「辰巳孝 七回忌追善 七宝会別会」のご報告(「清経」編) | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

まり子です。

海の日は、日曜日のギラギラ晴れに反し、台風の影響で朝から雨雨…。
帰る頃にはマスマス雨脚が強まるのでは、と懸念しながらもウキウキとお出かけした、
まり子とまる子です。

大阪能楽会館のロビー(見所の入り口)にはこのような遺影が、日曜日の「巽会全国大会」
から引き続き、七宝会別会を見守っておられます。

この白菊って、青山御流の活け方なんでしょうかね~。


13時までは日曜日に引き続き「巽会全国大会」で、14時からが「七宝会別会」です。
午前中も辰巳満次郎様ドキドキの謡をいっぱい聞けて、午後はいよいよ「杜若 沢辺之舞」だし、
ゴキゲン合格でございまする~。
でも日曜日と同様、見所には節電レスの冷房がガンガン入っており、もう最初っから
ブランケットを借りました。
見所には日曜日と同様、節電レスの冷房がガンガン入っており、もう最初っからブランケットを借りての臨戦態勢でしたが…。

最初の女流の仕舞が四番、その後に能「清経」でした。
正直に告白するとですね、この「清経」はまったく期待していなかったのです…m(_ _;)m

ところが期待に反して?この「清経」がすばらしかったのでする。

「清経」はツレで登場する平清経の妻が大切な役ドコロなんですが、今まで拝見した
ことのある清経の妻達は鬼嫁?と思っちゃうぐらいに、先に自殺した夫を責める・
なじる・無関心…な印象。
この夫婦、どこがラブラブなんだい、って能「清経」自体に疑問を抱いておりました…。

しかし今回、辰巳大二郎サンが演じた清経の妻は、恨み言をいうのも夫を愛するが故…、
というのがハッキリわかるほどいじらしく可憐な女…。
五月の「通盛」でもいじらしく可憐な通盛の妻の小宰相が絶品だったし…、

ツレは大事よ~!

一方、その夫の清経も、女流ながらもツレをがっちり受け止めた、すばらしい
清経だったのですよ~。

おシテの倉本雅師は女流ながらスゴイ&故辰巳孝師が一目置いていた、という話を
聞いたことはあるのですが、実際におシテを拝見したことがなかったので、どれだ
けスゴイのかわかってなかったのですが…、ホントにスゴかったですよ。

どうスゴイか…、なんですが、謡の発声というかなんというか、鍛え上げられた
筋肉質の声、なんですよ。

あの声を作るのに、どれだけ努力されて来たのか…。

ハッキリ言って、宝生流の女流能楽師は全員今日の舞台を観るべき、と思いました。グー
それぐらい、スゴイ…。
この方に限っては、女流という冠をつけてしまうのは申し訳ない感じ…。
月並能に倉本師が登場されても、遜色ないどころか出色の舞台になると思います。
ただ、やっぱり女性なので男性と体格(身長と、特に肩幅!)が違うので、装束を
つけた姿がちょっとオンナ…っぽく?なるのだけは…、しょうがないことですね。

ところで今回の「清経」は「音取」の小書付。
従者が清経の遺髪を届けて切戸口から退場すると、笛が膝行して舞台に入って
橋掛リを向いて、特殊なメロディーを吹きます。それが「音取」の小書です。

おシテが舞台に入るまで、笛を吹いては止め、止めては吹き、を繰り返します。
泣き疲れて眠ってしまった清経の妻の夢に、少しずつ少しずつ、清経が恥じらい
ながら姿を現すようです…。

お約束どおり、脇正面の二の松のすぐ近くに席をキープしてもらっていたまり子
とまる子は、笛の方と見合うようにして、この短い時間を楽しみました。
(希望の席をありがとうゴザイマス~キスマーク

舞台に入った清経は、なぜ故に自害に至ったのかを、謡いながら舞いながら
愛しい妻に説明するのですが、倉本雅師はどちらかと言えば、根性ありそうな
タイプで、平家の公達とはちょっと違う印象…。

しかし圧倒的な謡の力で、この夫婦の物語を見所に納得させてました。
地謡も良かったし、今まで観た中でベストの「清経」だったかも…。
イロイロな意味で、堪能できた一番でしたぁ。

しかし、まり子は不謹慎にも、ある妄想が頭を離れませんでしたよ…。
それは、ワキが福王和幸師だからこそ、沸き上がったもの…。

別の記事にてご紹介できるかも…、しれません。


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