まる子でございます。
実は…先週末は連チャンで能楽鑑賞しておりました。うふふ

6月11日(土) 「鵜澤久の会」:喜多能楽堂
6月12日(日) 「6月度 月並能」:宝生能楽堂
「鵜澤久の会」第2回研究公演
めずらしく観世流のお舞台鑑賞であります。
女流能楽師(観世流)の鵜澤久師が主宰する、地謡を女性のみでキャスティング
するという企画公演です。
シテは野村四郎師、演目は「通盛」
「通盛」は5月の五雲会で拝見したばかりなので、ストーリーは
バッチリお勉強済みです

男性のシテと女性だけの地謡とは、いかなるものなのか・・・?
興味と好奇心がそそられます。
今回初めて喜多能楽堂を訪れました。
小ぶりで密集感のある綺麗な佇まい。2階席があるのが特徴です。
見所は、補助席が出るほど華やかにほぼ満席。
やはり、この奇抜(?)な趣向に人々の関心が集まっているのでしょうか。
まず、鵜澤久師の舞囃子に続き、仕舞2番。
もちろん、シテは女性が勤めます。
さて。いよいよお能です。
ワキに宝生閑師


普通に囃子方(男性)が橋掛かりから登場すると、切戸口から、次々に黒紋付の
女性たちが入ってきます。
おぉ~!勇ましい。
あっという間に、地謡席がレディースシートに!
嬉しいような困ったような見慣れぬ光景です。
静かに現れたツレは、若い女性ではなく、年配の女性らしい渋い色目の唐織。
シテの老翁が来て、二人が並ぶと雰囲気ピッタリです。
どうやら、この演出の方が古来からあるパターンだとか。
しばらくの間、シテとツレの会話が続き、
地謡が一斉に「憂きながら心の少し慰むは~」と謡だします。
そうだ、女性の地謡だったのだ!忘れてた。(←失礼

不意を突かれたような衝撃(笑)。
小宰相が船から海に飛び込み、後を追うように老人も海に消えるところ。
女性コーラスの繊細さが全面に出て、凄くドラマチックでした。
なんと、ツレも中入りしてしまいました。
そういえば、宝生流で観た二人が手をつなぐ型は無かったな…。
アイの山本東次郎師の流暢な語りの後、衣装替えしたツレの小宰相が登場。
薄いブルーの大口袴に白い唐織、まさに死に装束?
地謡は、ますます感情的に道盛の最後を謡い、修羅物であることを忘れさせます。
女性から見た戦(いくさ)の悲しみ、世の無情を感じました。
選曲が良かったのだと思いますが、女性だけの地謡は、
思ったより違和感を感じませんでした。
謡は男性の声で発達し、継承されてきたけれども、
女性の地謡が、能の伝統性を壊すものではなかった。
というのが正直な感想です。
女性の地謡で男性のシテを舞わせる。
能を大成した世阿弥にしてみれば、おそらく「想定外」の出来事でしょう。
つい最近まで、能は女性が演ずるものではなかったし。
今でも、男性中心の世界だと思います。
でも、現代では素人をも含め、たくさんの女性が能舞台に立つようになり、
このような試みは興味深いし、企画する側に高いプロ意識を感じます。
凄いです!鵜澤久師。尊敬いたします。
宝生流にも、女流能楽師の公演が、年に2回(立春能・文月能)あります。
すべて女性がシテを勤め、仕舞、舞囃子、お能も全員女性だけの地謡もあります。
つまり、男性のシテ&全員女性の地謡ではありません。
そこで・・・
宝生レディース地謡による男性シテのお能
もちろん、おシテは辰巳満次郎先生!!きゃ~♪
女性の地謡で満次郎先生が舞う。
どんな感じかしら?選曲によったらいいかもしれないぃ~。
一度観てみたいものです。
しかし、いっそのこと、全員女性の舞台はあり得ないのかな?
夢想してみたりして・・・お能宝塚化計画!(笑)
シテ方は、たくさんいらっしゃいますが、囃子方は揃うのかな?
狂言方は??ワキ方は???
うーーん。やはり難しいか。
レディース地謡の後は、男性のノーマルな地謡が聞きたいっ!!
やっぱりなじみ深い宝生流の謡が~。
ということで。翌日は、ホームグランドの宝生能楽堂を訪れました。
(長くなってすみません)
つづく・・・
