この記事のタイトルでありますが、六月の五雲会で最初から最後まで能&狂言を
堪能している最中に、全く唐突に浮かんできた考えなのであります。
RPGというのは皆様ご存じのように、主人公(つまりプレイするワタシ)が
ゲームの中で普通の生活をしている、まったくの日常から始まります。
ある日そこに何かの事件が起きて、主人公に重大な任務が与えられます。
主人公は旅をしながらいろいろな情報や志を同じくする仲間を集め、謎を解き、
敵と戦い、経験値を身につけて成長し、最後にはラスボス(最後に登場する
最大&最強&最悪?のボス・キャラクター)を倒して平和を取り戻し、
ゲームが終わる…。
なんかこのRPGって、お能を観るようになってハマる人の過程に似ているな~、
と思いました。
お能(や狂言)って興味はあっても、映画を観るみたいにふらっと能楽堂に入って
お能を見ても内容がわかるか、と言ったらわからないのであります。
もらえるパンフレットにしても、なんじゃコリャ~の筋書きに、理解できない
用語がたくさん…。
でも能楽堂に通って少しずつお能を観るようになり、さらにお稽古も始めるようになり、
少しずついろんなことが分かるようになってくると、世界が広がる…。
お能ってRPGみたいじゃん…
まり子はそう思ったのでありまする。

まり子はひとりで能楽堂に行った。
能楽堂に入りますか?
→入って当日券を買う

→今回はやめておく


まり子は入口で当日券を買った。
何やらいっぱい書いてあるプログラムをもらった。
まり子の経験値が「1」あがった。
正面の座席に座って待っていると「氷室」という能が始まった。
奥の小さい戸口から黒紋付の男たちがゾロゾロでてきた。
中でもひときわ背の高いコワイ顔の男が、気になった。
名前を調べますか?
→プログラムで名前を調べる

→調べないでただ観察する


まり子はプログラムを確認してコワイ顔の男の名前を調べた。
「辰巳満次郎」だった。
まり子の経験値が「5」あがった。
笛が切り裂くような音をたてた。
イヨ~とか、ホオ~とか、何やら厳かな掛け声で大鼓と小鼓が後に続いた。
お能が始まった。
シテという老人の格好をした男性が出てきて中央に座った。
「辰巳満次郎」を含む黒紋付の男たちが謡い始めた。


... シテが何か呪文を唱えた!
... まり子は意味が理解できなかった (まり子の知力が「1」下がった!)
... 黒紋付達がいっせいに謡い始めた!
... 辰巳満次郎の声が大きかった! (まり子の気力が「3」上がった!)
... 黒紋付達はさらに謡い続けた!アルファ波攻撃だ!
... まり子は眠った!


さらに次のお能を観ますか?
→次のお能を観る

→ちょっと休憩する

次はお能じゃなくて狂言だった!
狂言を観ますか?
→観る

→トイレに行く


まり子の経験値が「2」上がった。
まり子の気力が「4」上がった。
まり子の体力が「1」上がった。
こ~んな感じでしょうか?
そして少しずついろんなことを学習して、初心者では見つけ出せない謎?や楽しみを
見出してゆくのです。
シテの唱えている呪文も理解できるようになるし、舞台の上に目に見えない景色が
出現するようになるし、辰巳満次郎様

どうです?
皆様もまり子(や、まる子)の仲間になって、お能ワールドへの冒険にでかけませんか?
