第三回「満次郎の会」まで、あと7日! でもその前に、秋の別会能、初見の「姨捨」! | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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まり子です。
第三回「満次郎の会」まで、あと7日でございますっ!
あと一週間ですよっ!→満 残り席に福がありまぁす!


明日25日は、秋の別会能<第1日>です。
この日の注目は何と言っても、至高の存在を描く老女物屈指の名曲「姨捨」ではないでしょうか?
とは言っても、まり子は初めて観るのであります。
そこで予習…、でございます。
なんせ2時間を超える大曲、地謡の皆様もさぞ大変でございましょう。
(お、辰巳満次郎様はドキドキ「清経」の地謡でございます!)

まずは粗筋から…。
宝生会HPのはちょっと簡潔すぎたので、もうちょっと詳しい文化デジタルライブラリの解説から、そっくり引用させていただきます。


都の男は、名所の月を眺めようと更科にある姨捨山を訪れます。
夕刻、山からの眺めを楽しむ男の前に現れた女は男の問いかけに、昔この山に捨てられ、

「我が心なぐさめかねつ更科や姨捨山に照る月を見て」

と詠んだ老女の未だ晴れぬ心の内について語るうちに、自分がその老女の霊であると
名乗って姿を消します。夜になり月が出ると、老女の霊が白衣の姿で男の前に現れ、
夜もすがら月を愛でようと言います。月の光を阿弥陀仏の救いの光と見て極楽の様子を
再現し、月は満ちては欠けることによって世の無常を示すのだと言い、
月光と一体となったかのように舞を舞いますが、昔を懐かしむ執心は消えません。
夜明けとともに男が立ち去ると、老女の霊だけがまた、独り山に残されるのでした。

「返せや返せ昔の秋を。思い出でたる妄執の心。
やる方もなき今宵の秋風、身にしみじみと恋しきは昔」



「我が心・・・」の歌を詠んだのは「大和物語」の中では、伯母(姨)を捨てたその男自身となっています。
両親を早くに亡くして伯母に育てられた男が、嫁の讒言に影響されて年老いた伯母を疎むようになり、伯母を騙して山に捨ててはきたものの、月を眺めているうちに自分のしたことを後悔して詠んだのがこの歌。
その男は翌日、伯母を迎えに行きました。

ところでその伯母が捨てられた山は、正しくは冠着山(カムリキヤマ)というそうです。
標高は1,252メートル。長野県千曲市と東筑摩郡筑北村にまたがっており、
「田毎(たごと)の月」として知られるほど棚田に映る月が美しく見られる場所として古くから知られ、2010年には重要文化的景観にも選定されたとのこと。(ウィキペディアによる)

まり子は全く考えもしなかったんですが、この曲は三番目物に分類されているんですね。
後シテの老女は、真っ白な長絹で現れます。
まるで、月の(老)女神のようにも見えますが…。

実際、捨てられた女はどうであったのか…。

6月末頃封切られた映画「デンデラ」…。
キャッチコピーが、「姥捨山には、続きがあった…」であります。
そうそうたる女優が出演し、アノ浅丘ルリ子が素顔で出演したという、話題の映画!
これ、新聞で見かけた時から興味津々だったんですが、まだやってるみたいです。


年を取ることは罪か? 罪ではねえ。
年寄りは屑か? 屑ではねえ。 人だ!



「姨捨」の老女も、本当はこんな風に叫びたかったのかもしれません…。


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