海の日は、日曜日のギラギラ


帰る頃にはマスマス雨脚が強まるのでは、と懸念しながらもウキウキとお出かけした、
まり子とまる子です。
大阪能楽会館のロビー(見所の入り口)にはこのような遺影が、日曜日の「巽会全国大会」
から引き続き、七宝会別会を見守っておられます。
この白菊って、青山御流の活け方なんでしょうかね~。
13時までは日曜日に引き続き「巽会全国大会」で、14時からが「七宝会別会」です。
午前中も辰巳満次郎様

ゴキゲン

でも日曜日と同様、見所には節電レスの冷房がガンガン入っており、もう最初っから
ブランケットを借りました。
見所には日曜日と同様、節電レスの冷房がガンガン入っており、もう最初っからブランケットを借りての臨戦態勢でしたが…。
最初の女流の仕舞が四番、その後に能「清経」でした。
正直に告白するとですね、この「清経」はまったく期待していなかったのです…m(_ _;)m
ところが期待に反して?この「清経」がすばらしかったのでする。
「清経」はツレで登場する平清経の妻が大切な役ドコロなんですが、今まで拝見した
ことのある清経の妻達は鬼嫁?と思っちゃうぐらいに、先に自殺した夫を責める・
なじる・無関心…な印象。
この夫婦、どこがラブラブなんだい、って能「清経」自体に疑問を抱いておりました…。
しかし今回、辰巳大二郎サンが演じた清経の妻は、恨み言をいうのも夫を愛するが故…、
というのがハッキリわかるほどいじらしく可憐な女…。
五月の「通盛」でもいじらしく可憐な通盛の妻の小宰相が絶品だったし…、
ツレは大事よ~!
一方、その夫の清経も、女流ながらもツレをがっちり受け止めた、すばらしい
清経だったのですよ~。
おシテの倉本雅師は女流ながらスゴイ&故辰巳孝師が一目置いていた、という話を
聞いたことはあるのですが、実際におシテを拝見したことがなかったので、どれだ
けスゴイのかわかってなかったのですが…、ホントにスゴかったですよ。
どうスゴイか…、なんですが、謡の発声というかなんというか、鍛え上げられた
筋肉質の声、なんですよ。
あの声を作るのに、どれだけ努力されて来たのか…。
ハッキリ言って、宝生流の女流能楽師は全員今日の舞台を観るべき、と思いました。

それぐらい、スゴイ…。
この方に限っては、女流という冠をつけてしまうのは申し訳ない感じ…。
月並能に倉本師が登場されても、遜色ないどころか出色の舞台になると思います。
ただ、やっぱり女性なので男性と体格(身長と、特に肩幅!)が違うので、装束を
つけた姿がちょっとオンナ…っぽく?なるのだけは…、しょうがないことですね。
ところで今回の「清経」は「音取」の小書付。
従者が清経の遺髪を届けて切戸口から退場すると、笛が膝行して舞台に入って
橋掛リを向いて、特殊なメロディーを吹きます。それが「音取」の小書です。
おシテが舞台に入るまで、笛を吹いては止め、止めては吹き、を繰り返します。
泣き疲れて眠ってしまった清経の妻の夢に、少しずつ少しずつ、清経が恥じらい
ながら姿を現すようです…。
お約束どおり、脇正面の二の松のすぐ近くに席をキープしてもらっていたまり子
とまる子は、笛の方と見合うようにして、この短い時間を楽しみました。
(希望の席をありがとうゴザイマス~

舞台に入った清経は、なぜ故に自害に至ったのかを、謡いながら舞いながら
愛しい妻に説明するのですが、倉本雅師はどちらかと言えば、根性ありそうな
タイプで、平家の公達とはちょっと違う印象…。
しかし圧倒的な謡の力で、この夫婦の物語を見所に納得させてました。
地謡も良かったし、今まで観た中でベストの「清経」だったかも…。
イロイロな意味で、堪能できた一番でしたぁ。
しかし、まり子は不謹慎にも、ある妄想が頭を離れませんでしたよ…。
それは、ワキが福王和幸師だからこそ、沸き上がったもの…。
別の記事にてご紹介できるかも…、しれません。
