ、スッキリしますね。 楽しいです~。

この前の記事でご報告したように、残念ながら最初の能「養老」と狂言「口真似」には
間に合わなかったまり子でございますが、それ以降の能&狂言は全部(寝ないで?)
観ることができましたっ!

あ~、楽しかった!

で、少々感想などを書いてみようかな、と思います。

まずは「吉野静」。
ところで「船弁慶」を観ていてハッと気付いたんですが、四月の五雲会には、静御前が
2番も出たんですね。
これって、番組的には良いような悪いような…。
お話としては「船弁慶」の方が時系列的に先に来るのですが、「吉野静」は三番目モノなので、
「船弁慶」よりは前に上演されます。

時系列に義経の話を並べてみる試みは5月26日(土)の和の会「体感する能FUNABENKEI」
演じられますので、それをお楽しみに!

「吉野静」は現在モノなのでお芝居の要素が強く、三番目モノとしては比較的軽めの作品です。
そう言えば、義経関係のお能って現在モノが多い気がします。
夢幻能って「八島」ぐらいですかね~。
義経自身がシテとなる「八島」のみ?が夢幻能っていうのも、何か興味深い。
「八島」は4月28日(土)の企画公演「時の花「春」」公演で観ることができますので、これにも是非、お運び下さいませ。

おっと話が横にズレました…。
「吉野静」に、まず最初に登場したのは佐藤忠信(ワキ)、スペイン系の長身イケメンでございました。
続いて登場したのが狂言方による吉野山の衆徒二人。
この三人によるやり取りが非常に面白く、今までまり子は「吉野静」のナニを観てたのか…、
と強く衝撃を受けました。
しかし、ここまでがプロローグ。
これ以降が、シテの静御前が登場して本編となるのですが、…、…、…。

正直、伝説の「道成寺」を披いたおシテ様はあの時のまま、でございましたよ。
ちょっとのけぞった、まり子デス…。
おシテ様には今回のような芝居の要素の強いものは、もうちょっと演技するというか、
静御前の心情になって謡いかつ舞いして欲しかったでする。
ただ、もしやこのおシテ様はプレッシャーに弱いタイプかも、と思える節もあり…。
プレッシャー克服の次回に期待したいと思います。
しかしシテを盛り立てるべき地謡も今回ナンダカナ~だったのが、非常に残念でした。


さて続いて「小袖曽我」と「船弁慶」に行くと長くなるので、狂言「昆布売」についてちょっとだけ触れて、この記事はクローズしたいと思います。

まり子が最近思うに、狂言のシテに上手い役者が配されるに越したことは無いけれど、アドと呼ばれる相手役に上手い役者が配されると、その狂言が一層面白くなるなぁ、と。
今回の「昆布売」はその典型だったようです。

ちょっと悪戯好きでユーモアがある(と自分で考えているお寒い)上司(課長ぐらいかなぁ)と、全く冗談の通じない新人クンの組み合わせ、って感じでした。
しかし、この組み合わせがそのまま笑いを誘うんですよね~。
冗談が通じない新人クンに半ば本気の冗談を連発して、逆ギレされて慌てる上司…、って構図が、まさに今この時代のそこらのオフィスにいそうでさ~。
笑かしてもらいました。

ホントに狂言って、どの時代にも通じる普遍的な人間ドラマを(ちょっとシニカルに?)描いているんだなぁ、と思った次第。

つづく


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