七宝会別会の続き、「杜若」編、まいりましょう!
海の日の朝は日本中がそうだったように、まり子も早起きでありました。
(まる子なんて、なでしこジャパンの試合をほぼマルマル見たらしいです…。)
しかも大阪行きの前日は、遠足にゆく小学生のように寝てない…、状態だったし…。
お能、特に序ノ舞のもの(つまり「杜若」ね)を観るには絶好のコンディションとは言えませんでした。
しかし!
辰巳満次郎様


(しかし、狂言で仮眠

さて、本題でございます。
(今回、お能以外の感想は省略します~ m(_ _;)m )
辰巳満次郎様

(やっぱり隠しても隠しきれない色気…、って感じ?)
いつもの低音の「おま~く」が聞こえなかったけれど、ふと気配に振り向くと、幕は既に上がっていて、そこに辰巳満次郎様

帯にしたらすっごくゴージャスな(ちょと小さい)唐織をまとって、しずしずと橋掛リを運ぶ辰巳満次郎様、萌え萌え~

唐織の下には縫箔を着ているはずなので、ナカナカ立派な腰つき…、ますます萌え~でゴザイマス。
舞台に入ると旅の僧と短い会話をしてアッという間に前半が終わり、物着(舞台上でお着替え)となります。
大阪能楽会館は、なかなかステキな舞台なんですが、舞台と見所が非常に近くて、まり子とまる子の席からは、後見がお着替えさせているのがよく見えます。
これもわざわざ脇正面の席にした理由なんですね~。
後見はシテにまず濃色の長絹(こんな色かな→■)を着せ掛けて、その下で今まで着ていた唐織を素早く脱がせます。
続いて初冠に緌(オヒカケ:馬の尾の毛で扇形の顔の左右につける飾り)を付けますが、今回は「沢辺之舞」の小書付きなので、白い藤の花が初冠に付いています。
なんで「杜若」なのになんで白い藤の花なのかな?と疑問に思って検索してみましたが、回答は見つからず…。
そこで数少ないコレ、と思える情報をつなぎ合わせて推理してみました。
実は伊勢物語の在原業平と二条の后高子の恋物語は、どうも源氏物語の光源氏と藤壺のエピソードのベースになっているらしいのです。
この「沢辺之舞」の小書は、禁断の恋の想い出をそこはかとなく暗示する為に敢えて藤の花を付けるのではないかと…。
じゃあなんで色は白?と言われちゃうと答えられないんだけど、そこはそれ、ロコツに表現しちゃうのはイマイチ粋じゃない訳で、ねぇ…。
ちなみに藤の花言葉は「あなたの愛に酔う/至福のとき」でした。う~ん意味深…。
と横道にそれてしまいました。
お着替えが終わると、ここからが本番です。
長大なクセを舞い、いよいよ序ノ舞。
今回は「沢辺之舞」なので「序」の部分が終わると、すうっと向きを変えて、満次郎様

(杜若の美しさに佇むのか、遠い日の恋の面影を追っているのか…)
待ってマシタっ!
これをカブリツキで観る為に、ここの席を確保していただいたのですもの~。
しかし、あまりの近さで目が合ってしまった模様…。
う~ん、思いっきり見つめられないじゃないの…。
この席はちょっと失敗だったか…。思わず視線を落として松なんかを見ちゃうまり子…。
けっこうシャイなファンなのであります。
(柱の陰から見つめて騒ぐぐらいがちょうどイイのかも…。)
さて、もしかしたらヤなモノを見て脱力しそうになってしまったかもしれない満次郎様

え~、ってことはさ、序ノ舞はまるまる舞って、さらに橋掛リにきてたんだ~。
それでもって、キリの舞の前にイロエまであって、まさにギアをローに入れて徐行しっぱなし状態!
(しかし舞台上に排気ガスならぬ、フェロモンが漂ってた感じですのよ~)
見所は恍惚としていたけれど、満次郎様


お能のラスト、留拍子の直前に、満次郎様

(普通は左袖だけだと思うんだけど…)
その姿は、ちょうどこの写真(フリー画像ですよ

ああっ、まさにこの杜若に写真にちいちゃな満次郎様

美しかったです~



しかし、この二日間の密度の濃さと言ったら…。
「杜若」の涼しげに見える舞台とは裏腹のおシテ様の肉体的&精神的負担の重さ…。
つくづく辰巳満次郎様

やっぱり、観に行ってヨカッタ~

しかしこの「杜若」に於いても、まり子の頭からは以前から持ち続けているある妄想が離れてくれません…。
それは「清経」と違って、ワキの人物に影響を受けない妄想なんですが…。
別の記事にてダブルでご紹介できるかも…、しれません。
